社会人として活躍してキャリアアップを図るには、自身のスキルや適正を知り、有効に活用することがポイントのひとつとなります。
しかし、具体的にどのように有効活用すればよいのかわからないという人も多いのではないでしょうか?
そんなとき、キャリア形成のための方法や方向性について一緒に考えてくれるのが「キャリアコンサルタント」です。
「キャリアコンサルタント」は、試験に合格し国の名簿に登録することで名乗ることができる名称独占の国家資格となります。
そこで本記事では、「キャリアコンサルタント」のおもな仕事内容や資格試験の概要について解説したいと思います。
キャリアコンサルタントとは
キャリアコンサルタントとは、キャリアコンサルティングを行う専門家のことを指していいます。
そして、キャリアコンサルティングとは、キャリア形成や職業能力開発などについて相談に応じたり、または助言を行ったりなど、広くサポートを行うことをいいます。
キャリアコンサルタントは、2016年に創設された比較的歴史の浅い国家資格であり、試験に合格した指定登録機関への登録者にのみ名乗ることが許される名称独占資格です。
厚生労働省では、2024年度末までにおよそ10万人のキャリアコンサルタントを養成するとしており、その数も増加傾向にあります。
キャリアコンサルタントの仕事内容について
キャリアコンサルタントの仕事内容は、労働者の悩みや目標を聞き取り、適性やスキル活用のアドバイスをするなど、相談者のキャリア形成に関する支援を行うことです。
キャリアコンサルタントの資格を取得すると、あらゆるシーンで活躍することが可能となります。
おもな活躍の場となるのは以下の通りです。
■一般企業
キャリアコンサルタントは、一般企業の人事担当者など、社員の採用や能力開発のような業務で活躍することが可能です。
企業と社員の橋渡しとなることで信頼関係を構築できるようになり、定着率の向上につなげられます。
また、社員ごとの課題を明らかにし、スキルアップを促すことにより生産性を高めるための取り組みにも有効です。
■人材関連企業
キャリアコンサルタントは、人材派遣業など人材関連企業で求職者と求人者の仲介役である人材コーディネーターや営業職で活躍することが可能です。
人材業界を目指す場合、キャリアコンサルタントの有資格者は非常に有利となります。
また、実務においても、求職者と求人者の双方にとってプラスとなる調整力を発揮することで、資格を活かせます。
■就業支援機関
キャリアコンサルタントは、ハローワークをはじめとする就業支援機関などで活躍することが可能です。
また、ハローワークでは、求職者と求人者の仲介だけでなく、キャリアコンサルティングなどの就業支援も積極的に行っています。
キャリアコンサルタントの有資格者であれば、キャリアコンサルティングの専門家として能力を発揮できます。
キャリアコンサルタントの資格試験の概要
キャリアコンサルタントの資格試験は、厚生労働大臣が登録した以下の登録試験機関によって行われます。
- 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
- 特定非営利活動法人日本キャリア開発協会
試験は、学科試験と実技試験があり、その両方に合格する必要があります。
合格後、厚生労働省の指定するキャリアコンサルタント名簿に登録することで、キャリアコンサルタントを名乗ることが許されます。
また、キャリアコンサルタントの登録を継続するには、5年ごとに更新を受けることが必要です。
厚生労働大臣登録試験機関キャリアコンサルティング協議会の国家資格キャリアコンサルタント試験 公式ウェブサイトです。 キャリアコンサルティング協議会は、キャリアコンサルティングに関わる2つの国家試験を運営し、キャリアコンサルタントの自己研鑽・活躍をサポートしている団体です。
国家資格 キャリアコンサルタント試験 公式ウェブサイト | 国家資格 キャリアコンサルタント試験
https://www.jcda-careerex.org/「キャリアコンサルタント」は、平成 28 年4月より国家資格になりました。JCDAは厚生労働省より登録された登録試験機関です。
■受験資格
キャリアコンサルタントの試験は、以下の要件のうちいずれかを満たすことで受験資格を得られます。
・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
・上記の項目と同等以上の能力を有する者
■上位資格
キャリアコンサルタントの上位資格として、「キャリアコンサルティング技能士」があります。
「キャリアコンサルティング技能士」は、キャリアコンサルティング技能検定に合格することで得られる国家資格で、1級と2級に分けられています。
なお、「キャリアコンサルティング技能士」は、1級が指導レベル、そして2級が熟練レベルの位置づけとして活躍が期待される資格です。
まとめ
少子高齢化の影響から、優秀な人材の確保は急務となっています。
そのため、労働者と企業との橋渡しとして労働環境の整備を図れるキャリアコンサルタント資格は、広く注目を集めています。
人のサポートをしながら、自身も成長したいという人には、非常に適した資格といえるでしょう。