【住宅クレーム】営業ではなく、職人(工事部)の責任じゃないの?

【住宅クレーム】営業ではなく、職人(工事部)の責任じゃないの?

住宅関係の仕事をしていると、クレームというものは必ずあります。他の業界でもクレームはありますが、住宅は出来上がったものではなく、出来上がる前に契約をするもしくは完成品に見えないところが多いためクレームが多くなります。そこで、クレームがあった際にお客様の不満が向くのは、営業になります。しかし、営業としては職人や工事部の責任のはずなのに、なぜ営業にクレームが来るのかと思う方もいるかもしれません。


住宅のクレームは誰の責任?

住宅のクレームは、誰の責任でしょうか?職人であったり、現場監督であったり、営業自身のこともあったり、メーカーの責任の場合もあります。しかし、お客様が第一に不満をぶつけるのは営業であることが多いです。

営業にクレームが入ることを快く思わないスタッフもいますが、お客様は営業から住宅を購入しているので、営業にクレームがいくのは当然です。営業は、お客様からの窓口であり、契約の代表として見られているからです。

責任の所在は、追求すれば営業ではないかもしれませんが、お客様にとっては契約をした営業を通して不満を解消してほしいとするのは当然なのです。そして、その真摯な対応が会社の信頼を作っていきます。売りっぱなしでは、営業としても責任感がないと言われるのはそのためです。

クレームには、営業が対応しましょう

クレームには、営業が対応することで、お客様も比較的安心することができます。大きな買い物である住宅は、お客様の不安も大きくなりますので、迅速な対応が不可欠です。

営業ができるクレーム鎮静術

営業がクレームをなるべく抑えるためには、何ができるでしょうか?
・営業が原因の場合
まずは迅速な謝罪が必要です。直接出向き謝罪を行いましょう。その上で、どのように対応するのかを具体的にいつまでにするかを提示しましょう。また、お客様に言うべきことは「決して適当な仕事をしようとしていたわけではなく、真剣に向き合わさせていただいた上で、ミスが怒ってしまった」と伝えましょう。お客様は、自分の住宅の工事について、忙しい仕事の中でサボって、特に確認などをせずに進めていたのではないかという疑いの念を持つため、一つのミスでも非常に不安になるためです。

・営業以外が原因の場合
こちらもまずは迅速な謝罪が必要です。そして、お客様も営業が原因ではないことがわかっています。しかし、会社として、契約担当として、不満を解消もしくは不信感を取り除いてほしいという意思表示になります。
営業は、何が原因でどうしてこうなってしまったのか、今後は営業自身も確認をしっかりと行なっていくなどの「営業自らも責任と考え、その責任を全うする姿勢」を見せましょう。お客様のためを思って、その思いをどのような行動で示すかが重要です。

これらのことを行うことで、お客様は「自分たちのために真剣に取り組んでくれる」と思うことができ、会社や社員を信じることができます。クレームというものは、不満が不信感に直結するものですので、不信感を取り除くようにしましょう。

クレーム対応に慣れていない社員は、不満の原因を取り除くことばかりに躍起になります。しかし、それではお客様の気持ちは収まらないのです。不信感が不安となり、住宅購入を後悔してしまうからです。クレーム対応は、不信感を取り除くことに注力しましょう。

クレームが少ない営業の事例

クレームが極端に少ない営業もいます。営業自身のクレームが少ないことはもちろんですが、営業以外の原因のクレームも少ない営業がいます。どのように仕事をこなしているのでしょうか?

クレームが少ない営業は、先回りして確認・連絡を行っています。例えば、工事着工の日程を工事部から伝えることになっている場合、工事部からお客様に連絡漏れがあった場合にクレームとなります。そこで、営業から工事部に、お客様に工事日程の連絡を1週間前にしたのかどうかを聞きます。この1分のやり取りをするだけで、1つのクレームの可能性が消えます。このようにして、クレームの原因を事前に排除しているのです。

また、仕事ができるベテラン社員などは、いつのタイミングでどのような報告をしてほしいかを事前に各所に指示を出しています。先程の例だと、工事部から1週間前に工事日程連絡をした旨を、報告をもらうようにしています。そのように、クレーム回避のためにミスを効率的に無くすことができます。

契約していただいたお客様のためにできることをしよう!

住宅という人生で一番大きな買い物をしていただいたお客様のために、不満はすぐに解消しましょう。営業の責任でなかったとしても、お客様が困っていることには変わりません。困っているお客様に手を差し伸べるのが、営業です。

契約までは様々な無理なお願いも、できる限り応えようとしていたはずです。契約して工事が始まってから冷たくなっていると、お客様に思われても仕方ないことをしてしまってはいませんか?

関連するキーワード


営業

関連する投稿


【住宅営業】貰った歩合を返金?怖すぎる住宅営業の給料制度

【住宅営業】貰った歩合を返金?怖すぎる住宅営業の給料制度

「既に会社から支給されている給料を会社に返金する」、通常こんなことってあり得ないですよね? 恐らく、会社勤めをしていてそのような経験がある方はほぼいないのではないでしょうか? 実は、住宅営業ではこのような支給済みの給料を返金しなければならない場合があります。 「そんなことあり得る?」と思った方は最後までご覧ください。 特に住宅業界の営業職に興味がある方には確実に参考になりますので、是非読んでほしいと思います。


【長く働ける転職を!】住宅業界で女性の活躍が期待!営業からインテリアコーディネーターなどの業種をご紹介!

【長く働ける転職を!】住宅業界で女性の活躍が期待!営業からインテリアコーディネーターなどの業種をご紹介!

 住宅業界、建築業界は、まだまだ男社会と言われています。その反面、近年女性の活躍が期待されている業界でもあります。営業はもちろん、インテリアコーディネーターなどの女性目線での提案がお客様に必要とされています。  女性が活躍できる業界ではありますが、転職の際に気をつけなければならない事は、会社によっては完全な男社会の場合もあります。女性の住宅業界への転職がうまくいく参考になればと思います。


【転職前に知っておこう!】住宅営業でのトラブル事例、回避方法のまとめ

【転職前に知っておこう!】住宅営業でのトラブル事例、回避方法のまとめ

 何の仕事でもトラブルは付き物ですが、住宅の場合、高価な商品な上に、取引期間が長く、お客様とのやり取りがとても多い特徴があります。そのため、お客様との言った言わないなどの細かいトラブルなど、建築業界はクレーム産業と一般的に言われています。  これから住宅販売営業に転職する際、どのようなトラブルがあるのか分からないと不安ですよね。この記事では、実際のトラブル事例や、そのための回避方法などをご紹介いたします。


【年収1000万超え!?】住宅販売営業の年収は、基本給で約400万、歩合を入れると1000万超えも可能

【年収1000万超え!?】住宅販売営業の年収は、基本給で約400万、歩合を入れると1000万超えも可能

 住宅販売は、住宅単価が3000万など比較的単価が高い商品を扱います。そのため、営業歩合も1件の売上に対しての金額が大きくなります。営業であれば、売上に対して歩合が多く欲しいのは当然ですよね。  営業職の中でも住宅販売営業を考えている方に向けて、実際の歩合や年収はいくらくらいになるのか参考になればと思います。


お客様が相見積もりを取る理由は?住宅営業の考え方

お客様が相見積もりを取る理由は?住宅営業の考え方

お客様が相見積もりをとっていると、対応をすること自体が億劫になったり、相見積もりを取るならウチはやりません!と言う工務店もあります。お客様が相見積もりを取る心理は、失敗したくない、損したくないからですが、昔は相見積もりということはほとんどありませんでした。近年お客様が相見積もりを取るようになった理由や、営業が考えるべきことをご紹介いたします。


最新の投稿


施工管理は何歳までできる仕事?高齢者でも大丈夫?

施工管理は何歳までできる仕事?高齢者でも大丈夫?

建設業界の仕事は、「体力が必要で、高齢者にとってはきついのでは?」というイメージを持つ人もいるのではないでしょうか? 確かに、高齢化にともない筋力や視力の衰えなど身体機能の低下による影響が出てくることは、安全面で不安な部分が生じてくる可能性があります。 しかし一方で、業界の著しい高齢化に対応するべく、高齢者へ配慮された現場の環境づくりは徐々に進んでいます。 では、施工管理の仕事は何歳までできる仕事なのでしょうか?また高齢者でもできるのでしょうか? そこで本記事では、施工管理はいったい何歳までできる仕事で高齢者でも可能なのか、ご紹介したいと思います。


【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

建設業界の労働災害は、減少傾向にあるとはいえ他の産業と比べても多く発生しています。 また、工事現場で作業に従事する人は、労働災害にいたらないまでも「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりといった経験は少なからずあるでしょう。 このような、つい見過ごしてしまいがちな「ヒヤリハット」を認識し、危険の芽を摘み取ることが労働災害を防止するうえで重要になります。 そこで本記事では、建設業界の「ヒヤリハット」を認識することの重要性について、事例を交えながらご紹介したいと思います。


住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅を購入する際、多くの人が利用する住宅ローンですが、なかでも定番といえるのは「フラット35」になるでしょう。 「フラット35」の最大の特徴は「固定金利型」であることです。 「固定金利型」であることで、借り入れの時点で返済金額がわかり、また計画も立てやすくなります。 また、この他にも民間銀行が取り扱う住宅ローンとは異なる特徴があるため、知識として理解しておくとよいでしょう。 そこで本記事では、「フラット35」の特徴や銀行ローンとの違いについて徹底解説したいと思います。


【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

住宅建築においては、非常に多くの建材が使われています。 なかでも「セメント」「モルタル」「コンクリート」については、必ず使用されるポピュラーな建材となります。 しかし、これらがどのような建材なのか、またそれぞれの違いがよくわからないという人もいるのではないでしょうか? そこで本記事では、「セメント」「モルタル」「コンクリート」について、それぞれの特徴の違いなどを徹底解説したいと思います。


安全管理の具体的業務|現場監督の責任

安全管理の具体的業務|現場監督の責任

現場監督にとって、安全管理業務は最も重要な仕事です。危険が多い建設作業で、無事故で完工することを一番の目的にする必要があります。安全管理は具体的にどうやっているの?そもそも各自が安全管理をするだけではダメなのか、など現場監督の重要性と責任についてご紹介いたします。