工事現場において、暑くなる季節の悩みのひとつに「ヘルメットのにおい」が挙げられます。
ヘルメットは、労働安全衛生法に定められている危険な場所での作業時には、身を守るために着用しなくてはならないものです。
よって、においが強くなったとしても着用しないわけにはいきません。
では、ヘルメットのにおいはどのような方法で防げるのでしょうか?
そこで本記事では、工事現場で使うヘルメットのにおいが生じる原因と効果的な対策についてご紹介したいと思います。
工事現場で使うヘルメットのにおいの原因とは
工事現場で使用するヘルメットのにおいの原因となっているのはおもに雑菌です。
雑菌が生育する環境とは、「温度」「栄養」「水分」の3つが揃ったときになります。
「温度」は、雑菌の種類によって異なりますが、その多くは30~40℃が最も増殖に適しているといわれています。
ただし、なかには低温や高温の環境下でも死滅しないものもあるため注意が必要です。
そして、雑菌が「栄養」とするのは、汚れを始め、ありとあらゆるものであることから、絶つことは非常に難しいといえます。
もちろんヘルメットの内部も同様です。
また「水分」は、3つのうち唯一コントロールが可能なものになります。
ところが、ヘルメット内は頭皮の発汗により多くの水分を供給してしまうことがあります。
つまり、とくに気温が高くなる季節は、雑菌にとってきわめて増殖しやすい環境にあるわけです。
工事現場で使うヘルメットのにおい対策とは
工事現場で使うヘルメットの効果的なにおい対策とは、こまめに雑菌を取り除くことです。
また雑菌は、頭皮の健康にとっても悪い影響を与えるといわれていることからも、においだけでなく頭皮環境を整える意味でも対策を講じておくべきでしょう。
おもなヘルメットのにおい対策とは以下の通りです。
- ヘルメットの洗浄
- 消臭スプレーの使用
- 天日干し
■ヘルメットの洗浄
まずはヘルメットの洗浄です。
ヘルメットをこまめに洗浄することで、雑菌からの影響を抑えられます。
多くのヘルメットは、パーツごとに分解できるようになっており、できるだけ分解してひとつずつ洗剤を使って洗うと効果的です。
分解できない場合は、中性洗剤を薄めた布で汚れを取り除き、その後さらに水を含んだ布でふき取ることで一定の効果が期待できます。
そして、ヘルメットのパーツのなかでも、とくに汚れやすいのはあごひもです。
洗剤や石鹸などを使って優しくもみ洗い、しっかりとすすぎます。
洗浄後は、雑菌の生育条件である水分を残さないよう、速やかに乾燥させることがポイントです。
また近年では、ヘルメット専用の洗浄機などもあり、リースされている場合もあるため、夏季限定で利用してみるのもよいでしょう。
■消臭スプレーの使用
におい対策として、ヘルメット使用後に消臭スプレーを吹きかけるのも効果的です。
ただし、除菌あるいは抗菌効果が付加されているものを使用することがポイントとなります。
非常に手軽にできる対策ですが、まんべんなく吹き付けることは難しいため、洗浄よりも効果は限定されます。
■天日干し
ヘルメットの天日干しは、殺菌効果が高く、おすすめです。
とくに洗浄した後に天日干しを行うと、汚れと雑菌の両方を取り除けます。
ただし、天日干しの時間が長くなりすぎると、パーツの素材によっては紫外線の影響を受けて劣化が進む点では注意が必要です。
工事現場で使うヘルメットの注意点について
工事現場で使うヘルメットは、お手入れをしながら大事に使うことできれいな状態を長く維持できます。
しかし耐用年数が定められており、安全に使用するためにはいくらきれいな状態でも定期的に交換する必要があります。
法律で規定があるわけではありませんが、命を守るためのヘルメットであるため、耐用年数を迎える前に交換するようにしましょう。
「一般社団法人日本ヘルメット工業会」によって定められているヘルメットの耐用年数は以下の通りです。
- PC、ABS、PE等の熱可塑性樹脂製ヘルメット:使用開始より3年以内
- FRP等の熱硬化性樹脂製保護帽:使用開始より5年以内
- あごひも、着装体(ハンモック、汗止め)など:使用開始より1年以内
まとめ
気温が高くなる季節にはヘルメットのにおいが気になるものですが、日ごろの対策を講じることで防止することも可能です。
また、夏場の工事現場は、熱中症対策も必須となります。
ヘルメットにも、通気孔があるものや送風機が内蔵されたものなどがあるため、これらを使ってみるのもよいでしょう。
※この記事はリバイバル記事です。