住宅現場で4Sを実践しよう!整理・整頓・清掃・清潔

住宅現場で4Sを実践しよう!整理・整頓・清掃・清潔

4Sという言葉を聞いたことがありますか?住宅の工事現場だけなどではなく、他業界でも多く用いられている言葉です。職場環境を改善するための活動で、整理、整頓、清掃、清潔、(しつけ)のことを4Sもしくは5Sと言います。この記事では、住宅現場において、4Sを行うことでどのようなメリットがあるのかについて、そもそも4Sとはどのようなことをすれば良いかからご紹介いたします。


4Sとは何か

4Sとは、整理、整頓、清掃、清潔の頭文字を取った略で、職場環境の改善のために行う活動のことです。また、躾(しつけ)を加えて5Sと表現されることもあります。日本から始まった考え方ですが、海外でも認知されているようです。

4S
・整理
必要なもの不必要なものを分けて捨てる
・整頓
決められた場所に決まったものを置く
・清掃
掃除をして、ゴミ、汚れ、埃などを取り除く
・清潔
整理、整頓、清掃を行い、環境の衛生維持をする
(・躾)
ルール、手順を守る習慣をつける指導を行う

具体的な仕事状況に合わせて、どのようなことを行うのか当てはめていき、これらを守ることが4S活動になります。1つ1つ見ていきましょう。

整理は、現場に不必要なものを置かないこと

住宅工事現場において、整理というのは現場にそもそも不必要なものを置かないことです。工事は作業が進んでいくにつれて、作業内容も変わります。その際に、使用工具や資材など、全く違うものを使用していきます。その日の工事に不必要なものは排除するということが「整理」になります。

例えば、資材を現場におく際に、なるべくその工事が行われる日の前日に資材が到着するようにします。資材が使いもしないのに、現場に置いてあると、他の作業の邪魔になり、事故なども誘発してしまいます。
また、工具や工事機材についても同じです。その日に使った使用機材は、次の日に使わなければその日に持ち帰ってしまいましょう。

こういった管理というのは、簡単そうに見えて、実はできないものです。理由は、誰か1人が気づいたとしても、もしかしたら必要かもしれない、置いておいても特に問題ではないと思ってしまうため誰も整理しません。整理するということは、全ての工程・工事内容を理解し、道具も管理しなければならないからです。

工程ごとに必要工具・機材をチェックシートに管理し、どの工程が終わったら、何を持ち帰るのか何が現場にあってはいけないのか、わかりやすくまとめたシートなどがあると便利です。

整頓は、業務効率化に必須

整頓は、必ず使うとわかっているものが、決まった場所に置いてある状態にするということです。住宅工事現場では、その日の工程に用いるものが1箇所にまとめてあることで、作業効率が格段に上がります。

足場の上り下りの回数などを減らすことが、一番の時間短縮になります。資材や工具を取るために意外に多くの回数行き来します。1回の行き来だけで10分程度かかる場合、その行き来だけで1日1時間以上消費してしまっている施工業者もいます。

以上のように決められた場所に、ものを置くことで工事現場においては非常に効率化が目に見えて図れるようになります。また、作業効率を追求し、ものを置く位置も最適化することで、現場での移動時間を減らすことができます。

清掃は、整理整頓の維持

住宅工事現場は、様々なゴミがでます。資材の梱包や、養生材など大量のゴミが毎日出ます。そのため、また明日も大量のゴミが出るから、今日の清掃はやらない方が効率的だと考えて、清掃を毎日しないといった現場もたまに見かけます。

しかし、4S活動では毎日清掃を怠らないようにします。清掃をすることで、毎日の整理整頓が維持されるためです。ものがあふれていると、不要なものを無駄に置いておくことになり、整頓しようにも場所が限られてくるため、ものを置く位置が変わってきてしまいます。

また、住宅工事はお客様や周りの肩にみられる環境です。ゴミが大量にあり、片付けがされていない環境を見られることは、施工会社のイメージが悪くなるだけでなく、その住宅の品質に問題はないのかと疑問を持たれる原因にもなります。清掃はしっかりと毎日行うようにしましょう。

清潔は、身だしなみから気をつけましょう

清潔は、清掃と似ていますが、清掃にさらに衛生的な視点を入れたものです。わかりやすいのが身だしなみで、清潔な格好を心がけましょう。身だしなみを清潔にする意識があれば、現場環境の清潔さにも目がいくようになります。

しつけを入れて5S

しつけの項目は、4Sをさらに改善するために必要な活動です。工事現場において、現場ルールなどを徹底して作業員に教育することで、4S活動がさらに根付き、1つ1つの活動も1人1人の意識が高まり、より作業効率化などが図れるようになります。

工事現場では、重機や工具などを使う際の正しい使用方法なども教育することが、しつけの考えです。業務効率だけではなく、安全に作業することは、事故防止につながります。事故が起きると作業はストップしてしまうため、そのような意味でも業務効率化につながります。

現場での4Sを守って、環境改善をしましょう

4Sは、整理、整頓、清掃、清潔、(しつけ)の活動になります。工事現場は、多くの資材や使用工具などがあり、4S活動を意識して行わないと汚い現場にすぐなってしまいます。そして気づかないうちに業務が非効率化していて、事故もおきやすい現場となってしまいます。

会社でしっかりと実務に落とし込んで具体的な4S活動を行える状態にしておきましょう。

関連するキーワード


現場監督

関連する投稿


文系出身でも住宅建築の施工管理はできる?

文系出身でも住宅建築の施工管理はできる?

住宅建築に関わる仕事といえば、理系の人が適しているというイメージを持っている人が多いかもしれません。 とくに施工管理の仕事は、工事の責任者となるだけに専門的な知識が必要です。 では実際のところ、施工管理の仕事は文系出身の人でもできるのでしょうか? 結論として、もちろん可能であり、さらには未経験でも問題ありません。 また、実務経験を積み重ねスキルアップすることで、文系や理系に関係なく昇進や昇給のチャンスがあります。 そこで本記事では、文系出身でも施工管理の仕事が問題なく行える理由について解説したいと思います。


【超重要】現場監督が行う原価管理の仕事

【超重要】現場監督が行う原価管理の仕事

現場監督の仕事は幅広く、現場で起こるあらゆることに取り組まなくてはいけません。 また、工事を進めるうえでムダを抑え、会社の財務健全性を保つために必要な仕事となるのが「原価管理」です。 「原価管理」は、「現場監督よりも経理の仕事では?」と思う人がいるかもしれません。 しかし、建設業界における「原価管理」は、現場監督が行うその他の管理業務との関連性も強いため、一元的に実行していくことが必要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「原価管理」の仕事について、その詳しい内容をご紹介したいと思います。


ハウスメーカーの現場監督の仕事とは?ゼネコンとの違いは?

ハウスメーカーの現場監督の仕事とは?ゼネコンとの違いは?

ハウスメーカーの現場監督は、どのような仕事しているのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか? ハウスメーカーとは、戸建て住宅の建設と販売を行う会社のことをいいます。 おもに自社の規格を確立していることが多く、工業化やマニュアル化によって効率的な家づくりを可能としています。 またハウスメーカーの家づくりにおける実際の施工は、下請けの工務店とその協力工事会社が行っていることが一般的です。 そのため、ハウスメーカーの現場監督は、ゼネコンと比べると仕事内容は少し異なります。 そこで本記事では、ハウスメーカーの現場監督の仕事内容について、またゼネコンの場合とどのような違いがあるのかご紹介したいと思います


現場監督に必要な能力とは?【5選】

現場監督に必要な能力とは?【5選】

住宅の新築工事現場では、あらゆるシーンで現場監督の能力に左右されることが多くあります。 よって、工事を円滑に進めるためにも一定の能力を有していることが求められます。 現場監督は、住宅という「モノ」をつくる仕事ですが、けしてひとりでできる仕事ではなく、必ず多くの人に動いてもらわなければいけません。 つまり現場監督には、ひとつの「モノ」をつくる集団のリーダーとして、まとめ上げ、推進していく能力を身に付ける必要があるのです。 そこで本記事では、現場監督に必要となる能力について、とくに重要な5つをご紹介したいと思います。


【超重要】現場監督が行う工程管理の仕事

【超重要】現場監督が行う工程管理の仕事

住宅建築の現場監督の仕事内容は多岐に渡ります。 なかでも「工程管理」は、建築主との約束事でもある工期を守るため、そして効率よく工事を進めるために重要な業務となります。 「工程管理」が乱れると他の業務にも影響が及ぶ可能性があることから、その点では十分な注意が必要になるでしょう。 よって、工程表通りに工事が進んでいない状況が生じたときには、現場監督の調整力が求められます。 また「工程管理」が適切に行われると、その他にさまざまな効果を得ることも可能です。 そこで本記事では、現場監督が行う「工程管理」の仕事内容や、適切に行われることで得られる効果について解説したいと思います。


最新の投稿


建設業界の積算とはどんな仕事?資格は必要?

建設業界の積算とはどんな仕事?資格は必要?

建設業界で特有の仕事に「積算」という職種があります。 「積算」は、建築物をつくる過程で欠かせない仕事であり、また同時に責任の重い仕事でもあります。 では、「積算」とは具体的にどのような仕事なのでしょうか? また「積算」の仕事するうえで資格を取得しなくてはならないのでしょうか? そこで本記事では、建設業界における「積算」とは具体的にどのような仕事をするのか、また資格は必要なのかなど解説したいと思います。


文系出身でも住宅建築の施工管理はできる?

文系出身でも住宅建築の施工管理はできる?

住宅建築に関わる仕事といえば、理系の人が適しているというイメージを持っている人が多いかもしれません。 とくに施工管理の仕事は、工事の責任者となるだけに専門的な知識が必要です。 では実際のところ、施工管理の仕事は文系出身の人でもできるのでしょうか? 結論として、もちろん可能であり、さらには未経験でも問題ありません。 また、実務経験を積み重ねスキルアップすることで、文系や理系に関係なく昇進や昇給のチャンスがあります。 そこで本記事では、文系出身でも施工管理の仕事が問題なく行える理由について解説したいと思います。


スケルトン・インフィル住宅は、長期優良住宅で何世代も住みやすい間取りの実現に最適

スケルトン・インフィル住宅は、長期優良住宅で何世代も住みやすい間取りの実現に最適

 スケルトン・インフィル(SI)住宅というものが注目され始めています。長期優良住宅という70~100年以上、住み続けられる構造上の耐久性が高い住宅が、国からも推奨されています。しかし、100年住み続ける場合にも、2世代、3世代と世帯主も代わり、世帯人数も変わることが予想されます。世帯人数に合わせた間取り設計が必要になりますが、従来の構法では自由に間取りを変えることなどが困難でした。それを解消できるのがSI住宅になります。


戸建て住宅の需要が20~30代で増加|コロナの影響で生活スタイルの変化が要因

戸建て住宅の需要が20~30代で増加|コロナの影響で生活スタイルの変化が要因

 戸建て住宅の需要が若者世代で増加傾向にあるようです。新型コロナウイルスの影響で、リモートワークなどが浸透したことにより、都心部などで勤務する必要性が薄まってきたことが要因になります。また、地方で住宅を購入すれば、都心部でワンルームの家賃を払うよりもお得だと考えている方も多いのではないでしょうか。


建設業界の働き方が変わる!建設キャリアアップシステムとは

建設業界の働き方が変わる!建設キャリアアップシステムとは

人口減少と高齢化の加速にともない、建設業界の働き方も大きく変わろうとしています。 とくに次世代を担う人材が不足しているという点は深刻な問題であり、若い世代が働きたいと魅力を感じる環境づくりは急務となっています。 国としても、建設業の働き方改革を加速化させるいくつかの取り組みを策定していますが、そのひとつが「建設キャリアアップシステム」です。 「建設キャリアアップシステム」とは、建設業に携わる技能士のキャリアなどを見える化し、適正な評価のもとに待遇向上を目指すものになります。 そこで本記事では、「建設キャリアアップシステム」の取り組みについて、その内容をくわしく解説したいと思います。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 風水 現場監理 働き方改革