【かんたんまとめ】住宅購入にかかるお金の知識

【かんたんまとめ】住宅購入にかかるお金の知識

住宅購入には、建物の価格だけでなく、それらの手続きにかかる様々な諸費用がかかります。これらの費用についての知識を、営業が持っていなければ、お客様は契約してからこんなに予算を用意できないという事態になってしまいます。事前にお客様が手持ち資金の不足がないように、どの程度の金額が何にかかるのかについて説明できるようにしましょう。営業はお金の話をしっかりできてこそ、お客様から信頼され、契約に結びつきますので、しっかりと把握しておきましょう。


諸費用・手数料がかかる13項目

住宅購入において以下に示す13項目の諸費用・手数料がかかります。全部で住宅購入価格の10%ほどが実際にかかる目安になります。例えば、5000万円の建売住宅の購入であれば500万円程度が諸費用としてかかる計算になります。

・印紙税
・登録免許税
・不動産取得税
・固定資産税
・登記手数料
・消費税
・不動産仲介手数料
・火災保険料
・団体信用生命保険料
・保証料
・銀行事務取扱手数料
・つなぎ融資の手数料及び利息
・その他(引っ越し代、家具家電など購入費、リフォーム費用など)

これらについて1つずつ簡単にご紹介していきます。

印紙税

印紙税とは、契約書に貼る印紙代のことで、印鑑で割印を押すことで納税を行います。契約書の交付にも税金がかかるため、印紙税というものがあります。

住宅購入の際の契約書は、1つではありません。土地、建物の売買における契約書(不動産譲渡契約書)、注文住宅を建てる際の建設工事請負契約書、住宅ローンを借りる際の住宅ローン契約書があり、それぞれに印紙税がかかります。

2022年3月31日まで印紙税の軽減措置があります。例えば、契約書の記載金額が1000万円から5000万円の場合は、不動産譲渡契約書、建設工事請負契約書は1万円、ローンの契約は2万円となっています。

登録免許税

登録免許税は、登記をする際に納める税金になります。登記とは、土地や建物の所有権などの権利関係を登記所の登記簿に登録することです。住宅購入を行うと、所有権、抵当権などの登記を行う必要があります。抵当権とは、金融機関が土地・建物を担保にお金を融資したということを示します。

登録免許税の税額は、固定資産税評価額に一定の税率をかけて算出され、購入費用とは別の計算になります。これにも税額の軽減措置があり、諸条件を満たしていれば適用されます。

不動産取得税

不動産取得税は、土地や建物を取得した際に1度だけかかる税金になります。固定資産税評価額に一定の税率をかけて算出されます。

こちらも軽減措置があります。手続きを忘れないように、お客様に促したり、これらの知識を持っていれば、契約をした住宅にどの程度の税金がかかるのかを詳しく説明することができます。

固定資産税

固定資産税は、土地や住宅を所有している人に市町村から毎年課税される税金です。都市計画税というものも追加徴収される地域もあります。税額は、固定資産税評価額に税率をかけて算出され、市町村ごとに違う場合もあります。

毎年かかるものなので、住宅購入時の諸費用とは違いますが、今まで賃貸に住んでいた方は、固定資産税について考えていないと思わぬ出費となってしまいますので周知を心がけましょう。中古住宅の購入の際には、その年の固定資産税を売主と按分します。

税額の軽減措置もあり、新築時から一定期間と決まっています。固定資産税が変わるタイミングなども事前に把握しておきましょう。

登記手数料

不動産登記を行う際に、司法書士へ依頼した場合の手数料になります。自分で行うことも可能で、資格などが必要のない手続きですが、専門知識などが必要なため、専門家に依頼する場合が多いです。

司法書士によって金額が違いますが、提携している銀行などからローンを借りる際に、紹介されます。相場としては10万円前後ということが多いようです。

消費税

土地に消費税はかかりませんが、建物には消費税がかかります。不動産などが表示している住宅価格は税込表示となっていることがほとんどです。一般的には、諸費用としないですが、消費税が含まれているということを知っておきましょう。

不動産仲介手数料

住宅の売買に不動産会社を介して契約を行って際に発生する手数料になります。不動産会社によって手数料が違うなら、手数料が安い不動産会社を選ばなければいけないの?と思うかもしれませんが、実は法律で手数料上限が決まっています。

400万円超えの仲介手数料の上限額は、売買価格×4%+6万円+消費税となります。例えば、3000万円の住宅を購入する場合は、約100万円がかかります。

火災保険料

建物・家財にかける保険で、火災や風災、雪害にも備えることができるものです。戸建住宅の場合は、年間1~4万円程度になることが多いです。

団体信用生命保険料

住宅ローンを借り入れる際に、万が一のことがあった際に、保険会社が住宅ローンを立て替えてくれるものです。
住宅ローンに上乗せして支払いをすることがほとんどです。

住宅ローンに関わる保証料など

・保証料
保証会社に支払う保証料で、実行時に一括で支払う場合と、金利に上乗せする方法があります。

・銀行事務取扱手数料
ローン実行時に銀行に支払う手数料になります。

・つなぎ融資の手数料及び利息
住宅を新築する際に、着工から住宅ローン実行までにかかる手付金などをを先に融資開始するために必要な手数料です。

その他(引っ越し代、家具家電など購入費、リフォーム費用など)

住宅購入には、様々な費用がかかりますが、予算設定の際には引っ越し代や家具家電の購入費、リフォーム(中古住宅の場合)を考慮しておく必要があります。

引っ越し代や家具家電に100万円以上かかる場合もあるため、どのくらいの予算間でどの程度揃える必要があるのかについて、先に購入者で考えて多くことを勧めましょう。





※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


住宅 お金

関連する投稿


【まとめ】コンクリートについて詳しく解説

【まとめ】コンクリートについて詳しく解説

住宅関係者は、住宅の基礎施工において、コンクリートの施工現場などを見ることも多いと思います。コンクリートといっても、いざコンクリートとは何かを聞かれると、建築士の資格を持っていない方は答えられないのではないでしょうか。しかし、住宅関係の仕事についている以上、コンクリートは基礎中の基礎であり、知識としても知らないままではよくありません。この記事では、意外に細かいことまで知られていない、世の中に最もありふれた建築資材であるコンクリートについてわかりやすく詳しくご紹介いたします。


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、建築士の資格を持っていることがほとんどです。しかし、資格を持っていれば完璧にデザインからディテールにこだわった施工まで、問題ない設計ができるかというとそうではありません。住宅設計士として、学ぶべきことは多く、自分1人で仕事を完結できるようになることはなかなか一筋縄ではいきません。技術を学び、盗むことが住宅設計士として一人前になるために必要なことです。この記事では、住宅設計士が何を学び、技術をどのように身につけていけば良いかご紹介いたいします。


住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士は、デザインをする上で、メールに設計図や写真を添付したり、細かい内容は電話をしたりとどちらも使う必要が出てきます。メールだけであれば簡単ですが、電話もしなければいけない状況が多くあります。それらについてどのような情報はメールで、何を電話にしなければいけないのか、判断がつきづらい事項も出てきます。この記事では、仕事をスムーズに進めるためにどのようにすべきかお勧めの方法をご紹介いたします。


住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士として新米の頃、報連相がうまくできていないと注意されたことがある方がほとんどではないでしょうか?住宅設計士にかかわらず、社会人として求められるスキルですが、実は報連相というものは難しいです。業務の全体の流れを把握し、どこが仕事の重要ポイントで、どこをミスしてはいけないのか、どこを確認すれば効率的なのか。これらについて、新人の頃は何も分からないため、ほとんど仕事になりません。この記事では、そんな新人住宅設計士がどのように報連相を行えば良いかを簡単にご説明いたします。


最新の投稿


【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

現場監督にとって、気になることのひとつに「靴のにおい」があります。 とくに新築住宅だけでなく、引き渡し後のアフターサービスやリフォームなども担当している場合は十分に注意しておかなければなりません。 といいうのも、強いにおいがある状態で家のなかに入ると、施主はいやな気持ちになることが予想されるためです。 せっかく品質の優れた建物を建てても、それだけで満足度が下がってしまうかもしれません。 そこで本記事では、現場監督が注意しておきたい「靴のにおい」について、その原因と対策についてご紹介したいと思います。


【超重要】建設業の安全パトロールとは?

【超重要】建設業の安全パトロールとは?

建設業界はさまざまな課題を抱えていますが、とくに施工管理者にとって最重要といえるのは労働災害を防止するための取り組みではないでしょうか。 施工管理の仕事は、多岐に渡ります。 なかでも、現場に携わる人たちが安全に作業できる環境をつくることは最優先に取り組む必要があり、そしてその取り組みのひとつが「安全パトロール」です。 そこで本記事では、施工管理者が行う「安全パトロール」について、その目的やチェックするべきポイントなどをご紹介いたします。


【管工事施工管理技士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

【管工事施工管理技士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

建設業界でキャリアアップを図るには、資格を取得することが重要なポイントとなります。 とくに施工管理の仕事で活躍したい場合は「施工管理技士」資格が有効です。 「施工管理技士」の資格は7つの種類がありますが、建築工事では欠かせない管工事に携わるなら「管工事施工管理技士」を取得するとよいでしょう。 ただし、「施工管理技士」資格は誰にでも取得できるわけではなく、一定の条件を満たし、かつ試験に合格しなくてはなりません。 そこで本記事では、「管工事施工管理技士」の受験資格や取得するとできる仕事についてご紹介したいと思います。


【まとめ】コンクリートについて詳しく解説

【まとめ】コンクリートについて詳しく解説

住宅関係者は、住宅の基礎施工において、コンクリートの施工現場などを見ることも多いと思います。コンクリートといっても、いざコンクリートとは何かを聞かれると、建築士の資格を持っていない方は答えられないのではないでしょうか。しかし、住宅関係の仕事についている以上、コンクリートは基礎中の基礎であり、知識としても知らないままではよくありません。この記事では、意外に細かいことまで知られていない、世の中に最もありふれた建築資材であるコンクリートについてわかりやすく詳しくご紹介いたします。


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 台風 現場監理 働き方改革 資格