野丁場と町場とは?仕事に違いはあるの?

野丁場と町場とは?仕事に違いはあるの?

野丁場と町場という言葉が建設業界にはあります。一般の方にはほとんど知られていませんが、請け負っている工事の種類で2つに分類して職人を指す言葉です。これらの言葉の意味について、実際の仕事内容にはどのような違いがあるのかをご紹介いたします。


野丁場、町場の意味

野丁場、町場というのは、工事現場の種類のような者で、規模の大きさによって言い方が変わります。
野丁場は、公共工事や大規模工事を行うゼネコンが扱う現場のことを指します。民間のショッピングモールの建設なども野丁場と言われます。

町場というのは、主に住宅工事などを指します。一般的な個人のお客様の新築住宅や、住宅リフォーム工事などを言います。一般の方が見ている職人というのは、町場の職人ということになります。

さて、これらの呼び方の違いはどうして生まれたのでしょうか。

昔は蔑称として用いられていた

昔は職人というと、住宅の建築を手がけている棟梁というイメージがあり、元請け会社として機能しているところがほとんどでした。

しかし、ハウスメーカーや大規模なゼネコン会社が大きくなってきたことと、競争に負け、住宅の仕事を取れない地域の職人というのも出てくるようになりました。そこで、大手の会社の下請け職人としてしか仕事がなくなってしまった職人のことを野丁場の職人と言うようになったそうです。

つまり、町場の職人のレベルの方が高く、仕事も元請けとして請け負えるレベルだったということです。しかし今では野丁場も町場もレベルはほとんど変わらないか、むしろ野丁場の方がレベルが高いと言えるかもしれません。そのため昔のような蔑視を込めた意味では用いられないです。

野丁場、町場での仕事内容の違い

野丁場、町場での実際の仕事内容にはどのような違いがあるのでしょうか。職種ごとに違いますので、ここでは内装職人、大工、屋根屋それぞれについて簡単にご紹介いたします。

内装職人

内装職人といっても、石膏ボードを貼っていくボード屋や、断熱材をいれる業者、クロス職人などさまざまです。

野丁場の職人は、完全分業されており、予め工程表で決められた日程に現場に向かい、現場に準備されている材料を用いての施工になります。図面、設計書に応じて正しく施工していくことになります。

町場の職人は、新築の場合は野丁場のように現場で準備されている材料を用いて施工することが多いです。一方でリフォームなどの工事では、材料発注から施工までを一貫して行う場合が多いです。また、住居人がいる状態で施工を行うので、家具移動や養生作業が発生します。また、既存のものを撤去処分する作業もあります。

ほとんどの建設作業がそうですが、新しい現場より、既存の建築物に対してリフォームをする方が作業は大変です。内装の仕事は、町場の職人は撤去処分作業や、家具移動、養生、お客様との対話などの仕事が必要です。

大工

大工という職業も実は幅広く、型枠大工から町大工、造作大工などがいます。簡単にいうと、建物の基礎を作る大工、リフォームを手がける大工、家具を作る大工などの意味になります。

野丁場の大工は、ほとんど型枠大工になります。大規模な工事の場合、鉄骨造の建造物が大半を占めるので、あまり家具を作ったり、リフォームといった工事では無いです。

町場の大工は、ほとんどが町大工、造作大工になります。リフォームにおいては、木工事の全般全てを引き受けることが多く、解体から下地作成、仕上がりまでを行います。家具を手がける大工は、家具だけの工事を請け負っている場合が多いです。

大工の中の地位では、宮大工(神社仏閣などを手がける)、型枠大工が一番高いです。そのため給与もゼネコンの型枠大工などは高くなっています。ハウスメーカーなどの大工は比較的給与が低い場合も多いです。

屋根屋

屋根屋は、野丁場の場合あまり仕事は多くありません。理由は大規模な建造物の場合、屋根は防水施工となるため、防水屋が行います。近年ではおしゃれなショッピングモールなどで室内に屋根の衣装を施すなどもあるようです。

町場の屋根屋は、住宅の屋根を施工します。瓦やスレート、シングル屋根などを扱い、新築物件からリフォームなども行います。
リフォームでは屋根の葺き替えやカバー工法などを主に行います。

まとめ

以上、野丁場、町場の意味の違い、職人の違いでした。
野丁場は、ゼネコンなどの仕事をしている職人。
町場は、一般住宅などの仕事をしている職人。
に対してそれぞれ用いる言葉です。

請け負っている工事種によって全く働く環境も仕事内容も違います。野丁場の仕事は、決められた工事を正確に行い、町場の仕事は、幅広く多能工のような業態とも言えますね。





※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


職人

関連する投稿


左官職人とはどんな仕事?必要な資格とは?

左官職人とはどんな仕事?必要な資格とは?

住宅建築は、実際に施工を行う職人の技術が必要です。 そして職人の技術は、経験の蓄積によって培ったものであり、簡単に手に入れられるものではありません。 なかでも「左官」の技術は習得が難しいとされており、そしてその伝統的な技術は古くから脈々と受け継がれてきたものでもあります。 では、住宅建築における「左官職人」は、どのような仕事なのでしょうか? また「左官職人」として仕事をするうえで必要な資格はあるのでしょうか? そこで本記事では、「左官職人」とは具体的にどのような仕事内容なのか、資格は必要なのかなど解説したいと思います。


住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界で職人として転職するメリットとデメリット

住宅業界へ転職する場合、営業や施工管理、設計などいくつかの職種が選択肢となります。 そして、実際の工事を担当する「職人」もそのひとつです。 ものづくりにおいて、「職人」の存在は欠かせません。 住宅業界でも同様で、まったくなにもない「ゼロ」の状態から建物をつくれるのは、「職人」の技術があることで実現します。 しかし「職人」を職業にするとしてもメリットとデメリットがあるため、その両方を理解したうえで検討することが重要です。 そこで本記事では、住宅業界で「職人」として転職するメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。


【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

【建設業のヒヤリハット】認識する重要性と事例をご紹介!

建設業界の労働災害は、減少傾向にあるとはいえ他の産業と比べても多く発生しています。 また、工事現場で作業に従事する人は、労働災害にいたらないまでも「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりといった経験は少なからずあるでしょう。 このような、つい見過ごしてしまいがちな「ヒヤリハット」を認識し、危険の芽を摘み取ることが労働災害を防止するうえで重要になります。 そこで本記事では、建設業界の「ヒヤリハット」を認識することの重要性について、事例を交えながらご紹介したいと思います。


とび職とはどんな仕事?必要な資格とは?

とび職とはどんな仕事?必要な資格とは?

住宅建築では多くの専門業者が携わりますが、そのひとつに「とび職」があります。 「とび職」とは、おもに高所での作業を担当する人を指していいますが、その華麗な仕事ぶりから「現場の華」と呼ばれることもあります。 しかし「とび職」にもいくつかの種類があることからも、具体的にどのような仕事なのかよくわからないという人も多いのはないでしょうか? また「とび職」の仕事をするうえで必要な資格はあるのでしょうか? そこで本記事では、「とび職」とは具体的にどのような仕事内容なのか、資格は必要なのかなど解説したいと思います。


【工事現場の安全管理】効果的な熱中症対策とは?

【工事現場の安全管理】効果的な熱中症対策とは?

気温が上昇する季節に工事現場で最も注意しなくてはならないことといえば「熱中症」になるでしょう。 「熱中症」は、年齢を問わずすべての人に発症する可能性があり、場合によっては命にかかわる健康リスクです。 労働災害としての「熱中症」は、建設業界でとくに多く発生しています。 そのため、工事現場での「熱中症」対策は、施工管理者が行う安全管理として必ず取り組まなければならない仕事のひとつとなっているのです。 そこで本記事では、工事現場の安全管理である「熱中症」対策について、ご紹介したいと思います。


最新の投稿


【簡単丸わかり】ZEH(ゼッチ)は、光熱費がゼロの住宅を目指す

【簡単丸わかり】ZEH(ゼッチ)は、光熱費がゼロの住宅を目指す

ZEH(ゼッチ)は、省エネ住宅で、とにかく最先端の住宅なんだろうという漠然としたイメージがある方も多いのではないでしょうか。ZEHは、国が定めた指標で、これからの住宅設計において、知らないでは済まされません。ZEHは、細かい基準を見ていくと非常に難しい用語も出てくるのですが、基本を抑えていれば単純なものです。この記事では、ZEHをわかりやすく順にご紹介していきます。


住宅LAN配線の基礎知識まとめ

住宅LAN配線の基礎知識まとめ

インターネットにつながっていない住宅に住むことは、ほとんどの方が無理!というくらいインターネットは普及しています。無くても生活はできますが、ライフラインの一部となっているといっても過言ではありません。しかし、インターネットを使用するためのLAN配線について、あまり知識がない方が多いのではないでしょうか?住宅を建てるにあたり、LAN配線の知識をつけ、お客様に間違った提案を行わないようにしましょう。


住宅に使われる合板について

住宅に使われる合板について

合板、ベニヤといった言葉は、現場で聞いたり、材料発注では必ず聞く言葉です。住宅建築だけでなく、建造物に非常に多く利用されている合板ですが、実は様々な種類があります。構造部分から下地、仕上げと万能な建材になります。例えば、屋根は一面が合板で覆われており、目に見えない部分においても非常に多く使用されています。この記事では、合板についてわかりやすくご紹介いたします。


オール電化、太陽光発電は良い!?環境省による導入推進

オール電化、太陽光発電は良い!?環境省による導入推進

原子力発電が、そのリスクの大きさから活用が難しくなっています。そして、環境のために自然エネルギーの活用が求められてきています。環境省は、太陽光発電の導入を推進しており、二酸化炭素の排出などを削減しようとしています。そこで、住宅にとって、太陽光発電や、オール電化について、その基礎知識や、どのようなメリットがあるのかについてご紹介いたします。


建築士の年収はどれくらい?一級と二級の違いは?

建築士の年収はどれくらい?一級と二級の違いは?

建設業界でステップアップする近道のひとつとして、資格を取得するという方法があります。 なかでも国家資格である「建築士」は、年収アップを目指すには非常に適しているといわれています。 では、「建築士」として働いたときの年収はどれくらいの額が期待できるのでしょうか? また、1級と2級ではどの程度の違いがあるでしょうか? そこで本記事では、「建築士」を職業として活躍する人の年収の額はどれくらい期待できるのか、また一級と二級の違いなどについてご紹介したいと思います。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


施工管理 現場監督 資格 住宅 営業 転職 退職 利益 工程管理 知識