【簡単わかりやすい】戸建て住宅工事の検査まとめ

【簡単わかりやすい】戸建て住宅工事の検査まとめ

戸建住宅工事では、様々な検査が行われています。住宅は非常に高価な商品であり、不具合があったときに容易に交換ができないことや、欠陥により人の命に関わることもあるため、法令遵守の求められている基準が厳しいです。義務として行わなければならない基本的検査、義務ではないがより安心した検査となる任意的検査があります。これらについてわかりやすく簡単にご紹介いたします。


戸建て住宅工事の基本的検査4つ

戸建て住宅工事では、建築中に様々な検査が行われます。建築基準法に則り、適切な工事を行なっているかどうかの検査を行うことで、品質の管理を行なっています。

戸建て住宅においては、基本的検査が義務付けられています。また、任意的検査というものもあり、大きく2つに分けることができます。

その中でも基本的検査は以下の4つに分かれています。
・建築基準法に基づく検査
・住宅瑕疵担保責任保険の検査
・社内検査
・工事監理に基づく検査

これらの検査について細かくご紹介していきます。

建築基準法に基づく検査

建築基準法に基づく検査は、建築主が検査の申請を行い、申請を受けた自治体もしくは指定確認検査機関が検査を行います。建築基準法に適合しているかどうかの判断がされ、問題がなければ検査済証が交付されます。

この検査済証があって初めて次の工事を開始することができますので、もし問題があった場合は、施工が遅れてしまうため、慎重に申請を行う必要があります。

・検査のタイミング
検査は2回行われます。1回目は中間検査で、構造体完了時になります。2回目は、竣工時になります。つまり、構造体に問題ないことがわかれば、次の工事に進めることができ、竣工時に問題がないことがわかれば、建物の使用が許可されるということです。

中間検査では、主に建物の配置、外形、境界における位置、高さの制限などの基本的なところの確認を行います。また、構造体の寸法、材料、接合金具、耐力壁などについて確認します。
竣工時の検査では主に、建ぺい率、容積率、防火性能、採光・換気などについて確認します。

住宅瑕疵担保責任保険の検査

住宅会社が住宅瑕疵担保責任保険に加入するために受ける検査になります。ほぼ全ての新築住宅は瑕疵担保責任保険に入ります。10年間構造上の欠陥もしくは雨漏りなどの保証をしてくれます。検査を受けて保険に加入しておくことで、このような問題により住宅の修繕が必要になったときの費用を保険から補うことができます。

住宅瑕疵担保責任保険の専門検査員が、基礎・上部構造を2回に分けて検査を行います。オプションもあり、保証内容を手厚くすることも可能です。

社内検査

社内検査とは、住宅会社が自社で行う検査のことで、引渡し住宅の品質を維持するために行います。検査については、建築基準法および設計通りの施工が行われているかについて自社基準で行われます。ハウスメーカーなどでは、通常の基準よりも高いものが設定されていたり、工務店によっても品質ポリシーが異なっています。

外部の検査機関がいくら調査しても、社内検査を怠っていれば良い品質にはなりません。外部検査はあくまでも検査証などの発行のためであり、社内検査で高品質の住宅を建てることが求められています。

工事監理に基づく検査

建築士かつ工事監理者である者が、全工程で図面通りの施工が行われているかの確認を行うものです。検査というよりは、当然行われていなければならない確認監理です。監理は、毎日現場で確認しなければならないというものではなく、各工程において現場確認・写真確認・ヒアリング・書類確認などの方法が取られます。

住宅会社の工事監理者だけでは不安という場合は、第三者機関による工事監理も依頼することが可能です。

戸建て住宅の任意的検査2つ

任意的検査とは、義務化されていませんが、住宅性能の評価の客観的審査という点で行われるものです。施工住宅の会社とは全く関係のない検査機関により行われます。

・第三者検査
・住宅性能評価の検査
以上の2つが主な任意的検査になります。それではそれぞれご紹介いたします。

第三者検査

第三者検査とは、専門の検査機関により行われ、住宅会社とは独立した会社が担います。
基本的には、施主が依頼するもので、費用負担も施主になります。そのためあまり第三者検査が行われることはないのが現状です。

検査の専門会社のため、検査についての報告書は非常にしっかり作られるのが特徴です。また、工事の一部ではなく、工事全体を通しての検査になるため安心感が高い検査と言えます。

住宅性能評価の検査

住宅性能評価制度に基づく建設住宅性能評価書の交付を受けるための検査になります。基本的には、4回の検査が行われ、基礎、上部構造、断熱・気密、完了の工程の検査です。

住宅性能評価とは、耐震等級、長期優良住宅、低炭素住宅認定などがあります。





※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


検査 現場監督

関連する投稿


【現場監督の安全管理】工事現場の「5S活動」とはなに?

【現場監督の安全管理】工事現場の「5S活動」とはなに?

現場監督の重要業務のひとつに安全管理があります。 安全管理は、現場に潜む危険を排除し、安全に作業を進めるための環境をつくることが大きな目的です。 そして、安全な環境づくりにはさまざまなアプローチの方法がありますが、なかでも「5S活動」は効果が高いとして多くの現場で取り組まれています。 では「5S活動」とは具体的にどのような活動なのでしょうか? また、取り組むことでどのような効果が期待できるのでしょうか? そこで本記事では、住宅の工事現場で行う「5S活動」とはどのような活動なのか、そして取り組むことで期待できる効果などについて解説したいと思います。


現場監督が工事現場の近隣トラブルを防ぐためにやっておきたい3つのこと

現場監督が工事現場の近隣トラブルを防ぐためにやっておきたい3つのこと

工事期間中、現場監督がとくに注意しておきたいことといえば「近隣トラブル」です。 いったん「近隣トラブル」が起こると、解決のために奔走しなくてはならないことから、工事に集中して取り組めなくなる恐れがあります。 しかし、現場監督としてやるべきことをしっかりやっておけば、多くの「近隣トラブル」は防ぐことが可能です。 そこで本記事では、「近隣トラブル」を防ぐために現場監督がやっておきたいことについて、とくに重要な3つのことをご紹介したいと思います。


【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。 「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。 また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。 施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。


【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

現場監督にとって、気になることのひとつに「靴のにおい」があります。 とくに新築住宅だけでなく、引き渡し後のアフターサービスやリフォームなども担当している場合は十分に注意しておかなければなりません。 といいうのも、強いにおいがある状態で家のなかに入ると、施主はいやな気持ちになることが予想されるためです。 せっかく品質の優れた建物を建てても、それだけで満足度が下がってしまうかもしれません。 そこで本記事では、現場監督が注意しておきたい「靴のにおい」について、その原因と対策についてご紹介したいと思います。


【管工事施工管理技士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

【管工事施工管理技士】受験資格や取得するとできる仕事とは?

建設業界でキャリアアップを図るには、資格を取得することが重要なポイントとなります。 とくに施工管理の仕事で活躍したい場合は「施工管理技士」資格が有効です。 「施工管理技士」の資格は7つの種類がありますが、建築工事では欠かせない管工事に携わるなら「管工事施工管理技士」を取得するとよいでしょう。 ただし、「施工管理技士」資格は誰にでも取得できるわけではなく、一定の条件を満たし、かつ試験に合格しなくてはなりません。 そこで本記事では、「管工事施工管理技士」の受験資格や取得するとできる仕事についてご紹介したいと思います。


最新の投稿


お客様に好かれる住宅営業4つのポイント

お客様に好かれる住宅営業4つのポイント

住宅営業は、お客様に好かれなければ中々成績が上がりません。住宅は大きな金額の買い物であるだけではなく、一生に一度の買い物と言われています。たとえ、住宅メーカーの絶対的な信頼があっても、営業が不誠実な対応や、お客様の満足度を高めることができなければ、契約にならず、工事が始まって引渡しの段階でクレームになることもあります。お客様に好かれるというのは、何でも言うことを聞くことではなく、信頼されるという意味です。住宅営業のプロとして、誠実に対応し、お客様に満足してもらう買い物をしてもらうことが重要です。


住宅展示場での接客4つのポイント

住宅展示場での接客4つのポイント

住宅営業の方は、住宅展示場で接客をすることもありますが、なかなか展示場での接客が上手くいかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?住宅展示場は、住宅設計を依頼しようと考えているお客様もいらっしゃいますが、まだ購入を決めかねているという見込みの薄い方もいらっしゃいます。また、お客様とコミュニケーションが取れていない状態から、展示場の説明をしてしまうと、なかなか営業とお客様で意思疎通ができないこともあります。この記事では、住宅展示場での接客について4つのポイントにまとめてご紹介いたします。


工事請負契約書とは?住宅営業は全て理解しよう!

工事請負契約書とは?住宅営業は全て理解しよう!

工事請負契約書は、住宅営業にとって、成績を左右する一番大事な書類です。お客様の前で新人営業マンは、よくわからずに上司と一緒にお客様に書いてもらうこともあるのではないでしょうか。工事請負契約書は、お客様との取引の上で一番大事な書類です。それにもかかわらず、実は内容を全て理解していないという営業マンも、もしかしたらいるのではないでしょうか?この記事では、工事請負契約書というものが、どのようなものかをわかりやすくご紹介いたします。


【強みを伝える】住宅営業が失敗する、自社商品の知ったつもり

【強みを伝える】住宅営業が失敗する、自社商品の知ったつもり

住宅営業は、他者と相見積もりなどで競合することが多いです。お客様は、メーカーや工務店などの様々な選択肢の中から1社を選びます。お客様の事前知識やイメージで1社に決めていることや、ほとんど決定している場合もありますが、営業の言葉だけでその決定が覆ることもあります。上司から、「他者に負けるな!」と言われつつも、どう営業をすれば良いのか、自社商品と他社商品の違いも知っているけど、それを活かせているかわからないという方もいらっしゃると思います。この記事では、住宅営業が自社商品をどのようにお客様にアピールすれば良いか、そのポイントについてご紹介いたします。


【施工管理なら知っておきたい】工事現場に仮囲いをする目的とは?

【施工管理なら知っておきたい】工事現場に仮囲いをする目的とは?

住宅の新築工事は、周囲に「仮囲い(かりがこい)」と呼ばれるフェンスを設置して行うことが一般的です。 「仮囲い」は、工事を進めるうえで重要な目的があり、とくに施工管理者は万全な計画を立てて確実に設置する必要があります。 では工事期間中に設置する「仮囲い」の重要な目的とはどのようなことでしょうか? また必ず設置しなくてはならないものなのでしょうか? そこで本記事では、施工管理者が知っておきたい工事現場に設置する「仮囲い」の目的について、詳しく解説したいと思います。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 営業 利益 知識 職人 仕事 働き方 転職