工事期間中、現場監督がとくに注意しておきたいことといえば「近隣トラブル」です。
いったん「近隣トラブル」が起こると、解決のために奔走しなくてはならないことから、工事に集中して取り組めなくなる恐れがあります。
しかし、現場監督としてやるべきことをしっかりやっておけば、多くの「近隣トラブル」は防ぐことが可能です。
そこで本記事では、「近隣トラブル」を防ぐために現場監督がやっておきたいことについて、とくに重要な3つのことをご紹介したいと思います。
工事現場の近隣トラブルを防ぐためにやっておきたい3つのこと
現場監督は、近隣トラブルが起こらないよう細心の注意を払っておかなければなりません。
起こってから対処するのではなく、起こらないように行動することが重要です。
また、近隣トラブルは、現場監督だけでなく施主にとっても避けなければならないことでもあります。
なぜなら、工事が完了した後も施主は近所付き合いが必要となるわけで、トラブルが起こると悪い印象を与えてしまう可能性があるためです。
工事を円滑に進めるためにも、そして工事完了後も長く続く施主と近隣住民との人間関係のためにも、しっかりと対策を講じておく必要があります。
近隣トラブル対策として現場監督がやっておきたいことはいくつかありますが、とくに重要な3つについて以下にご紹介したいと思います。
- 工事スケジュールを知らせる
- 道路の使い方に配慮する
- 日常のあいさつを心掛ける
■工事スケジュールを知らせる
近隣住民に対し、工事スケジュールを知らせておくと、トラブル回避につながります。
工事現場の近隣に暮らす人にとっては現在どのような工事が行われているのか、また今後どのような工事が行われるのかという点は、非常に気になる部分です。
とくに、騒音が出る工事やほこりが飛散するような工事などは、必ず事前に知らせておく必要があります。
知らされることなくこれらの工事が行われると、休息のじゃまになったり、また洗濯物や車を汚したりすることがあり、その結果として大きなトラブルになる可能性もあります。
よって、事前に工事スケジュールがわかるようにお知らせしておくことがきわめて重要なのです。
工事スケジュールをお知らせする適切なタイミングとして、地鎮祭が挙げられます。
地鎮祭の後に施主と一緒にあいさつ回りを行い、簡単な工事スケジュールと連絡先を記したもの渡しておくと近隣住民にとっても安心につながります。
また、その後も騒音の出る工事やほこりが飛散する工事が懸念される場合は、適宜お知らせするとよいでしょう。
■道路の使い方に配慮する
工事期間中は多くの工事車両が出入りしますが、全面道路や近隣の道路の使い方に配慮することはトラブル回避につながります。
とくに、路上駐車をして近隣の通行の妨げになるような使い方は厳禁です。
レッカー作業などによりやむを得ず道路をふさぐ場合は、必ずそのことをお知らせするとともに、誘導員や看板を配置するなどの措置も必要となります。
なお、その場合は、必ず管轄の警察に申請して道路使用許可を取得しなくてはなりません。
また、工事車両が原因で道路が汚れた場合もトラブルに発展することがあります。
汚れを確認した場合は必ず掃除をすること、あるいは現場敷地を養生して道路を汚さないようにすることなどの配慮も重要です。
■日常のあいさつを心掛ける
工事期間中は近隣住民と顔を合わせる機会も多くありますが、その都度あいさつを心掛けておくとトラブル回避につながります。
これは現場監督に限らず、工事関係者全員が徹底して行うことがポイントです。
朝であれば「おはようございます」、昼であれば「こんにちは」といった日常的なあいさつを一言伝えるだけで大きな効果が期待できます。
徐々にコミュニケーションが構築できると、少々のことであれば許容してもらえる場合もあるでしょう。
また、万が一問題が発生したときには、すぐにお詫びに伺うなど、素早い行動がキモとなります。
誠心誠意お詫びすることで、より大きな信頼につながるかもしれません。
そして同時に、現場監督の責任において原因の究明と対策の立案を行い、全業者に展開して再発防止を図ることも重要になります。
まとめ
工事期間中には、何らかの近隣トラブルが起こる可能性があります。
しかし、現場監督がしっかりと根回しをしておくことで多くのトラブルは回避できます。
また、もしトラブルが起こったときには、できるだけ早く解決できるよう迅速に働きかけることも重要になるでしょう。