【建築設備士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

【建築設備士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

近年、技術レベルの向上にともない建築設備の高度化が著しく進んでいます。 そのため、工事に際しては建築設備に関する専門的な知識が必要になることが多くなります。 そんなときに活躍できるのが「建築設備士」です。 「建築設備士」とは、工事の設計を担当する建築士に対し、建築設備に関するアドバイスを行える国家資格になります。 そこで本記事では、「建築設備士」資格を取得するための受験資格や、取得後にできる仕事についてご紹介したいと思います。


近年、技術レベルの向上にともない建築設備の高度化が著しく進んでいます。
そのため、工事に際しては建築設備に関する専門的な知識が必要になることが多くなります。
そんなときに活躍できるのが「建築設備士」です。

「建築設備士」とは、工事の設計を担当する建築士に対し、建築設備に関するアドバイスを行える国家資格になります。
そこで本記事では、「建築設備士」資格を取得するための受験資格や、取得後にできる仕事についてご紹介したいと思います。

そもそも建築設備士とは?

建築設備士とは、建築士に対し建築設備に関する設計、あるいは工事監理などのアドバイスを行える仕事です。
建築設備とは、建築物に付帯する電気設備や給排水設備、空調設備などをいいます。
これら建築設備に関し、建築士の求めに応じて、専門家の見地から助言できる資格者が建築設備士です。

建築設備士試験の概要

建築設備士試験は、建築士試験と同じ「公益財団法人建築技術教育普及センター」によって実施されています。
建築設備士の資格を得るためには、設定されている受験資格を満たしたうえで試験に合格しなくてはなりません。

また、建築設備士試験は「第一次試験」(学科)と「第二次試験」(設計製図)があり、その両方を合格する必要があります。
「第一次試験」(学科)と「第二次試験」(設計製図)のおもな試験内容は以下の通りです。

「第一次試験」(学科)

出題形式:四肢択一式
出題科目:建築一般知識(27問)、建築法規(18問)、建築設備(60問)

「第二次試験」(設計製図)

出題形式:記述および製図
出題科目:建築設備基本計画(必須・11問)、建築設備基本設計製図(選択・5問)

建築設備士試験の受験資格

建築設備士試験は、設定されている受験資格を満たすことで受験が可能となります。
そして、おもな受験資格とは、最終学歴、あるいは有している資格ごとに設定されている実務経験年数を満たす必要があります。

建築設備士試験の受験資格は以下の通りです。

公益財団法人建築技術教育普及センター:建築設備士試験

以前の建築設備士の受験資格は大学卒業後に8年以上の実務経験が必要でしたが、2年以上となるなど大幅に緩和され多くの人が受験できるようになりました。
そして建築設備士を取得すると、実務経験に関係なく「二級建築士」試験および「木造建築士」試験の受験資格が与えられるうえ、合格するとすぐに登録資格も得られます。

また「一級建築士」試験についても、建築設備士を取得することで実務経験に関係なく受験できるようになりました。
ただし「一級建築士」の登録資格は、試験に合格したうえで4年の実務経験が必要です。

以上のように、受験資格が大きく緩和されたことは、とくに年齢の若い人にも活躍の場が広がったといえるでしょう。
しかし、合格率は20%を満たないことから、比較的難易度の高い資格となっています。

建築設備士を取得するとできる仕事とは

建築設備士資格を取得すると、建築士の求めに対し建築設備の専門家の立場から、設計や工事監理の助言を行えるようになります。
そして、建築士が建築設備士に対し助言を求め設計に反映したときには、建築確認申請書など必要書類に建築設備士の氏名を記載する必要があります。

つまり設計を行うにあたり、建築士が建築設備士のアドバイスを聞いた場合は、そのことを明らかにしなければならないということです。
ただし建築士は、設計に際して必ず建築設備士に助言を求めなくてはならないといった強制力があるわけではありません。
あくまでも助言を希望する場合に限られ、またその場合に各種書面への記名がなされるわけです。

とはいえ、建築工事において建築設備は欠かせないものであり、また近年の建築設備の技術発展にともない非常に複雑化しています。
そのため、専門家の意見が非常に重要な意味を持ち、また建築設備士の需要も高まっているのです。

まとめ

建築設備士は、建築工事において建築設備の専門家として活躍が期待されます。
資格を取得することで、キャリアアップが図れるほか、転職にも有利です。
また、建築士資格が取得しやすくなることもメリットといえ、さらなる飛躍を目指したい人にとっても適した資格といえるでしょう。



※この記事はリバイバル記事です。

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