台風時の現場対応はどうしてる?現場監督の仕事

台風時の現場対応はどうしてる?現場監督の仕事

現場では台風対策を必ず行います。すでに完成した住宅であっても、台風により被害が出ることがあります。まして建設途中の建造物に関しては、台風によって様々な危険があります。現場での台風によるトラブルを未然に防ぐために、現場監督がどのような仕事をしているのかについてご紹介いたします。台風対策や、対策をした後の仕事などについても実は様々な業務が発生します。


台風の現場に及ぼす影響

台風の建造物に対する被害はニュースなどでよく報じられています。公共物や、建設中のビル、一戸建て住宅などは強風や雨の影響を受けます。主に以下のような被害が多いです。

・足場の倒壊
・資材の飛散
・現場の水没

これらについて具体的にどのような被害があるのかについてご紹介いたします。まずはどのような被害があることを知ることで、未然に事故を防ぐ知識を身につけることができます。

足場の倒壊

強風により足場が倒壊する事故は一番多いです。倒壊までしなくても、一部が崩れるなども起こります。一般住宅やビル・マンションの建設時に足場を仮設しますが、適切に対応していないと倒壊します。

足場が倒壊すると、建設中の建造物を破損させたり、近隣の住宅などを破損させることもあります。現場に停まっている車や重機などが破損するなど、非常に危険です。台風の予報があった際には適切な対応をする必要があります。

資材の飛散

重い資材でもパネルや板は意外に飛びます。資材が飛散することで、近隣住宅の壁や車を破損させます。

資材は現場に直送されてくるため、現場においてあることが一般的です。工務店など資材用の倉庫を持っていることはほとんどないため、現場から避難させるということはしません。(台風ごとに搬送コストをかけるわけにもいかないため)

現場で事前に資材が飛散しないように、どの資材が飛散する可能性があるのか、また台風予報に合わせて、資材の配達日を遅らせるなどの対応も必要です。

現場の水没

基礎の建設中に水没してしまい、水を抜く必要がある場合があります。台風状況によっては、施工日をずらす必要があります。

また、立地によって玄関などから水が浸水しないかの確認、建築中の状況によって適宜対応する必要があります。

台風対策の業務

台風対策のために現場監督が動く必要がある場合が多いです。現場の職人に任せておけばいいのでは?と思う方もいらっしゃるかと思います。しかし、台風対策のための作業を行なってしまうと、その日の工事は進まなくなることと、急な台風対策に職人が対応できない場合があります。

そこで現場監督が現場に出向き、1人ではできない作業や間に合わない場合は、会社の現場監督や緊急時には他部署の者も対応することもあります。

・足場の倒壊対策
・資材の飛散対策
・現場の水没対策

これらのそれぞれの被害を予測し、どのような対策を行っていくのかについてご紹介いたします。

足場の倒壊対策

足場が倒れないようにするために事前に行っておくことです。
・壁つなぎの処置
・シート巻き
・補強

壁つなぎですが、足場と壁を固定するためのものです。足場は地面にしか接地していないと、普段は倒れることはほとんどありませんが、風で揺れて倒壊の原因になります。台風前に再度確認と補強をします。

シートを広げたままだと風の抵抗を受け、どれだけ強固な足場でも倒れます。必ずシートを巻いて風の抵抗を受けないようにしましょう。この作業は地味に大変で30坪の戸建てで1時間程度はかかります。また、台風が過ぎた後に再度シートを広げる作業も必要になります。
このような対応を現場監督がするには理由があります。職人に対応してもらうと、それだけ職人は自分の仕事ができず工事が進みません。しかし、職人は工事に対しての報酬を得ているため、シートの対応をして工事が遅れても報酬金額は変わりません。そのため職人に依頼することはできず、現場監督が作業を行うということが多いです。

資材の飛散対策

資材は強風により重さ10キロ以上ある物でも飛んでいきます。このくらいなら飛ばないだろうとは考えずに、絶対に飛ばないように飛散防止処置を行いましょう。

パネルであれば数枚をまとめたり、立てかけてあるものは寝かせる、細かい資材は全て袋にまとめて飛ばないようにする必要があります。

現場の水没対策

大規模な水没に関しては対策のしようがない場合もありますが、その際には事前に台風予報でわかっている場合は、施工スケジュールを変更することもあります。

比較的水没の影響が軽微であると考えられる場合には、土嚢などで対処をします。水の侵入を防ぐために、排水溝に水の流れがいくように土嚢を積みます。また、浸水してほしくない場所に土嚢を積みます。

土嚢を積む作業だけでも、土嚢を手配する、積むで2時間程度かかることもあります。複数現場を抱えている場合など、時間が足りなくなることもあるので、余裕を持って準備をしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?現場監督は台風が来る前と来た後と、実は作業が非常に多いです。
・足場の倒壊対策
・資材の飛散対策
・現場の水没対策
これらは基本で、その他にも職人への連絡、スケジュール変更管理など様々な業務が必要です。1人で対応しようとせず、災害に対しては会社で対応する必要があります。大変な状況の時こそ、報告連絡相談を現場監督は徹底しましょう。



※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


現場監督 台風

関連する投稿


【現場監督の安全管理】工事現場の「5S活動」とはなに?

【現場監督の安全管理】工事現場の「5S活動」とはなに?

現場監督の重要業務のひとつに安全管理があります。 安全管理は、現場に潜む危険を排除し、安全に作業を進めるための環境をつくることが大きな目的です。 そして、安全な環境づくりにはさまざまなアプローチの方法がありますが、なかでも「5S活動」は効果が高いとして多くの現場で取り組まれています。 では「5S活動」とは具体的にどのような活動なのでしょうか? また、取り組むことでどのような効果が期待できるのでしょうか? そこで本記事では、住宅の工事現場で行う「5S活動」とはどのような活動なのか、そして取り組むことで期待できる効果などについて解説したいと思います。


現場監督が工事現場の近隣トラブルを防ぐためにやっておきたい3つのこと

現場監督が工事現場の近隣トラブルを防ぐためにやっておきたい3つのこと

工事期間中、現場監督がとくに注意しておきたいことといえば「近隣トラブル」です。 いったん「近隣トラブル」が起こると、解決のために奔走しなくてはならないことから、工事に集中して取り組めなくなる恐れがあります。 しかし、現場監督としてやるべきことをしっかりやっておけば、多くの「近隣トラブル」は防ぐことが可能です。 そこで本記事では、「近隣トラブル」を防ぐために現場監督がやっておきたいことについて、とくに重要な3つのことをご紹介したいと思います。


【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。 「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。 また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。 施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。


【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

現場監督にとって、気になることのひとつに「靴のにおい」があります。 とくに新築住宅だけでなく、引き渡し後のアフターサービスやリフォームなども担当している場合は十分に注意しておかなければなりません。 といいうのも、強いにおいがある状態で家のなかに入ると、施主はいやな気持ちになることが予想されるためです。 せっかく品質の優れた建物を建てても、それだけで満足度が下がってしまうかもしれません。 そこで本記事では、現場監督が注意しておきたい「靴のにおい」について、その原因と対策についてご紹介したいと思います。


【管工事施工管理技士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

【管工事施工管理技士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

建設業界でキャリアアップを図るには、資格を取得することが重要なポイントとなります。 とくに施工管理の仕事で活躍したい場合は「施工管理技士」資格が有効です。 「施工管理技士」の資格は7つの種類がありますが、建築工事では欠かせない管工事に携わるなら「管工事施工管理技士」を取得するとよいでしょう。 ただし、「施工管理技士」資格は誰にでも取得できるわけではなく、一定の条件を満たし、かつ試験に合格しなくてはなりません。 そこで本記事では、「管工事施工管理技士」の受験資格や取得するとできる仕事についてご紹介したいと思います。


最新の投稿


住宅営業の外回り・飛び込み5つのコツ

住宅営業の外回り・飛び込み5つのコツ

住宅営業で、外回り・飛び込み営業を成功させるためにはどうしたら良いでしょうか?住宅メーカーや工務店は、反響営業と言って、HPやチラシ、その他様々なチャネルからお客様の問い合わせがあります。しかし、小さい工務店や不動産、お客様の問い合わせが少なく、新規着工案件が少なくなってしまうこともあります。そのような際には、営業が外回りや飛び込み営業をすることもあります。採用情報でも、「飛び込み営業がありません!」と謳っている会社もありますが、仕事がなくなってくれば、飛び込み営業をする必要もでてきます。営業は、どのような営業スタイルでも対応できるようにしておくと良いかもしれません。


お客様に好かれる住宅営業4つのポイント

お客様に好かれる住宅営業4つのポイント

住宅営業は、お客様に好かれなければ中々成績が上がりません。住宅は大きな金額の買い物であるだけではなく、一生に一度の買い物と言われています。たとえ、住宅メーカーの絶対的な信頼があっても、営業が不誠実な対応や、お客様の満足度を高めることができなければ、契約にならず、工事が始まって引渡しの段階でクレームになることもあります。お客様に好かれるというのは、何でも言うことを聞くことではなく、信頼されるという意味です。住宅営業のプロとして、誠実に対応し、お客様に満足してもらう買い物をしてもらうことが重要です。


住宅展示場での接客4つのポイント

住宅展示場での接客4つのポイント

住宅営業の方は、住宅展示場で接客をすることもありますが、なかなか展示場での接客が上手くいかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?住宅展示場は、住宅設計を依頼しようと考えているお客様もいらっしゃいますが、まだ購入を決めかねているという見込みの薄い方もいらっしゃいます。また、お客様とコミュニケーションが取れていない状態から、展示場の説明をしてしまうと、なかなか営業とお客様で意思疎通ができないこともあります。この記事では、住宅展示場での接客について4つのポイントにまとめてご紹介いたします。


工事請負契約書とは?住宅営業は全て理解しよう!

工事請負契約書とは?住宅営業は全て理解しよう!

工事請負契約書は、住宅営業にとって、成績を左右する一番大事な書類です。お客様の前で新人営業マンは、よくわからずに上司と一緒にお客様に書いてもらうこともあるのではないでしょうか。工事請負契約書は、お客様との取引の上で一番大事な書類です。それにもかかわらず、実は内容を全て理解していないという営業マンも、もしかしたらいるのではないでしょうか?この記事では、工事請負契約書というものが、どのようなものかをわかりやすくご紹介いたします。


【強みを伝える】住宅営業が失敗する、自社商品の知ったつもり

【強みを伝える】住宅営業が失敗する、自社商品の知ったつもり

住宅営業は、他者と相見積もりなどで競合することが多いです。お客様は、メーカーや工務店などの様々な選択肢の中から1社を選びます。お客様の事前知識やイメージで1社に決めていることや、ほとんど決定している場合もありますが、営業の言葉だけでその決定が覆ることもあります。上司から、「他者に負けるな!」と言われつつも、どう営業をすれば良いのか、自社商品と他社商品の違いも知っているけど、それを活かせているかわからないという方もいらっしゃると思います。この記事では、住宅営業が自社商品をどのようにお客様にアピールすれば良いか、そのポイントについてご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 営業 利益 知識 職人 仕事 働き方 転職