「現場監督の仕事はつらい」とよくいわれますが、実際はどうなのでしょうか?
建設業界は慢性的な人手不足にあり、現場監督についても同様です。
必ず資格が必要な仕事というわけではなく、また需要も高い傾向にあることから、やってみたいと希望する人も多いのではないでしょうか。
転職する前に実態を知っておけば、その不安を解消することも可能です。
そこで今回は、現場監督の仕事でとくにつらいことについて、ご紹介していきたいと思います。
現場監督のつらいこと
現場監督の仕事でとくにつらいことといえば、以下のようなことが挙げられます。
1.とにかく忙しい
2.危険な環境での作業
3.夏に暑く、冬に寒い
4.嫌われ役になることも必要
5.人間関係が膨大すぎる
1.とにかく忙しい
現場監督はやらなくてはいけないことが非常に多く、とにかく忙しい仕事です。
とくに住宅の現場監督は、複数の現場を担当することも珍しくありません。
おもな業務は「工程管理」「安全管理」「品質管理」「原価管理」になりますが、すべてが重要で、ときには複数業務を同時に進めていくことも必要です。
そして朝早く夜遅いことも、この仕事の特徴になります。
というのも、職人が現場で作業をするのは基本的に8:00~17:00(もっと遅くなる場合も)ですが、現場監督はこの時間帯以外の仕事も多いことがその理由です。
例えば、生コン打設や建て方など重要イベントは、現場へ早めに到着し、重機などを計画通り配置するよう指示しなくてはいけません。
また夕方からは、多くの業者と翌日以降の打ち合わせ、材料の発注、書類作成、ときには会議に参加するなど、限られた時間のなかで多くの業務をこなす必要があるのです。
2.危険な環境での作業
工事中の現場には多くの危険が潜んでいます。
建設業界は他の職種と比較しても労働災害が多く、安全のための対策は必須です。
もちろんすべてを統括する現場監督も危険とは隣り合わせとなっており、万全の態勢で臨まなければいけません。
しかし、そんなことより最もつらいと感じるのは、実際に労働災害が発生したときでしょう。
工事がストップしてしまうばかりか、労災事故の処理に追われ他の業務どころではなくなってしまうかもしれません。
さらに重大事故になり必要な安全対策がとられていなかったとしたら、会社に対し民事や刑事で責任を追及されることもあるのです。
安全に対する意識を底上げしていくことは簡単なことではありません。
しかし優先して取り組まないといけない非常にたいへんな取り組みです。
3.夏に暑く、冬に寒い
現場監督は、建物の内部、外部に関わらず全体のチェックが必要です。
それが夏であろうが冬であろうが関係ありません。
気温や天候の影響をダイレクトに受けてしまうことから、それらへの対策も現場監督として必要なテーマとなります。
季節に合わせた服装をすることはもちろん、食事や睡眠など日常の健康管理も重要な要素になるでしょう。
4.嫌われ役になることも必要
現場監督は、担当現場内で統制が乱れるような行為を発見したら、正すよう厳しく求めることが重要です。
その相手が年上であっても同様です。
守るべきことは守ってもらわないと、工程や品質、安全などで大きな影響を及ぼすことにもなりかねません。
ただし、お互いに働きやすい環境づくりのためにも、できるだけプライドを傷つけないよう伝えることも必要になるでしょう。
現場監督として向上していくためには、コミュニケーションスキルを身につけることも必要です。
5.人間関係が膨大すぎる
現場監督は、現場に関わるあらゆる立場の人との調整が必要です。
あらゆる立場の人とは、施主や専門業者の担当者、職人の他、営業担当や設計担当、上司などが挙げられます。
工事期間中の現場窓口は現場監督になることから、それぞれの立場からの意見を聞かなくてはいけません。
すべての人にとって都合のよいことばかりではないため、どちらかを聞き入れるともう一方が立たなくなることもあります。
そんなときには一方を説得し、納得して動いてもらうことも必要になるでしょう。
あらゆる立場の異なる意見を調整しながら進めていくことは、非常に骨の折れる作業です。
まとめ
現場監督は、つらい部分が多い仕事であることは間違いありません。
しかし、住宅建築のすべてを学ぶには最も適した環境であり、また必要なスキルや資格を手に入れることで生涯の財産となるでしょう。
また完成したときには、つらいことを凌駕するほどの達成感があることもこの仕事の特徴です。
非常に需要が高く将来性のある職種だけに、経験の積み重ねと捉えて取り組むと明るい未来が待っているかもしれません。
※この記事はリバイバル記事です。