住宅の新築工事では、雨が降ると工事を止めなくてはならないケースがあります。
工事を止めなくてはならないケースとはおもに外部工事になりますが、内部の工事については、屋根や防水、その他雨仕舞が終われば天候に関係なく進められます。
また、雨が降って工事が止まったとしても基本的に現場監督は休みにはなりません。
できる仕事をやる必要があり、そして日頃から忙しい現場監督にとっては滞っている業務を大きく前に進めるチャンスでもあります。
そこで本記事では、雨が降って工事が止まったときにやっておきたいことについて、とくに重要な5つをご紹介したいと思います。
住宅の現場監督が雨の日にやっておきたいこと【5選】
住宅の現場監督が、雨で工事が止まったときにやっておきたいおもなことといえば以下の5つです。
- 工程の調整
- 他現場の内部工事チェック
- 遅れている事務業務
- 図面チェック
- 現場写真の整理
■工程の調整
雨で工事が止まったときに、まずやらなくてはならないことといえば工程の調整です。
工事が止まると翌日以降に組み替えるなど工程表の変更をする必要がありますが、当然ながら後工程にも影響します。
遅れただけ全体を後ろへずらすのか、あるいはいずれかの工程で人員を増やして遅れを吸収するのかなど、打ち合わせをしながら調整しなくてはなりません。
また、このような場面では業者に無理をお願いすることもあるため、日ごろから業者とコミュニケーションをとっておくことも重要になります。
他の現場も含め、影響ができるだけ小さく済むよう調整を行うことが現場監督としてまずやらなくてはならない業務です。
■他現場の内部工事チェック
住宅の現場監督は複数現場を掛け持ちしており、進み具合もさまざまです。
雨仕舞が終わっている現場であれば雨の影響を受けることなく内部の工事は進められるため、現場監督も通常の管理業務が行えます。
雨で工事が止まった場合は、他の現場で工事の進捗状況や安全などの確認、そして美化活動など集中して取り組めます。
■遅れている事務業務
雨で工事が止まったときは、遅れている事務業務を一気に進めるチャンスです。
事務業務といってもさまざまありますが、例えば、予算書や注文書の作成、あるいは施工計画書や会議資料の作成などが挙げられます。
通常であれば、現場監督は現場での管理業務がメインとなり、夕方から事務業務を始めるといったことも珍しくありません。
そうなると残業になってしまう場合も多く、やらなくてはならないこととはいえどうしても遅れがちになります。
雨が降って担当現場が止まったタイミングで、遅れている事務業務をまとめて終わらせておくと精神的にも楽になるでしょう。
■図面チェック
設計図面は、現場監督や施工を行う職人にとっては、工事を前に進めるうえで拠り所となる重要なツールです。
しかし、場合によっては不整合や矛盾点が発生するなど、実際の施工では納まらないケースはよくあります。
例えば、開き戸が他の部材と干渉して完全に開き切らなかったり、あるいは換気扇など壁に穴をあける位置に筋交いがあったりすることなどです。
これらのような問題点は、施工の段階で発覚すると後戻りとなるケースもあり、その場合はムダなコストが発生してしまいます。
しかし、図面チェックを行って事前にわかっていれば、修正したうえで施工にあたれます。
図面チェックは時間と集中力が必要になることから、雨で現場が止まったときにはもってこいの作業といえるでしょう。
■現場写真の整理
現場監督は、工事期間中に非常に多くの写真を撮らなくてはなりません。
これは、約束通りの品質を確保できていることの証とするためで、会社のルールに則って確実に行う必要があります。
しかし、ただ撮影すればよいというわけではなく、誰が見てもわかるよう工事ごとに写真台帳をつくり、貼り付けて保存することが一般的です。
写真の整理は単純作業にはなりますが、基本的に量が多いため根気が必要な作業でもあります。
雨で工事が止まり、デスクワークに集中できるなら、写真整理を一気に片づけてしまうのもよいでしょう。
まとめ
現場監督は、雨が降って現場が止まっても休みになることはありません。
というのも、まず住宅の現場監督は複数の現場を担当しており、天候に関係なく作業を進められる現場もあるため、それらの通常業務を行う必要があるためです。
とはいえ、時間に多少の余裕ができる場合も多く、そんなときには滞っているデスクワークなどを一気に片づけるチャンスになります。
雨は誰にもコントロールできません。
現場監督は、雨による工程のズレがその後に大きく影響しないよう万全の調整を行うこと、そして限りある時間を有効に使うことが重要です。