住宅の新築工事では、着工から完成、そして引き渡しまで多くの専門業者がそれぞれの担当工事を行います。
それらのなかで「内装仕上げ工事」は、生活の中心となる空間をつくり上げることから、施主にとって最も関心の高い工事といっても過言ではありません。
しかし、「内装仕上げ工事」といっても、具体的にどこまでの工事のことをいうのかよくわからない人も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、「内装仕上げ工事」について、どの工事を指していうのか詳しく解説したいと思います。
内装仕上げ工事とは?
内装仕上げ工事とは、一般的に内部に関わる工事全般を指していいます。
そのため、関連する業種も複数に渡ることから、現場監督にとっては非常に気をつかう工程となることも珍しくありません。
国土交通省による「建設業許可事務ガイドライン」では、内装仕上げ工事の内容について、以下のように示しています。
内装仕上げ工事
・木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事
また、建設業を営むときには、「軽微な建設工事」のみを請け負う場合を除いて建設業許可を取得しなくてはなりません。
そして、上記に示す内装仕上げ工事を行う場合の許可業種は「内装仕上工事業」となります。
住宅新築工事の工程の流れとは?
戸建て住宅の新築工事の工程の流れは、大きく以下の流れとなります。
・地鎮祭
・仮設工事
・地盤改良工事
・基礎工事
・外部配管工事
・建て方工事
・屋根工事・防水工事
・サッシ・外壁・板金工事
・電気配線工事
・断熱工事
・ユニットバス工事
・内部造作工事
・クロス工事
・設備工事
・クリーニング工事
・補修工事・施主検査
なお、これら工程の流れに関する内容は「【住宅の新築工事】着工から完成までの工程の流れとは」の記事を参考にしてください。
この一連の工程のうち、内装仕上げ工事に該当するのは、おもに「内部造作工事」から後の工程となります。
内装仕上げ工事は、その名の通り仕上げを担当する工事です。
そのため、職人の技術が大きく反映される工事であり、とくに慎重に進めていくことが重要になります。
内装仕上げ工事の内容とは?
戸建て住宅の新築工事における内装仕上げ工事は、多くの業者が関わり、内容も多岐に渡ります。
内装仕上げ工事のおもな内容について、簡単に解説いたします。
■内部造作工事
内部造作工事は、おもに大工が行う工事です。
何もない状態から、壁の位置へ木材やLGSを使って間仕切り下地を組立て、その下地に石膏ボードを貼って壁をつくります。
LGSとは「Light Gauge Steel」の略で、軽量な鉄製の規格下地を意味し、いわゆる「軽天工事」と呼ばれる工事のことです。
そして、天井も同様に、下地を組み、石膏ボードを貼ります。
床は、根太組みや合板などで下地をつくり、フローリングやカーペット、タイル、畳などの仕上げ材を施工します。
このとき、仕上げ材の種類によっては大工の担当を下地までとし、仕上げ材についてはインテリア業者やタイル業者などが別に施工することが一般的です。
また、この工程の間には、電気配線やスイッチ、コンセントの開口、水道管の立ち上げ、建具の設置などの工事も行われます。
さらに仕上げ材を施工した後は、キズが付かないよう、しっかりと養生することも重要です。
■クロス工事
大工工事が完了したらクロス工事です。
まずは、壁や天井に施工した石膏ボードの継ぎ目やビス頭をパテで埋め、サンドペーパーで平坦に均します。
その後、クロスを貼って仕上げます。
■設備工事
クロス工事が完了したら住宅設備機器の設置工事です。
住宅設備機器とは、キッチンやトイレ、エアコンなど、住宅の設備として設置される機器をいいます。
また、同時期には、本棚や収納など家具の設置工事、そして照明器具やスイッチ、コンセント、手すりなどの設置工事を同時期に行うことになります。
これらの工事が完成すれば内装仕上げ工事は終了です。
まとめ
内装仕上げ工事は、住宅の新築工事においては終盤にあたるため、雑然となってしまうことがあります。
とくに、工事途中で工程の変更があったり、あるいは年度末や決算時期など繁忙期が重なったりすると、終盤の工程にしわ寄せが生じてしまうこともあります。
しかし、仕上げ工事だけに、雑な工事をしてキズを付けてしまうようなことがあってはなりません。
よって、とくに慎重さを求められる工事でもあるのです。