現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。
「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。
また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。
施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。
そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。
現場監督が行う現地調査とは?
新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査は、設計図面との照合、そして計画作成に必要な情報を得ることが重要になります。
現地調査を行うときは、配置図面などの設計図面と現地を照合し、間違いはないか、そして工事を進めるうえで問題点はないかなどを確認します。
また現地調査後に作成する施工計画は、現場に携わるすべての人の指針となるため、実行が可能なものでなければなりません。
つまり、施工計画へ正確に反映させるためにも、現地調査で必要な情報を得る必要があるのです。
現場監督が現地調査で確認しておきたいこと
現場監督が現地調査で確認しておきたいことは、非常に多くあります。
そのため、現地調査を行う前には、図面や事前にわかる情報などをチェックしておき、当日確認するべき内容をまとめておくことが重要です。
また、現地調査をするときは、ただ確認するだけでなく状況写真を撮影しておくこともポイントとなります。
なぜなら、施工計画を作成するときに写真は必ず必要となるためです。
時間の経過とともに忘れてしまったり、あるいは撮影当時には気付いていないことも後から見返すと参考になる部分が写っていたりすることなども少なくありあません。
現地調査では、できるだけ多くの写真を撮っておくことが重要です。
それでは、現地調査を行ううえでとくに重要と思われるいくつかのことについて、以下にご紹介いたします。
■建物の配置と高さの確認
住宅の新築工事は、設計図面通りの正確な位置と高さでつくらなくてはなりません。
まず配置図面では、おもに境界からの距離が指示されているため、境界標などから正しく追い出せることを確認する必要があります。
また、建物は基準となる高さを決めて工事を行いますが、この高さを「設計GL」といい、ベンチマークと呼ばれるポイントから一定の高さに設定していることが一般的です。
ベンチマークの位置に問題がないことも確認します。
■電柱や電線の状況確認
住宅の新築工事では、コンクリート打設や建て方工事など重機を利用するケースがあります。
しかし、上空の電線の位置によっては重機の旋回範囲と干渉することがあり、そうなると工事の妨げとなるため十分な注意が必要です。
電線との干渉が考えられる場合は、電柱ごとに設定されている電柱番号を確認し、電力会社やNTTなどに保護カバーの取り付けを依頼する必要があります。
なお、保護カバーは、一定の時間を要しますが設置は無料です。
■駐車スペースの確認
住宅建設工事の期間中は、工事業者の車両が多く入場します。
しかし、駐車スペースが十分にないと、路上駐車をせざるをえないケースもあるかもしれません。
路上駐車は、そもそも違法であったり、また近隣に迷惑をかけたりすることもあるため、現場の責任者として避ける必要があります。
よって、駐車スペースが十分でない場合は、近隣に月極駐車場を借りるなどの検討も必要です。
■周辺の傷み具合の確認
既存のブロック塀や擁壁などは、傾きやひび割れがないかなどを確認し、着工前の状況として写真に残しておきます。
もし、傾きやひび割れを確認した場合、状況によっては修理を提案することも必要になるかもしれません。
また、隣地などであれば、後でトラブルにならないよう証拠として残しておくことも重要です。
まとめ
現場監督は、工事をスムーズに進めるためにも現地調査でしっかりと確認しておく必要があります。
また、現場は1件ごとに条件は異なります。
できるだけ漏れのないよう確認事項を事前にまとめておくこと、そして写真はあらゆる場所で全方向の撮影しておくことなどがポイントです。