住宅の構造とは、骨組みのこと
構造というのは、簡単にいうと、それだけで建物が立っている状態を保てるもののことを言います。住宅は様々な部材が結合されていますが、単純にそれだけで立つことができるものを構造体と言います。この基本構造に様々な補強を行うことで耐震性などを確保した住宅を建てることができます。
テントなどを考えるとわかりやすいです。テントはポールで建っており、それに布がかぶさっています。このポールが構造ということになります。
例えば、ある住宅は一見すると、昔ながらの瓦が屋根に葺かれていたり、外壁にレンガやタイルが施されていて、すごく頑丈そうに見えるかもしれません。しかし、これらの外観は構造ではないため、耐震性などには全くといって良いほど関係ありません。構造の強度は、構造体に左右されるため、いくら周りの建材が頑丈であっても関係ないのです。
この構造である骨組みは、木もしくは鉄が住宅構造には使われています。それでは、一般的な住宅工法についてご紹介いたします。
■木造と鉄骨造は、同じ構造はとれないの?
構造は骨組みという意味なので、木を使っても、鉄を使っても構造が同じであれば、同じ構造と言えます。ただ、木の特性、鉄の特性によって、建材の加工が難しい(もしくはコストを考慮すると最適な工法がある)ため木造と鉄骨造では、結果的に構造が違うものが住宅には採用されています。
6つの代表的な工法
ここでは代表的な住宅構造の工法について6つご紹介いたします。
・伝統工法
・在来工法(木造軸組構法)
・ツーバイフォー工法
・鉄骨造
・鉄筋コンクリート造
・プレハブ工法
これらは、住宅構造にどのような特徴を持つのでしょうか。
■伝統工法
神社やお寺、民家など、地域ごとに独自に発展した工法です。梁や柱がそのまま剥き出しになっています。構造としては、金物などを一切使わずに、木だけで接合されています。現在は、耐震強度などを考慮して、金物などを用いても伝統工法としている場合もあります。
耐震性は、その造り方に左右されることが多く、非常に優れているものは今でも残っています。金物は耐震強度を上げるために使用が建築基準法で義務付けられていますが、耐震強度が構造計算により実証されれば、金物を使用していない伝統工法でも建築許可が下りる場合もあります。
■在来工法(木造軸組構法)
日本家屋では一番普及している工法になります。基礎の上に土台、柱、梁を組み上げていきます。壁には筋交いを、接合部には金物を取り付けることで強度を高めていきます。
耐震性能も耐力壁などをしっかり作ることで、高い耐震性を保つことができます。金物の使用も義務付けられているため、耐震性は低いわけではありません。
間取りなどの自由度が高いことも特徴です。窓などの開口部を自由な位置に配置したり、土地の形に合わせて建物の形を変えることも可能です。また、リフォームなどで間取りを変えることも可能な工法となっています。
■ツーバイフォー工法
ツーバイフォー工法は、北米で普及した工法です。構造材としてツーバイフォー材(2×4インチの木材)を使用することから、このような名称で呼ばれています。耐震性などに優れており、日本の地震に多いという特徴にも適していることから、新築住宅ではツーバイフォー工法の採用も増えてきています。
在来工法は、柱で構造を維持していましたが、ツーバイフォー工法は、面で構造を維持しています。床・壁・天井の6面で構造を形成しています。
耐震性・気密性・断熱性に優れており、工期も短く済むことからこの工法を取り入れる工務店も増えてきています。
開口部の配置が自由にできなかったり、リフォームで間取りを変えるなどはしにくいです。断熱性や遮音性にも優れています。耐火性能にも優れているため、火災保険料も割安となります。
■鉄骨造
柱、梁などを鉄で構成した構造になります。大きく重量鉄骨造、軽量鉄骨造の2つに分けられます。
重量鉄骨造は、厚さ6ミリ以上の鉄骨を使用し、柱と梁を固く接合したラーメン構造と言われる構造が主に採用されます。
軽量鉄骨造は、厚さ3ミリ程度の鉄骨を柱・梁・ブレース(筋交)で構成したブレース構造が採用されます。
耐震性・耐久性ともに高いのが特徴です。断熱性は多少劣り、鉄が熱伝導性が高いことに起因します。柱と柱の間を広く取ることができるため、間取りなどの設計の自由度は高いです。
■鉄筋コンクリート造
鉄筋にコンクリートを被せることで、強度と耐久性を持たせる工法になります。ラーメン構造では、鉄筋コンクリートを柱と梁で固く接合します。壁式構造では、柱と梁がなく、壁のみで支える構造となります。どちらもマンションなどで採用されることが多いです。
※この記事はリバイバル記事です。