朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

毎日工事現場では、朝礼が行われます。一般企業でも朝礼を実施している会社はありますが、朝礼は朝の始まりの慣例で、特になくても問題ないのでは?と考えている方も多いかもしれません。しかし、工事現場において朝礼は非常に重要なものです。安全管理や工事内容を再度確認することで、その日1日を問題なく進行させることができます。この記事では、朝礼の目的や内容についてご紹介いたします。


朝礼の1番の目的は、安全管理

朝礼は、現場を無事故にするために行っています。建設現場において事故が起きてしまうと、重度のケガになる確率が高いです。そのため、安全管理は現場監督の業務でも1番重要と言われています。

朝礼時の安全管理:危険予知活動の3つのポイント

危険予知活動とは、現場の作業内容や、使用予定の機械、作業環境を実際に見ながら、作業の中に潜む危険要因を把握する活動のことです。

毎日、作業開始前の朝礼時に行うことで、作業者が危険を事前に把握しながら業務にあたることができます。同じことだからといって、危険予知活動を行わないのは良くありません。毎日確認をすることで、継続的に意識を保つように徹底することが望ましいです。

危険予知活動の3つのポイント

①危険察知能力を高める
一度失敗したことでないと、気づかないことがありますよね?しかし、工事現場ではその失敗が重大な事故につながります。そのため、どのような失敗をするとどのような危険が伴うかを事前に把握しておくことで、危険察知能力を高めることができます。

②作業の集中力アップ
危険が伴う作業において、指差呼称を行うなどの意識向上が図れます。また、指差呼称を行う際にも、どのような危険が伴うかを把握していることで、作業の集中力もアップします。

③作業者の主体性向上
作業者自身がどのような危険があるかについて発言や、周知を行うことで、自身の行動に主体性を持つようになります。ただ講義を受けただけでは、実践しようと思わない方も多いのではないでしょうか?主体性を持つことは、危険回避だけでなく、作業自体の効率もアップします。

朝礼の内容とは?

現場での朝礼は10分程度で終わることが多いですが、内容はその日の作業の確認など多岐にわたります。
一般的な例としては、
・挨拶、スピーチ、人数確認
・ラジオ体操
・作業内容の確認
・危険予知活動

などになります。それでは順番にご紹介いたします。

挨拶・スピーチ・人数確認

現場監督などの方が朝礼を取り仕切ります。挨拶、スピーチを行い、朝の仕事始まりを引き締めます。ここでダラダラと行なってしまうと、職人もダラダラしてしまうので、挨拶一つとっても重要な業務です。

人数確認も必ず行います。作業時に何か事故があって、他の作業者も気づかない時には、この人数確認で不足を把握することで異常事態に気づくことができます。職人が多い場合、職種が多く入る日などは、職種ごとに人数把握をすることも重要です。

ラジオ体操で体をほぐす

朝にラジオ体操をしている現場を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。作業は軽いスポーツを行うようなイメージで、体が思うように動かないとケガをしてしまいます。ラジオ体操を行うことでまずは体をほぐし、作業の安全を図ります。

機材の搬出入、作業内容の確認

機材の搬出入がある場合、大型トラックや、大きな資材を運ぶこともあります。現場で作業者が事故に遭わないためにも、どのような搬出経路になるかなども周知しておく必要があります。

作業内容は、各職種ごとに確認を行います。作業内容の把握が抜けているとその日の作業の進捗が遅くなったり、ミスが多くなります。また、職種が違くても工事内容で被る場合にはその内容についても事前に確認することでミスなどを防ぐことができます。

危険予知活動で安全作業

先に述べましたが、危険予知活動は毎日行うものです。作業内容に沿って、どのような危険があるのかについて把握します。工事安全に欠かせないものです。

まとめ

朝礼は毎日同じ内容だから、必要ないのでは?と思うこともあるかもしれませんが、建設現場では、安全管理という目的が1番重要になります。朝礼時に危険予知活動を行うことで、事故を未然に防ぐことができます。

危険予知活動の3つのポイントは、①危険察知能力を高める、②作業の集中力アップ、③作業者の主体性向上になります。毎日、継続的に行うことが重要です。

朝礼の内容は、挨拶・スピーチ・人数確認、ラジオ体操、作業内容確認、危険予知活動になります。
挨拶・スピーチで仕事初めを引き締め、人数確認を行うことで事故に気づくこともできます。ラジオ体操で体をほぐして、作業の安全性を図ります。作業内容を確認し、危険予知活動をおkなうことで安全管理を行なっています。

朝礼は10分程度で終わることが多いですが、これだけ重要なものになります。毎日意識して取り組むようにしましょう。





※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


現場監督

関連する投稿


【簡単わかりやすい】戸建て住宅工事の検査まとめ

【簡単わかりやすい】戸建て住宅工事の検査まとめ

戸建住宅工事では、様々な検査が行われています。住宅は非常に高価な商品であり、不具合があったときに容易に交換ができないことや、欠陥により人の命に関わることもあるため、法令遵守の求められている基準が厳しいです。義務として行わなければならない基本的検査、義務ではないがより安心した検査となる任意的検査があります。これらについてわかりやすく簡単にご紹介いたします。


住宅の現場監督が雨の日にやっておきたいこと【5選】

住宅の現場監督が雨の日にやっておきたいこと【5選】

住宅の新築工事では、雨が降ると工事を止めなくてはならないケースがあります。 工事を止めなくてはならないケースとはおもに外部工事になりますが、内部の工事については、屋根や防水、その他雨仕舞が終われば天候に関係なく進められます。 また、雨が降って工事が止まったとしても基本的に現場監督は休みにはなりません。 できる仕事をやる必要があり、そして日頃から忙しい現場監督にとっては滞っている業務を大きく前に進めるチャンスでもあります。 そこで本記事では、雨が降って工事が止まったときにやっておきたいことについて、とくに重要な5つをご紹介したいと思います。


現場に労働基準監督署がやってきた!役割、現場監督の気持ち

現場に労働基準監督署がやってきた!役割、現場監督の気持ち

住宅業界だけでなく、建設業界では馴染みの深い(?)労働基準監督署についてご紹介いたします。労基(ろうき)と略して言われますが、今日は労基がくるぞ!などと会社としては身構える日になります。書類関係や現場をチェックされ、違反などがあれば是正勧告などの指導が入ります。違反が重大なもので、指導に従わない場合、行政処分もあります。現場監督は問題がないように書類関係の準備や現場を普段から安全管理等しっかりと行う必要があります。


【現場監督がよく使う建設用語】斫り(はつり)とはなに?

【現場監督がよく使う建設用語】斫り(はつり)とはなに?

住宅の新築工事において実際に施工を行うのは専門業者です。 しかし、場合によっては現場監督が行うケースもあり、例えば、きわめて小規模な「斫り(はつり)作業」もそのひとつとなります。 「斫り」は、工事現場でよく使用されるワードですが、いったいどのような作業のことをいうのでしょうか? そこで本記事では、現場監督がよく使う建設用語「斫り」について、具体的にどのような作業なのか解説したいと思います。


住宅現場で4Sを実践しよう!整理・整頓・清掃・清潔

住宅現場で4Sを実践しよう!整理・整頓・清掃・清潔

4Sという言葉を聞いたことがありますか?住宅の工事現場だけなどではなく、他業界でも多く用いられている言葉です。職場環境を改善するための活動で、整理、整頓、清掃、清潔、(しつけ)のことを4Sもしくは5Sと言います。この記事では、住宅現場において、4Sを行うことでどのようなメリットがあるのかについて、そもそも4Sとはどのようなことをすれば良いかからご紹介いたします。


最新の投稿


【かんたんまとめ】住宅購入にかかるお金の知識

【かんたんまとめ】住宅購入にかかるお金の知識

住宅購入には、建物の価格だけでなく、それらの手続きにかかる様々な諸費用がかかります。これらの費用についての知識を、営業が持っていなければ、お客様は契約してからこんなに予算を用意できないという事態になってしまいます。事前にお客様が手持ち資金の不足がないように、どの程度の金額が何にかかるのかについて説明できるようにしましょう。営業はお金の話をしっかりできてこそ、お客様から信頼され、契約に結びつきますので、しっかりと把握しておきましょう。


住宅を建てる際の土地についての基礎知識まとめ

住宅を建てる際の土地についての基礎知識まとめ

住宅を建てるには土地が必要です。土地は広さだけで、特に他に気にしたことは無い!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、実は土地一つとっても様々な知っておかなければならない知識があります。住宅関係の仕事をする以上、全て把握しておきましょう。土地の種類から、住宅を建てる上で注意しなければならない条件などについて、わかりやすくご紹介いたします。


住宅の構造とは?木造や鉄骨造などわかりやすくご紹介!

住宅の構造とは?木造や鉄骨造などわかりやすくご紹介!

住宅構造は、非常に多くの種類があり、専門家でないと複雑に感じるかもしれません。簡単に、木造や鉄骨造というものを勉強しても、ハウスメーカーによって様々な構法に各名称がつけられている場合もあります。この記事では、構造というものがどのようなものなのかについて簡単にご紹介し、それぞれの一般的な構法についてもご紹介いたします。


【建設業で有利】宅地建物取引士の資格とは?

【建設業で有利】宅地建物取引士の資格とは?

宅地建物取引士は、不動産取引の専門家として欠かせない国家資格で、略称として「宅建士」とも呼ばれます。 この宅地建物取引士は、不動産業界に携わる人にとって必須ともいえる資格ですが、建設業界でも活かせるとして注目されています。 では宅地建物取引士資格は、建設業界でどのように役立つのでしょうか? そこで本記事では、そもそも宅地建物取引士とはどのような資格なのか、また建設業界で働く人が取得することによりどのように役立つのかその理由について解説したいと思います。


【コンクリート技士・診断士】仕事内容や資格試験などを解説

【コンクリート技士・診断士】仕事内容や資格試験などを解説

建物をつくるうえで欠かせない材料のひとつにコンクリートがあります。 コンクリートは、建物の強度を左右する重要な役割を担うため、十分な品質を確保しなくてはなりません。 そのため、コンクリートを取り扱う業務では、高度な専門知識を有する人の存在が求められることが多くなっています。 建設関連の資格は非常に多くありますが、なかでも「コンクリート技士」および「コンクリート診断士」は、コンクリートのスペシャリストとして活躍できる注目の資格です。 そこで本記事では、「コンクリート技士・診断士」の資格を取得することで行える仕事内容や、資格試験の概要についてご紹介したいと思います。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 資格 現場監理 働き方改革 台風