住宅会社の事務として役立つ資格5選
事務としての業務をこなす上で、レベルアップできる資格について6つご紹介いたします。これらを取得していれば、業務の幅が広がり様々な仕事ができる上、業務効率化などの提案もできるようになります。
1.建設業経理検定試験
2.日商簿記
3.建築CAD検定
4.宅地建物取引士
5.マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
ではそれぞれ見てみましょう。
■1.建設業経理士
建設業経理士は、建設業界での財務・経理に関するエキスパートとしての資格です。一般財団法人 建設業振興基金が試験を実施しています。
建設業経理士は1~4級まであります。3,4級は建設業経理事務士という資格名称になります。全て簿記の知識が必要になるため、簿記の資格を所有している方は勉強が進めやすいです。4級は基本的な知識を理解しているかを問われるため、初学者は4級から試験を受けると良いです。
3級では、基礎的な建設業簿記、原価計算について理解し、ある程度の実務が行えるレベルの資格になります。
2級では、会社会計などの知識も必要になります。より実践的な建設業簿記、原価計算ができることが求められます。
1級では、財務諸表、財務分析といったこともできる知識が必要になります。
事務員としては4級、3級をまずは取得してみることをお勧めいたします。受験資格は無いため、実務経験がなくても取得可能です。
合格率は、3級が約60%程度、2級が約45%程度、1級が25%程度となっています。3級、2級あたりまでは、3~6か月程度勉強すれば合格できるでしょう。1級になると実務経験がないと仕事のイメージができないためなかなか難しいかもしれません。
■2.日商簿記
簿記とは、企業の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能のことを言います。つまり、どの会社もお金が動くためどこでも必要な能力です。
「賃借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」などの財務諸表を理解し、記録できるようになります。これらは必要とされているスキルでありながら、勉強しないと読むことができないため、簿記資格を大学の単位としているところもあります。
1~3級、簿記初級、原価計算初級の5つの難易度があります。住宅事務としては2級もしくは3級の取得をお勧めします。
■3.建築CAD検定
建築CAD検定は、CADを用いて建築図面を書くことができる技能を証明する資格検定になります。筆記試験ではなく、CADソフトを使用して、一定時間内に作成することが求められます。
一般社団法人 全国建築CAD連盟が主催しています。准1級、2級、3級の試験があり、全て実技試験となっています。順番に試験時間は、4時間10分、5時間、2時間となっています。
3級は、与えられた建築図面をCADシステムを用いて正しくトレースができるかが問われます。
2級は、建築知識を元にCADシステムを用いて建築図面を作成することができるかが問われます。例えば、設計者の描いたラフスケッチから平面小サイズを完成させる問題や、平面図・断面図・屋根伏せ図・透視図などから立面図を完成させる問題などがあります。
准1級は、与えられた建築図面を建造物の特性を理解し適切な判断によるトレースを4面作成します。全て完成して合格となります。
CADは事務として書くことができると非常に有用です。CADオペレーターなど、CADを扱うことができると非常に業務の幅も広がります。
■4.宅地建物取引士
宅地建物取引士は、いわゆる宅建士と呼ばれる、毎年20万人以上の受験者数がいる最大規模の国家資格です。宅建士は不動産取引のエキスパートとしての資格になります。
事務員として宅建士の資格がなくても業務は問題なくこなせますが、住宅と不動産取引は切り離せない関係にあります。不動産についての知識もあると事務員として、営業や取引先、様々な関係者とスムーズに業務を遂行することが可能です。
■5.マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
MOSは、ワードやエクセルといったマイクロソフト社の製品利用スキルを証明できる資格です。
一般レベルと上級レベルの試験がワードとエクセルにはあります。ワードの場合は、一般レベルでは基本的な編集作業が試験内容です。上級レベルでは、スタイル機能・目次索引作成、高度な機能の理解ができているかの試験です。
エクセルの場合は、一般レベルでは基本的な操作を理解しているかが試験内容となっています。上級レベルでは、ピポットテーブルなどのデータ分析、マクロの作成・編集などの高度な機能を理解できているかの試験です。