敷地調査は何を調べる?設計条件の整理をしよう

敷地調査は何を調べる?設計条件の整理をしよう

住宅を建てる前には、敷地調査を行います。どのような住宅設計がその土地に適しているのか、どのような工事が必要になるかを事前に調べる重要な調査です。設計者がどのようなところに注意して調査を行なっているのか、どのように調査をしているのかについてご紹介いたします。


敷地調査とは

敷地調査とは、住宅建設予定の土地の現況調査になります。あくまでも住宅を建てる方への簡易的な調査であり、不動産登記や売買に使用するような厳密な調査ではありません。建設業法で、敷地調査は義務付けられているものではないですが、この事前調査を行わないと、工事が始まってから想定外の費用が発生したり、そもそも設計全体を提案できません。

具体的には、敷地面積・形状、方位、標高、土地の起伏、道路状況、隣接地の状況、街並み、条例等を調査します。現地の状況について詳しく知っておかないと、施主様から「なんでこれについて考えて設計していないの?」と不信感を持たれてしまいます。設計者だけでなく、営業担当者などもある程度の敷地状況などは把握しておくようにしましょう。

敷地面積・形状などの調査

現況調査として、敷地面積を実測します。登記簿の面積は、実は間違っていることもあります。また、設置道路が4mない場合にはセットバックが必要になるため注意が必要です。

境界についても調査が必要です。土地を販売していても、その境界について曖昧なままになっている土地も少なくありません。隣家に土地境界について、登記簿と照らし合わせて確認を行う必要があります。登記簿でも境界について定まっていない場合もあるため注意が必要です。

土地の高低についても把握が必要です。どのような外構にするかを設計するために高低も考慮します。玄関先での階段やスロープの設計に重要な数値になります。

方位測定は、日当たり、間取り、風水についても考慮するために必要な調査です。隣家が近い場合などには、日陰なども考慮する必要があります。

道路状況の調査

マンホール、歩道・ガードレールの有無、電柱の位置、街路樹などの状況を調査します。これらは、駐車場の位置などを決める際に考慮します。

隣接地の調査

隣家の状況について考慮することで、住宅設計にも配慮が必要です。例えば、隣家のトイレなどが近い場合には、そこはキッチンから見えないように、近くないような間取りにしたり、2F部分の窓の位置が隣家と一緒にならないようになどすることができます。

隣地の所有者と会っておくことが望ましいです。住宅建設には、大規模な工事で騒音問題や、地面の揺れ、境界についてなど様々な問題が発生します。隣地所有者と良好な関係を持っておくことも重要な仕事です。また、賃貸などの場合では、入居者だけでなく、所有者にも事前に説明しておく必要があります。

配管関係、電線等の調査

上下水の引き込み、水道管の口径、ガス配管、電線状況について事前に調査します。

既存住宅があった場合でも、口径が古かったり劣化が激しかったりしますので、事前にどのような状況で、追加工事が必要なのかを把握しておく必要があります。

法的規制についての調査

用途地域といって、市街化区域、市街化調整区域、第一種低層住居地域、農地など土地の用途が指定されています。住居を建設できるのか、建築申請の際に用途変更が必要なのかも調査します。

建ぺい率、容積率といって、敷地面積に対して、建築物の床面積に規制があります。建ぺい率50%だと、100㎡の土地に50㎡しか建物を建てる敷地を使うことはできません。容積率が200%の場合、100㎡の土地に延床面積が200㎡の建物を建てることができます。

その他、防火地域指定、高さ制限、条例により外観の規制などがあります。

敷地調査には、Googleマップを用いることもあります

敷地調査は、現地に赴いて調査することが一般的ですが、Googleマップで簡易的に調査することもあります。先にGoogleマップで街並みやある程度の高低などを把握することができます。ストリートビューを用いれば、電柱の位置なども把握することができます。

現地調査でチェックし忘れていた項目を、Googleマップを用いて補完することも可能です。距離の測定も非常に簡単です。お客様とも視覚的に情報共有がしやすく、非常に便利です。

まとめ

敷地調査では、敷地面積・形状、方位、標高、土地の起伏、道路状況、隣接地の状況、街並み、条例等を調査します。細かい敷地調査が、満足いく設計に必要なので、お客様とも現地状況を共有しながら打ち合わせを進めていきましょう。




※この記事はリバイバル記事です。

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