住宅会社の事務書類は複雑!見積書・請求書・完工書など

住宅会社の事務書類は複雑!見積書・請求書・完工書など

住宅会社は工事を行う上で、メーカーや施工業者など複数の取引業者がいるため、事務書類も複雑になります。今まで事務職を経験していた方でも、どの書類が何に使用されているのか、全体の流れも把握していない新人は、何がなんだかわからない!という方も多いです。この記事では、住宅会社の取引関係から、まず何を把握すれば良いのかについてご紹介いたします。また、完工書などの書類についてそれぞれご紹介いたします。


住宅会社の取引関係を知ろう

事務書類と睨めっこしていても、その内容はなかなか理解できません。まずは、住宅会社の取引関係について、大体の流れを把握しておきましょう。

法人取引

資材メーカーとの取引
施工業者との取引
不動産業者との取引

まず、法人ではメーカーと施工業者、不動産業者が主な取引先になります。メーカーというのは、それぞれ資材を発注する相手になります。例えば、屋根であったら屋根本体、ルーフィング材などがあります。外壁は防水紙、外壁材、その他部材があります。設備関係(システムバス、キッチンなど)などのメーカーもあります。それぞれのメーカーに発注するため非常に複雑です。複数の資材を扱っている業者に依頼する場合は、どのような資材を発注しているのかを確認しましょう。

このようにメーカーだけでも複数業者が存在します。
施工業者も、屋根屋、鳶、外壁施工、設備施工、電気施工などの複数業者がいます。
不動産屋はその土地の管理会社になります。

ここまででわかるように非常に多くの業者と関わって、1棟の物件が建ちます。細かく把握しようとするとなかなか難しいので、最初は大まかな全体像を知ることから始めることをお勧めします。

個人取引

お客様との取引になります。住宅は個人所有であることが多いです。お客様との取引も、複数の書類が必要になります。

取引の流れ
↓仮契約
工務店とお客様で交わします。手付金などの取引が発生します。
↓間取り図等の打ち合わせ
間取り図等の決定を行い、その確認書などを取り交わします。
↓概算見積書
プランによって、大まかな見積もりを記載したものを交わします。
↓最終決定
細かい仕様を決めて、その仕様書の取り交わし、最終見積もりの決定になります。
↓本契約
工事請負契約書を交わします。着手金などの取引が発生します。

以上のように、お客様との取引でも2,3ヶ月以上かかるため様々な書類が作成されます。どの段階の書類なのかを把握するようにしましょう。

住宅会社で扱う取引商品などを知ろう

見積書や、請求書などを扱いますが、住宅業界は専門用語も多いため、何がどれなのかが最初はわからないと思います。まずは1つ1つ取引商品などの言葉の意味を勉強しておくようにしましょう。

わからない言葉が並んでいると、その書類自体の意味を理解するのが大変です。まずは、住宅会社の取引の流れを大まかに把握し、そのあとで書類の項目1つ1つをゆっくりと理解していきましょう。最初は大変かもしれませんが、このような順序で着実に覚えていけば問題ありません。

住宅会社の事務書類の種類

住宅会社の取引の流れ等を確認いたしました。次に、事務書類の種類はどのようなものがあるでしょうか?
ここでは見積書、注文書・発注書、納品書、検収書(完工書)、請求書についてご紹介いたします。

見積書は、事前に価格の確認をするもの

業者間、お客様との間で見積書のやりとりを行います。見積書は、取引の際に事前に商品などの単価、総費用を確認するものです。見積書の内容を確認した上で、発注するかを決めるものです。

見積書は、住宅会社からお客様にお出しします。お客様からは出されません。一方、施工業者からは、住宅会社に見積書が送られていきます。住宅会社が施工業者に発注するためで、この関係を覚えておきましょう。

注文書・発注書は、契約書のようなもの

見積書の内容を確認し、それに基づいて正式依頼する際に、注文書・発注書を取り交わします。買う側が売る側に発行するものになります。購入するという意思を表示するもので、契約書のようなもののため、この段階で正式に発注をお願いすることになります。

住宅会社と施工業者では、住宅会社から施工業者に注文書を発行します。住宅会社とお客様では、お客様から住宅会社に注文書(契約書)にサインをします。

納品書は、売る側が発行する

売る側が、納品を証明するために納品書を発行します。どのような商品・サービスを納めたのかを提示する書類です。

検収書(完工書)は、納品物に問題がなかったことを示す

検収書は、買った側が、納品されたものに問題がなかったことを確認しましたという書類になります。

住宅会社とお客様の間では、完工書というものが交わされます。工事が問題なく、完了していますという確認を示す書類で、お客様が完工書にサインをして、正式に住宅の引渡しがされたということになります。

請求書は、代金の支払いを求めるもの

検収、完工したのちに、代金の支払いを行います。施工業者やメーカーから、住宅会社に請求書が届き、これに基づき支払いを行います。

住宅会社からお客様に請求書を発行する場合もありますが、お客様は完工書をサインしてから、住宅ローンの支払いが始まります。


いかがでしたでしょうか?以上のようにまずは、複数の業者やお客様、どちらがどちらに発行した書類なのか、どの段階の取引での書類なのかといった全体像を把握しましょう。そして書類の細かい事項について理解していけば、問題なく対応できるはずです。少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。





※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


事務

関連する投稿


【今さら聞けない】事務に必須の「印鑑」まとめ

【今さら聞けない】事務に必須の「印鑑」まとめ

住宅会社の事務に限らず、どこの事務でも印鑑を使用します。社内文書だけでなく、社外との取引関係で契約書、見積書、様々な場面で使用されます。印鑑は法的な効力がありますが、どの印鑑をいつ使えば良いのか、なぜその印鑑を使うのかについて知らないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、会社で使う印鑑の種類や、どの場面で使用すれば良いかについてご紹介いたします。


【体験談】住宅会社の事務職はツラいよ?良いところ辛いところ

【体験談】住宅会社の事務職はツラいよ?良いところ辛いところ

住宅会社の事務員として、実際に働いた感想としては、普通の会社の事務より辛かったです。住宅会社は建設業界であり、建設業の仕事は非常に専門的で、なかなか難しいと言えます。ただ、事務員のスキルが高い女性は少なく、それでいて事務の求人は多いため、スキルを身につければ職に困らないとも言えます。体験した内容から少しでも皆様の参考になれば幸いです。


住宅会社における事務職の種類(総合・技術・営業)

住宅会社における事務職の種類(総合・技術・営業)

事務職はどの会社でも必要な業務を担う重要な仕事です。事務がいることで他の実務が円滑に進みます。住宅会社での事務は、実は様々な業務があります。住宅工事がとても複雑であるだけでなく、営業、施工外注、不動産など様々な業者、お客様とやりとりをするため、連絡だけでも煩雑になります。住宅会社での事務はどのような仕事を行なっているのでしょうか?この記事では大きく3つに分けてご紹介いたします。


【採用ポイントもわかる】ハウスメーカー、住宅事務の仕事内容まとめ|勤務場所、募集内容の選び方

【採用ポイントもわかる】ハウスメーカー、住宅事務の仕事内容まとめ|勤務場所、募集内容の選び方

 ハウスメーカーや、住宅営業の事務員はどのような仕事をしているのでしょうか。一般的な会社の事務員と聞くと、コピーや簡単なPC入力、その他雑務をイメージするのではないでしょうか。住宅事務も同じような仕事内容ですが、この記事では具体的な仕事内容、勤務場所、募集内容などについてご紹介いたします。


【未経験からの転職】女性が活躍!不動産事務の仕事内容、給与相場、必要な知識について

【未経験からの転職】女性が活躍!不動産事務の仕事内容、給与相場、必要な知識について

 不動産事務の仕事は、アルバイト、パート、正社員など様々な募集形態で求人があります。女性が活躍していることが多く、その勤務体系の幅から比較的残業も少なく、働きやすい職種であると言えます。また、普通の事務職とは違い、不動産業界ならではの専門用語が扱われるため、覚えることが多くて大変!という負担を軽減するために、どのように準備すれば良いかもご紹介します。この記事では、不動産事務に未経験からでも転職を失敗しないために少しでもお役に立てる情報をお伝えしていきます。


最新の投稿


【営業も知っておくべき】住宅購入に使える補助金まとめ

【営業も知っておくべき】住宅購入に使える補助金まとめ

住宅購入は費用も多くかかり、なかなか踏み切れない方も多いです。しかし、日本経済を潤すために住宅の売買については、国も様々な施策を行っています。そこで、お客様に補助金制度を勧めることで購買意欲を高めることができます。多くの制度があり、条件も細かく設定されているものもあります。お客様が調べても、購入する住宅がその制度の条件にあっているかなどがわからない場合もあります。営業はしっかりとそれぞれの制度について理解しておきましょう。


【かんたんまとめ】住宅購入にかかるお金の知識

【かんたんまとめ】住宅購入にかかるお金の知識

住宅購入には、建物の価格だけでなく、それらの手続きにかかる様々な諸費用がかかります。これらの費用についての知識を、営業が持っていなければ、お客様は契約してからこんなに予算を用意できないという事態になってしまいます。事前にお客様が手持ち資金の不足がないように、どの程度の金額が何にかかるのかについて説明できるようにしましょう。営業はお金の話をしっかりできてこそ、お客様から信頼され、契約に結びつきますので、しっかりと把握しておきましょう。


住宅を建てる際の土地についての基礎知識まとめ

住宅を建てる際の土地についての基礎知識まとめ

住宅を建てるには土地が必要です。土地は広さだけで、特に他に気にしたことは無い!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、実は土地一つとっても様々な知っておかなければならない知識があります。住宅関係の仕事をする以上、全て把握しておきましょう。土地の種類から、住宅を建てる上で注意しなければならない条件などについて、わかりやすくご紹介いたします。


住宅の構造とは?木造や鉄骨造などわかりやすくご紹介!

住宅の構造とは?木造や鉄骨造などわかりやすくご紹介!

住宅構造は、非常に多くの種類があり、専門家でないと複雑に感じるかもしれません。簡単に、木造や鉄骨造というものを勉強しても、ハウスメーカーによって様々な構法に各名称がつけられている場合もあります。この記事では、構造というものがどのようなものなのかについて簡単にご紹介し、それぞれの一般的な構法についてもご紹介いたします。


朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

朝礼は必要ない!?建設工事における目的・確認事項

毎日工事現場では、朝礼が行われます。一般企業でも朝礼を実施している会社はありますが、朝礼は朝の始まりの慣例で、特になくても問題ないのでは?と考えている方も多いかもしれません。しかし、工事現場において朝礼は非常に重要なものです。安全管理や工事内容を再度確認することで、その日1日を問題なく進行させることができます。この記事では、朝礼の目的や内容についてご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 資格 現場監理 働き方改革 台風