NPO法人とはなに?その実態とは?

NPO法人とはなに?その実態とは?

転職活動を行うとき、「NPO法人」とはどのようなものなのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか? また、社会貢献を行うボランティア団体といったイメージを持つ人もいるかもしれませんが、大きな意味では異なるものになります。 では、「NPO法人」とは具体的にどのような組織のことをいうのでしょうか? そこで本記事では、「NPO法人」とは何なのか、その実態について詳しく解説したいと思います。


転職活動を行うとき、「NPO法人」とはどのようなものなのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか?
また、社会貢献を行うボランティア団体といったイメージを持つ人もいるかもしれませんが、大きな意味では異なるものになります。

では、「NPO法人」とは具体的にどのような組織のことをいうのでしょうか?
そこで本記事では、「NPO法人」とは何なのか、その実態について詳しく解説したいと思います。

NPO法人とはなに?

まずNPO法人のNPOとは、「Non-Profit Organization」あるいは「Not-for-Profit Organization」の略で、営利を目的としない非営利団体を意味します。

また、法人には、公的な活動を行う「公法人」と私的な活動を行う「私法人」の大きく2種類があり、さらに「私法人」は「営利法人」と「非営利法人」に分けられます。
「営利法人」とは特定の構成員に対する利益分配を目的とする法人のことであり、「非営利法人」とは構成員への利益分配を目的としない法人のことです。

そして「NPO法人」とは「非営利法人」のひとつで、特定の非営利活動を行う団体に対し、法人格を付与したものになります。

特定非営利活動促進法(NPO法)について

NPOは、1995年に起こった「阪神淡路大震災」をきっかけとして活発化します。

「阪神淡路大震災」の後には、復興のため多くの市民団体によるボランティア活動などが行われました。
ところが、それらの多くは法人格を持っていないことで、法的な経済支援が受けられないなど、問題が生じることになります。

そこで、市民が行う自由な社会貢献活動を促進することを目的として「特定非営利活動促進法(NPO法)」が制定されました。
NPO法の制定により、一定の要件を満たすことでNPO法人の設立が可能となり、また設立後には多くのメリットが受けられるようになります。

ボランティアとの違いについて

NPOとボランティアは、いずれも社会貢献のために活動を行う点では同じですが、その実態は異なります。
一般的にボランティアは、自発的な意志で社会貢献することを意味し、原則「無報酬」で行われます。

一方、NPOは、「非営利」ではあるものの、給与の支払いについては当然に認められています。
この「非営利」とは、収益を上げてはならないということではなく、団体の構成員に利益分配してならないということです。

NPO法人のメリットとデメリット

NPO法人は、「株式会社」や「合同会社」など、いわゆる「会社」と呼ばれるものとはまったく異なる特徴を有しています。
NPO法人特有ともいえるメリットとデメリットについて、ご紹介いたします。

NPO法人のメリット

NPO法人の代表的なメリットは、以下の通りです。

  • 税制で優遇される
  • 社会的に信用度が高い

税制で優遇される

NPO法人は、一般的な会社よりも税制で優遇されます。
NPO法人の資金となるものに、会員からの会費や寄付金、助成金などがありますが、基本的にこれらは非課税です。

また、認定NPO法人となった団体に対して寄付を行った個人や企業なども、税制優遇を受けられます。

社会的に信用度が高い

NPO法人は、きわめて厳しい設立要件に適合しないと法人格を取得できません。
また、設立後においても、事業報告書など必要な情報を公開しなければならない透明性が求められます。

以上のようにNPO法人は、健全な運営が行われていることが広く証明できるため、社会的信用度を高められるわけです。

NPO法人のデメリット

NPO法人の代表的なデメリットは、以下の通りです。

  • 活動内容に制限がある
  • 設立がたいへん

活動内容に制限がある

NPO法人の主たる活動内容は、NPO法に定められている20種類の分野に該当するものに限られます。
その20種類は以下の通りです。

・保健、医療又は福祉の増進を図る活動
・社会教育の推進を図る活動
・まちづくりの推進を図る活動
・観光の振興を図る活動
・農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
・学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
・環境の保全を図る活動
・災害救援活動
・地域安全活動
・人権の擁護又は平和の推進を図る活動
・国際協力の活動
・男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
・子どもの健全育成を図る活動
・情報化社会の発展を図る活動
・科学技術の振興を図る活動
・経済活動の活性化を図る活動
・職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
・消費者の保護を図る活動
・前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
・前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

設立がたいへん

NPO法人の設立は、一般の会社と比較しても、申請のための書類や定款に作成に労力がかかります。
また、申請後にも厳しい審査を受ける必要があるため、一定の時間を要します。

まとめ

NPO法人は、年々増加しており、今後もその傾向は続くことが予想されます。
NPO法人の求人は一般企業と比べて多くありませんが、社会的信用度は高いため、興味がある人は業務内容や条件などチェックしてみるとよいでしょう。

関連するキーワード


転職

関連する投稿


【転職活動の基礎知識】試用期間とはなに?

【転職活動の基礎知識】試用期間とはなに?

転職活動中にわからないことや気になることなどはよくありますが、なかでも「試用期間」とはどのような意味を持っているのか理解できていない人も多いようです。 例えば、「試用期間」で採用が取り消しになったり、あるいは期間中は残業代が認められなかったりすることはあるのでしょうか? その答えは、基本的に「試用期間」であっても正社員と大きくかけ離れた待遇を受けることはありません。 しかし、一方で気を付けなければいけない点があることも理解しておく必要があります。 そこで本記事では、転職活動における「試用期間」とはいったい何なのか、また注意しなくてはいけない点についても解説したいと思います。


【転職に有利】電気工事士資格の概要や取得するとできる仕事とは?

【転職に有利】電気工事士資格の概要や取得するとできる仕事とは?

わたしたちの生活には電気が欠かせません。 そのため、住宅建築において電気工事は必ず必要になります。 しかし、電気工事は感電や漏電による火災などの危険がともなうことから、法律によって有資格者にしか工事は認められていません。 そして、その電気工事を行うときに必要な資格が「電気工事士」になります。 つまり「電気工事士」は、きわめてニーズの高い資格であり職業なのです。 そこで本記事では、「電気工事士」資格の概要と取得するとできる仕事についてご紹介したいと思います。


30代未経験でも施工管理の転職はできる?

30代未経験でも施工管理の転職はできる?

30代での転職は、今や当たり前となっています。 しかし、施工管理への転職を未経験で検討している場合、「実際、やっていけるの?」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。 施工管理の仕事は、覚えることが多く、またさまざまなスキルが求められる仕事ですが、30代未経験でも十分に活躍できる可能性があります。 むしろ、30代のほうがうまく機能するシーンもあるため、臆することなくチャレンジしてみるとよいでしょう。 そこで本記事では、30代未経験でも施工管理への転職が可能な理由についてご紹介したいと思います。


【転職ってどう?】リフォーム・リノベーション業界の仕事内容とは

【転職ってどう?】リフォーム・リノベーション業界の仕事内容とは

少子高齢化の影響から、住宅の着工件数は徐々に低下する一方で、ライフスタイルの変化に合わせて住まいを変えていく「リフォーム・リノベーション」の需要が高まっています。 そのため、今後の成長が期待できるとして「リフォーム・リノベーション」業界への転職を希望している人も増えているようです。 とはいえ、具体的にどのような仕事を行っているのかわからない人も多いのではないでしょうか? そこで本記事では、転職を検討している人に向けて「リフォーム・リノベーション」業界の仕事内容についてご紹介したいと思います。


ハウスメーカーの現場監督の仕事とは?ゼネコンとの違いは?

ハウスメーカーの現場監督の仕事とは?ゼネコンとの違いは?

ハウスメーカーの現場監督は、どのような仕事しているのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか? ハウスメーカーとは、戸建て住宅の建設と販売を行う会社のことをいいます。 おもに自社の規格を確立していることが多く、工業化やマニュアル化によって効率的な家づくりを可能としています。 またハウスメーカーの家づくりにおける実際の施工は、下請けの工務店とその協力工事会社が行っていることが一般的です。 そのため、ハウスメーカーの現場監督は、ゼネコンと比べると仕事内容は少し異なります。 そこで本記事では、ハウスメーカーの現場監督の仕事内容について、またゼネコンの場合とどのような違いがあるのかご紹介したいと思います


最新の投稿


【転職活動の基礎知識】試用期間とはなに?

【転職活動の基礎知識】試用期間とはなに?

転職活動中にわからないことや気になることなどはよくありますが、なかでも「試用期間」とはどのような意味を持っているのか理解できていない人も多いようです。 例えば、「試用期間」で採用が取り消しになったり、あるいは期間中は残業代が認められなかったりすることはあるのでしょうか? その答えは、基本的に「試用期間」であっても正社員と大きくかけ離れた待遇を受けることはありません。 しかし、一方で気を付けなければいけない点があることも理解しておく必要があります。 そこで本記事では、転職活動における「試用期間」とはいったい何なのか、また注意しなくてはいけない点についても解説したいと思います。


【転職に有利】電気工事士資格の概要や取得するとできる仕事とは?

【転職に有利】電気工事士資格の概要や取得するとできる仕事とは?

わたしたちの生活には電気が欠かせません。 そのため、住宅建築において電気工事は必ず必要になります。 しかし、電気工事は感電や漏電による火災などの危険がともなうことから、法律によって有資格者にしか工事は認められていません。 そして、その電気工事を行うときに必要な資格が「電気工事士」になります。 つまり「電気工事士」は、きわめてニーズの高い資格であり職業なのです。 そこで本記事では、「電気工事士」資格の概要と取得するとできる仕事についてご紹介したいと思います。


30代未経験でも施工管理の転職はできる?

30代未経験でも施工管理の転職はできる?

30代での転職は、今や当たり前となっています。 しかし、施工管理への転職を未経験で検討している場合、「実際、やっていけるの?」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。 施工管理の仕事は、覚えることが多く、またさまざまなスキルが求められる仕事ですが、30代未経験でも十分に活躍できる可能性があります。 むしろ、30代のほうがうまく機能するシーンもあるため、臆することなくチャレンジしてみるとよいでしょう。 そこで本記事では、30代未経験でも施工管理への転職が可能な理由についてご紹介したいと思います。


【転職ってどう?】リフォーム・リノベーション業界の仕事内容とは

【転職ってどう?】リフォーム・リノベーション業界の仕事内容とは

少子高齢化の影響から、住宅の着工件数は徐々に低下する一方で、ライフスタイルの変化に合わせて住まいを変えていく「リフォーム・リノベーション」の需要が高まっています。 そのため、今後の成長が期待できるとして「リフォーム・リノベーション」業界への転職を希望している人も増えているようです。 とはいえ、具体的にどのような仕事を行っているのかわからない人も多いのではないでしょうか? そこで本記事では、転職を検討している人に向けて「リフォーム・リノベーション」業界の仕事内容についてご紹介したいと思います。


ハウスメーカーの現場監督の仕事とは?ゼネコンとの違いは?

ハウスメーカーの現場監督の仕事とは?ゼネコンとの違いは?

ハウスメーカーの現場監督は、どのような仕事しているのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか? ハウスメーカーとは、戸建て住宅の建設と販売を行う会社のことをいいます。 おもに自社の規格を確立していることが多く、工業化やマニュアル化によって効率的な家づくりを可能としています。 またハウスメーカーの家づくりにおける実際の施工は、下請けの工務店とその協力工事会社が行っていることが一般的です。 そのため、ハウスメーカーの現場監督は、ゼネコンと比べると仕事内容は少し異なります。 そこで本記事では、ハウスメーカーの現場監督の仕事内容について、またゼネコンの場合とどのような違いがあるのかご紹介したいと思います


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 建設 転職 風水 営業 職人 現場監理