4Sとは何か
4Sとは、整理、整頓、清掃、清潔の頭文字を取った略で、職場環境の改善のために行う活動のことです。また、躾(しつけ)を加えて5Sと表現されることもあります。日本から始まった考え方ですが、海外でも認知されているようです。
4S
・整理
必要なもの不必要なものを分けて捨てる
・整頓
決められた場所に決まったものを置く
・清掃
掃除をして、ゴミ、汚れ、埃などを取り除く
・清潔
整理、整頓、清掃を行い、環境の衛生維持をする
(・躾)
ルール、手順を守る習慣をつける指導を行う
具体的な仕事状況に合わせて、どのようなことを行うのか当てはめていき、これらを守ることが4S活動になります。1つ1つ見ていきましょう。
■整理は、現場に不必要なものを置かないこと
住宅工事現場において、整理というのは現場にそもそも不必要なものを置かないことです。工事は作業が進んでいくにつれて、作業内容も変わります。その際に、使用工具や資材など、全く違うものを使用していきます。その日の工事に不必要なものは排除するということが「整理」になります。
例えば、資材を現場におく際に、なるべくその工事が行われる日の前日に資材が到着するようにします。資材が使いもしないのに、現場に置いてあると、他の作業の邪魔になり、事故なども誘発してしまいます。
また、工具や工事機材についても同じです。その日に使った使用機材は、次の日に使わなければその日に持ち帰ってしまいましょう。
こういった管理というのは、簡単そうに見えて、実はできないものです。理由は、誰か1人が気づいたとしても、もしかしたら必要かもしれない、置いておいても特に問題ではないと思ってしまうため誰も整理しません。整理するということは、全ての工程・工事内容を理解し、道具も管理しなければならないからです。
工程ごとに必要工具・機材をチェックシートに管理し、どの工程が終わったら、何を持ち帰るのか何が現場にあってはいけないのか、わかりやすくまとめたシートなどがあると便利です。
■整頓は、業務効率化に必須
整頓は、必ず使うとわかっているものが、決まった場所に置いてある状態にするということです。住宅工事現場では、その日の工程に用いるものが1箇所にまとめてあることで、作業効率が格段に上がります。
足場の上り下りの回数などを減らすことが、一番の時間短縮になります。資材や工具を取るために意外に多くの回数行き来します。1回の行き来だけで10分程度かかる場合、その行き来だけで1日1時間以上消費してしまっている施工業者もいます。
以上のように決められた場所に、ものを置くことで工事現場においては非常に効率化が目に見えて図れるようになります。また、作業効率を追求し、ものを置く位置も最適化することで、現場での移動時間を減らすことができます。
■清掃は、整理整頓の維持
住宅工事現場は、様々なゴミがでます。資材の梱包や、養生材など大量のゴミが毎日出ます。そのため、また明日も大量のゴミが出るから、今日の清掃はやらない方が効率的だと考えて、清掃を毎日しないといった現場もたまに見かけます。
しかし、4S活動では毎日清掃を怠らないようにします。清掃をすることで、毎日の整理整頓が維持されるためです。ものがあふれていると、不要なものを無駄に置いておくことになり、整頓しようにも場所が限られてくるため、ものを置く位置が変わってきてしまいます。
また、住宅工事はお客様や周りの肩にみられる環境です。ゴミが大量にあり、片付けがされていない環境を見られることは、施工会社のイメージが悪くなるだけでなく、その住宅の品質に問題はないのかと疑問を持たれる原因にもなります。清掃はしっかりと毎日行うようにしましょう。
■清潔は、身だしなみから気をつけましょう
清潔は、清掃と似ていますが、清掃にさらに衛生的な視点を入れたものです。わかりやすいのが身だしなみで、清潔な格好を心がけましょう。身だしなみを清潔にする意識があれば、現場環境の清潔さにも目がいくようになります。
■しつけを入れて5S
しつけの項目は、4Sをさらに改善するために必要な活動です。工事現場において、現場ルールなどを徹底して作業員に教育することで、4S活動がさらに根付き、1つ1つの活動も1人1人の意識が高まり、より作業効率化などが図れるようになります。
工事現場では、重機や工具などを使う際の正しい使用方法なども教育することが、しつけの考えです。業務効率だけではなく、安全に作業することは、事故防止につながります。事故が起きると作業はストップしてしまうため、そのような意味でも業務効率化につながります。
現場での4Sを守って、環境改善をしましょう
4Sは、整理、整頓、清掃、清潔、(しつけ)の活動になります。工事現場は、多くの資材や使用工具などがあり、4S活動を意識して行わないと汚い現場にすぐなってしまいます。そして気づかないうちに業務が非効率化していて、事故もおきやすい現場となってしまいます。
会社でしっかりと実務に落とし込んで具体的な4S活動を行える状態にしておきましょう。