住宅会社の取引関係を知ろう
事務書類と睨めっこしていても、その内容はなかなか理解できません。まずは、住宅会社の取引関係について、大体の流れを把握しておきましょう。
■法人取引
資材メーカーとの取引
施工業者との取引
不動産業者との取引
まず、法人ではメーカーと施工業者、不動産業者が主な取引先になります。メーカーというのは、それぞれ資材を発注する相手になります。例えば、屋根であったら屋根本体、ルーフィング材などがあります。外壁は防水紙、外壁材、その他部材があります。設備関係(システムバス、キッチンなど)などのメーカーもあります。それぞれのメーカーに発注するため非常に複雑です。複数の資材を扱っている業者に依頼する場合は、どのような資材を発注しているのかを確認しましょう。
このようにメーカーだけでも複数業者が存在します。
施工業者も、屋根屋、鳶、外壁施工、設備施工、電気施工などの複数業者がいます。
不動産屋はその土地の管理会社になります。
ここまででわかるように非常に多くの業者と関わって、1棟の物件が建ちます。細かく把握しようとするとなかなか難しいので、最初は大まかな全体像を知ることから始めることをお勧めします。
■個人取引
お客様との取引になります。住宅は個人所有であることが多いです。お客様との取引も、複数の書類が必要になります。
取引の流れ
↓仮契約
工務店とお客様で交わします。手付金などの取引が発生します。
↓間取り図等の打ち合わせ
間取り図等の決定を行い、その確認書などを取り交わします。
↓概算見積書
プランによって、大まかな見積もりを記載したものを交わします。
↓最終決定
細かい仕様を決めて、その仕様書の取り交わし、最終見積もりの決定になります。
↓本契約
工事請負契約書を交わします。着手金などの取引が発生します。
以上のように、お客様との取引でも2,3ヶ月以上かかるため様々な書類が作成されます。どの段階の書類なのかを把握するようにしましょう。
住宅会社で扱う取引商品などを知ろう
見積書や、請求書などを扱いますが、住宅業界は専門用語も多いため、何がどれなのかが最初はわからないと思います。まずは1つ1つ取引商品などの言葉の意味を勉強しておくようにしましょう。
わからない言葉が並んでいると、その書類自体の意味を理解するのが大変です。まずは、住宅会社の取引の流れを大まかに把握し、そのあとで書類の項目1つ1つをゆっくりと理解していきましょう。最初は大変かもしれませんが、このような順序で着実に覚えていけば問題ありません。
住宅会社の事務書類の種類
住宅会社の取引の流れ等を確認いたしました。次に、事務書類の種類はどのようなものがあるでしょうか?
ここでは見積書、注文書・発注書、納品書、検収書(完工書)、請求書についてご紹介いたします。
■見積書は、事前に価格の確認をするもの
業者間、お客様との間で見積書のやりとりを行います。見積書は、取引の際に事前に商品などの単価、総費用を確認するものです。見積書の内容を確認した上で、発注するかを決めるものです。
見積書は、住宅会社からお客様にお出しします。お客様からは出されません。一方、施工業者からは、住宅会社に見積書が送られていきます。住宅会社が施工業者に発注するためで、この関係を覚えておきましょう。
■注文書・発注書は、契約書のようなもの
見積書の内容を確認し、それに基づいて正式依頼する際に、注文書・発注書を取り交わします。買う側が売る側に発行するものになります。購入するという意思を表示するもので、契約書のようなもののため、この段階で正式に発注をお願いすることになります。
住宅会社と施工業者では、住宅会社から施工業者に注文書を発行します。住宅会社とお客様では、お客様から住宅会社に注文書(契約書)にサインをします。
■納品書は、売る側が発行する
売る側が、納品を証明するために納品書を発行します。どのような商品・サービスを納めたのかを提示する書類です。
■検収書(完工書)は、納品物に問題がなかったことを示す
検収書は、買った側が、納品されたものに問題がなかったことを確認しましたという書類になります。
住宅会社とお客様の間では、完工書というものが交わされます。工事が問題なく、完了していますという確認を示す書類で、お客様が完工書にサインをして、正式に住宅の引渡しがされたということになります。
■請求書は、代金の支払いを求めるもの
検収、完工したのちに、代金の支払いを行います。施工業者やメーカーから、住宅会社に請求書が届き、これに基づき支払いを行います。
住宅会社からお客様に請求書を発行する場合もありますが、お客様は完工書をサインしてから、住宅ローンの支払いが始まります。
いかがでしたでしょうか?以上のようにまずは、複数の業者やお客様、どちらがどちらに発行した書類なのか、どの段階の取引での書類なのかといった全体像を把握しましょう。そして書類の細かい事項について理解していけば、問題なく対応できるはずです。少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。