転職活動において、どのような企業を選ぶとよいのかという点は、多くの人が悩むところでしょう。
また、企業選びにおいては、「上場企業」であるかどうかということもポイントのひとつとして挙げられます。
しかし、「上場企業」とは具体的にどのような企業のことをいういのか、よくわからない人もいるのではないでしょうか?
そこで本記事では、「上場企業」とはどのような企業なのか、また「上場企業」で働くメリットについて解説したいと思います。
上場企業とはなに?
上場とは株式を証券取引所で自由に取引できるようにすることをいい、その株式を発行している企業を上場企業といいます。
しかし、上場企業になるには、取引所が定めている一定の条件を満たしていることが認められなければなりません。
なぜなら、世界中の人が投資として売買を行うことから、その対象としてふさわしい企業であることが求められるためです。
そのため、上場企業は、一般的に知名度や信用度が高い傾向にあります。
■企業にとって上場するメリットとは
企業は、上場することにより多くのメリットが得られるようになります。
おもなメリットとは以下の通りです。
- 資金調達力が高まる
- 優秀な人材が集まる
- 信用力が高まる
資金調達力が高まる
上場企業は、株式を公開して売ることにより、返済する必要のない資金調達ができるようになります。
その結果、企業としての体力強化が図れます。
優秀な人材が集まる
上場企業は、社会的に知名度が高く、人材確保において優位性があります。
そのため、優秀な人材が集まりやすく、企業が成長するうえでも有利となります。
信用力が高まる
企業が上場するには、定められた厳しい条件を満たす必要があります。
上場審査に合格し、適性が認められると、金融機関や取引先などの信用力は大きく高まります。
■株式市場の再編について
東京証券取引所は、これまで「市場第1部」「市場第2部」「JASDAQ(スタンダード・グロース)」「マザーズ」の大きく4つの市場に分かれていました。
ところが、これら市場区分は、2020年4月4日より新しい区分として再編されています。
その新しい市場区分とは以下の3つです。
- プライム
- スタンダード
- グロース
プライム
プライム市場は、上場基準が最も厳しく設定されており、海外の投資家などを対象とするような規模の大きい企業向けの市場となっています。
おもに東証第1部に上場していた企業の多くがそのまま上場することになります。
スタンダード
スタンダード市場は、上場基準はプライム市場よりも緩く設定されており、中堅企業向けの市場なっています。
おもに東証第1部や東証第2部、JASDAQに上場していた企業のなかから上場することになります。
グロース
グロース市場は、上場基準が最も緩く設定されており、ベンチャー企業など、これから成長が期待できる企業向けの市場なっています。
おもにJASDAQやマザーズに上場していた企業のなかから上場することになります。
上場企業で働くメリットとは
上場企業で働くと、いくつかのメリットが期待できますが、代表的なものといえば以下のようなことが挙げられます。
- 社会的信用度が高まる
- 高収入や福利厚生の充実が期待できる
- 転職で有利になる
■社会的信用度が高まる
上場企業は、資金調達力が強く、一般的に体力のある企業が多いため、倒産リスクは低くなります。
そのため、そこで働く社員についても社会的な信用度が高い傾向にあります。
■高収入や福利厚生の充実が期待できる
上場企業は、資金調達力が強く、上場審査で認められた企業であることから、企業経営の健全性が期待できます。
そのため、予算規模も大きく、社員の給与制度や福利厚生などは比較的充実している傾向にあります。
■転職で有利になる
上場企業は、優秀な人材が集まりやすく、そこで働いていたという経歴は一定の評価となり、転職が有利になることがあります。
また、大手企業は、比較的育成制度が整備されており、さらにはスケールの大きな仕事に携わるチャンスも多いため、それらの経験は転職活動において認められやすいといえるでしょう。
まとめ
上場企業は、上場審査を経て、条件を満たしていることが認められた企業です。
そのため、社会的信用度が非常に高く、また、働く社員にとっても多くのメリットを得られる傾向にあります。
しかし、上場していない企業のほうが劣るということではなく、それぞれにメリットとデメリットがあるため、その点を理解しておくことも重要です。