住宅の建築工事では着工から竣工まで多くの専門業者が携わりますが、そのひとつに「リペア業」があります。
「リペア業」とは、住宅の建築工事で使用する仕上げ材や家具、設備などについたキズを補修する業者のことをいい、「補修屋」と呼ばれることもあります。
比較的歴史の浅い技術ですが、住宅の建築工事では補修の工程が当たり前に設定されるなど、非常に注目の業種です。
では、「リペア業」の仕事は具体的にどのようなことを行うのでしょうか?
また、「リペア業」の技術を習得し活躍するには資格が必要なのでしょうか?
そこで本記事では、住宅業界で注目の「リペア業」とはどのような仕事なのか、そして活躍するために資格は必要なのかなど、詳しく解説したいと思います。
住宅業界のリペア業とはどんな仕事?
住宅業界のリペア業とは、工事期間中についた仕上げ材のキズをリペア職人の技術を駆使して補修する仕事です。
住宅の建築工事期間中は、仕上げ材を必ず養生材で保護しますが、いくら注意していてもキズがついてしまうことがあります。
例えば、材料などを落とし強い衝撃が加わったり、あるいは家具やキッチンの取り付け時に一部の養生をはがしたタイミングでついてしまったりするケースなどです。
これらキズがついた仕上げ材は、交換すると大きなコスト負担となるうえ、交換作業中に健全な部分を傷つけるリスクもあります。
そのため、リペア職人の技術でキズを補修し、新品同様の仕上がりを実現するわけです。
■リペア業の補修内容について
リペア業が行う補修の簡単な流れは、樹脂などでつくられている専用の補修材を加熱して溶かし、キズ部分へ充填して周囲の色に合うよう着色します。
その際、仕上げ材の色や柄などを複数の補修材の色を組み合わせてつくる必要がありますが、これが非常に難しい作業となります。
また補修作業は、色だけでなくツヤも合わせなければなりません。
木材や金属など、素材の質感を再現することはきわめて高度な技術が必要です。
■リペア業の活躍の場について
リペア業は、住宅業界だけでなくその他の業界でも活躍できる業種です。
例えば、不動産業界や引っ越し、自動車、あるいは個人からの依頼などが挙げられます。
不賃貸住宅の退去後には、次の入居に備えてリフォームやクリーニングのほかに補修が必要となるケースが多くあります。
また引っ越し作業中についたキズの補修や、自動車についたキズの補修など、あらゆる業界で活躍することが可能です。
さらには個人宅でも、長く使うことなどを目的として床や家具などの補修依頼を受けられます。
リペア業に資格は必要?
リペア業で活躍するために資格は必要ありません。
よって、誰にでもなることが可能です。
しかし、リペア職人となるには、きわめて高度な技術が必要となるため、一定の経験が必要となります。
一定の経験を積み、リペア業として活躍するための方法について、以下にご紹介いたします。
■スクールで学ぶ
まずはリペア業に必要な技術を教えるスクールで学ぶ方法です。
スクールで学べば、最低限の補修技術をマスターできるため、卒業後に事業を立ち上げようと思えば可能です。
しかし、事業として成功するには営業力も必要となるうえ、現場ではなにが起こるかわかたらないため、対応に困る可能性があることは否定できません。
またスクールと異なる形態として、フランチャイズに加盟してノウハウを得るという方法などもあります。
■リペア業者に就職して経験を積む
続いては、すでにリペア業を行っている会社に就職し、経験を積みながら技術を学ぶ方法です。
リペア業者に就職すれば、実践に基づいたあらゆる技術が学べるうえ、たとえ失敗したとしても上司や先輩にフォローしてもらえます。
またスクールのようにお金を支払って学ぶのではなく、収入を得ながら学べる点も大きなメリットといえるでしょう。
さらに人脈を構築できれば、独立したときには仕事の依頼をもらえる可能性もあります。
以上のように、リペア業者に就職し一人前のリペア職人として活躍できる経験を積むことは、仕事を取り組むなかであらゆるシーンに生かせるでしょう。
まとめ
住宅業界では、いまやリペア業は欠かせない仕事となっています。
とくに優れた技術をもつリペア職人は、あらゆる場面で需要が高まっています。
またこれからは、長く住み継ぐ家づくりが求められる時代となることからも、リペア業の活躍の場は増えていくでしょう。