住宅営業は、施主様の生活を知るべし
注文住宅の打ち合わせでは、施主様からヒアリングシートなどを用いて初期設計を行なっていきます。しかしこれだけではほとんどの場合が不十分です。なぜなら施主様は住宅の素人であり、どのような設計になるのかをイメージしながらヒアリングシートに記入していないからです。
住宅営業は、施主様がうまく要望を伝えられていないということを念頭に入れて打ち合わせを行っていきましょう。
■施主様宅に伺う、周りの住宅を一緒に見る
営業自ら施主様宅に伺うことで、施主様の暮らし方を知ることも一つの手です。今ではあまり行われなくなりましたが、営業や設計者が施主様宅に伺い、生活様式などを実際に拝見することもありました。
家族構成だけでなく、どのような生活リズムで家族が過ごしているのか、家にどのような物があるのかを確認することができます。お気に入りのインテリアや、収納に困っているものなど直接住宅に伺ってみないとわからない点も多くあります。これらは施主様は特に気にしていない部分であったり、どのような点を設計に反映させればよいかがわかりません。
また、周りの住宅を一緒に見て回ることも重要です。施主様はご家族で一緒に近くの家などを見て、自然とどのような家が良いかなどを考えている場合が多いです。ふらりと雑談をしながら近隣住宅などを見ることで、施主様もどのような住宅を建てたいのかがより明確になります。設計目線から住宅を見ることができるようになるためです。
以上のように、営業・設計者が施主様宅にお伺いしたり、近隣住宅を一緒にみることは注文住宅を設計する上で、施主様にとってもメリットが大きいです。
■住宅営業は家を買ったことがない!?
住宅営業は家を買ったことがない人も多いです。ただ売れるか売れないかは、住宅購入経験はあまり関係ないです。意外にも、施主様も営業が家を購入したことがあるかは気にしていない方が多いです。しかし、家を購入したことがないのに、施主様の気持ちがわかるものでしょうか。
新卒はもちろん購入経験はないことがほとんどでしょうし、マンション住まいの家庭持ちの方もいます。営業は、施主様からの話をうまく設計に取り入れれるように話を引き出し、設計者にうまく伝え、それをお客様にイメージが湧くように説明することが仕事です。
つまり、家を購入したことがなくても、売れる人は売れます。家を購入したことがあるお客様が、売れる営業マンになるかというとそうではありません。あくまでも営業は、施主様のニーズを引き出しつつ、信頼関係を築きながら契約を取る能力が必要です。
住宅営業は、施主様の住宅への不満を知るべし
注文住宅を建てようとしている施主様は、なぜ注文住宅を建てたいのでしょうか?それは今の住まいに不満があるからです。今の住まいに全く不満がなく、今の住まいが最高だと考えていたら、注文住宅をわざわざ建てようとしないためです。
当たり前のことかもしれませんが、これについてあまり考えていない営業も多いです。施主様の要望にばかり気を取られて、今の住宅の不満を聞き出すのを忘れてしまっています。これらの不満を知らないと、設計がある程度固まってきた段階で、施主様はある不安を抱きます。
「この設計で、本当に大丈夫だろうか?」と施主様は、漠然とした不安を感じます。その理由は、住みたい家の理想は伝えたけれども、この新しい家に住んだときにどうなるのかイメージが湧かないためです。
ここで今の住まいの不満を聞いていると、不満を取り除いてある設計がされます。これにより施主様は実際に住んだときに、「今の不満が全く感じられない良い住宅だ」とイメージすることができるようになります。
契約には十分な信頼関係を構築するべし
契約の際には、営業と施主様が信頼関係を築いていることが不可欠です。何千万という契約ですので、たとえどんなに素晴らしい提案であっても嫌いな営業マンからは購入したくないでしょう。
何度も打ち合わせを重ねているうちに、施主様と営業マンのお互いの家族構成まで深く知り合う仲になっていることも多いです。施主様に家族構成を聞いたりする中で、営業も自身の話をしていくためです。また、ご主人だけでなく奥様とも積極的に信頼関係を築くようにしましょう。決定権者は奥様という場合も多いためです。
信頼関係を築かずに契約をしてしまうと、せっかく施主様が一生に一度の買い物をしようとしているのに、満足のいくものにならなかったり、言いたくもないクレームを言わなければいけなくなることもあります。
営業は、失礼にならない程度でうまく施主様の暮らし方や趣味などをしっかりヒアリングしながら、自身のプライベートも話すことで信頼関係を築いていきましょう。