【木造住宅】現場監督のチェックポイントまとめ

【木造住宅】現場監督のチェックポイントまとめ

現場監督はどの工程のどの部分に注意してチェックしているのでしょうか?この記事では、木造住宅における主な2種類の工法についてのチェックポイントについてご紹介いたします。2つの工法の管理項目を比較することで、現場監督がどのようなことに気をつけて管理をしているのかを知ることができます。


木造住宅は、木造軸組工法(在来工法)・ツーバイフォー工法が主流

木造住宅は主に2つの工法で建てられることが多いです。
・木造軸組工法(在来工法)
・ツーバイフォー工法
の2つになります。

これらの工法について簡単にメリットデメリットから、どのような施工方法なのかについてご紹介いたします。

在来工法のメリットデメリット

日本家屋で最も多く採用されている工法になります。柱と梁などの骨組みを作り、金具補強をしながら建てていきます。
メリット
・構造上の制約が少なく、様々な間取りに対応できる
・土地の形状を選ばない
・増改築等のリフォームに柔軟に対応できる
・施工できる業者が豊富

デメリット
・高気密で湿気により木が腐食することがある
・間口が広いなどの特殊な設計には不向き
・職人などによって品質にバラつきが生じやすい

ツーバイフォー工法のメリットデメリット

ツーバイフォー工法は、北米で発祥した工法で、面で支える構造となっており地震に強く、日本でも広く採用されるようになった建築手法です。ツーバイフォーの木材で組んだ枠に合板を張って、それを壁として建てていきます。
メリット
・耐震性が高い
・気密性、断熱性、防火性が高い
・品質が安定しやすく、工期も比較的短い

デメリット
・面で構成するため、間取りの自由度が低い
・リフォームで間取り変更などがしにくい
・開口部を大きくしにくい
・内部結露が起きやすい

現場でのチェックポイント

現場監督が現場でどのような工程で注意してチェックしているのかについてご紹介いたします。
在来工法、ツーバイフォー工法でのそれぞれについて金物の扱い方を主に記載していきます。

・在来工法でのチェックポイント
・ツーバイフォー工法でのチェックポイント
と順にまとめます。

在来工法でのチェックポイント

構造材の確認

柱・土台・梁といった構造材に、穴や欠き込み(一部が削られた状態)がないかの確認を行います。構造材に異常があれば、その建造物は耐久性が下がってしまいますので、放置していてはいけません。

このような問題が生じていた場合には、新しい部材に変更するか、補強を施す必要があります。なぜ施工していてこのようなことが起きるかというと、配管関係などで設計段階で無理がある場合、現場で職人がうまく合わせられるように構造材を削ってしまいます。職人はこうしないと仕事が進まないから、設計書通りに進めるしかないと判断して行います。

現場監督は、このようにならないように事前に施工図と現場で整合性が取れていない点はないかを随時チェックする必要があります。また、職人とうまくコミュニケーションを取り、このような問題が起きないようにすること、問題が起きた時にスムーズに対処方法を職人に実行してもらう必要があります。

金物の確認

木造建築は、木材だけで建てられているわけではなく、金物を使用しなければいけないということが建築基準法で定められています。地震で倒壊した家屋の調査から、耐震基準が改正されており、金物の取り付けによって大きく耐震性が向上できることから義務付けられています。

金物は、土台と基礎をつなぐ「アンカーボルト」、筋交と柱をつなぐ「筋交プレート」など、さまざま使われています。これらが正しく接合できているかを確認します。大工工事の技術はあっても、耐震構造などに詳しい大工ばかりではありません。そのため間違った金物の使い方をしている場合もあります。しっかりと現場監督がチェックする必要があります。

金物が接触している箇所があれば、接触しない特殊な金物に変更したりします。金物を取り付ける際に、斜めになっていたり、隙間がある取り付け方では全く耐震性向上に寄与しない場合もあるので、現場監督が正しい知識を身につけておくことが必要です。

ツーバイフォー工法でのチェックポイント

釘の留めつけ

壁で構造を形成するツーバイフォー工法では、木枠に合板をクギで打ちつけています。この釘の留めつけについてチェックする必要があります。在来工法では、ビスなどを用いています。
合板を木枠に取り付ける際に、外周部は100mm、中間部は200mm間隔で打ちます。このような決められた間隔で取り付けを行わないと、耐震性能を担保できません。

釘の長さも500mmのものを使います。職人が足りないからと言って、他の短い釘を使っていないか、釘打ちのピッチも問題ないか確認しましょう。

工場でユニットを作る場合

ツーバーフォー工法の場合、木枠に合板を打つ作業を向上で行ってしまうメーカーもあります。現場で作業するより機械で全て済ませてからの方が、品質・工期・コストにおいて有利な点が多いからです。

このような場合には、納品物が問題なく釘打ちされているか、その取り付け方法に問題がないかの確認をしていきます。




※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


現場監督

関連する投稿


施工管理が注意しておきたい住宅建築の結露対策

施工管理が注意しておきたい住宅建築の結露対策

住宅にとってリスクとなることのひとつに「結露」があります。 「結露」は、カビやダニなどが発生する原因となる他、重要な構造を傷めて建物寿命を縮めてしまう可能性もあるため、十分な注意が必要な現象です。 また「結露」対策として重要なことといえば、建物の断熱性能を高めることが挙げられます。 しかし断熱性能は、施工精度にも大きく影響を受けるため、施工管理は適切な施工が行われていることをチェックすることが重要です。 そこで、本記事では、住宅のリスクである「結露」の正体と、「結露」対策として施工管理が注意しておきたい施工ポイントについて解説したいと思います。


【現場監督の安全管理】工事現場の「5S活動」とはなに?

【現場監督の安全管理】工事現場の「5S活動」とはなに?

現場監督の重要業務のひとつに安全管理があります。 安全管理は、現場に潜む危険を排除し、安全に作業を進めるための環境をつくることが大きな目的です。 そして、安全な環境づくりにはさまざまなアプローチの方法がありますが、なかでも「5S活動」は効果が高いとして多くの現場で取り組まれています。 では「5S活動」とは具体的にどのような活動なのでしょうか? また、取り組むことでどのような効果が期待できるのでしょうか? そこで本記事では、住宅の工事現場で行う「5S活動」とはどのような活動なのか、そして取り組むことで期待できる効果などについて解説したいと思います。


現場監督が工事現場の近隣トラブルを防ぐためにやっておきたい3つのこと

現場監督が工事現場の近隣トラブルを防ぐためにやっておきたい3つのこと

工事期間中、現場監督がとくに注意しておきたいことといえば「近隣トラブル」です。 いったん「近隣トラブル」が起こると、解決のために奔走しなくてはならないことから、工事に集中して取り組めなくなる恐れがあります。 しかし、現場監督としてやるべきことをしっかりやっておけば、多くの「近隣トラブル」は防ぐことが可能です。 そこで本記事では、「近隣トラブル」を防ぐために現場監督がやっておきたいことについて、とくに重要な3つのことをご紹介したいと思います。


【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

【住宅建設】新築工事が始まる前に現場監督が行う現地調査とは?

現場監督は、あらゆる業務を行わなければなりませんが、「現地調査」もそのひとつです。 「現地調査」とは、工事が始まる前に実際の現場を確認する事前調査のことをいい、新築工事やリフォームなど、工事によって調査する内容は変わります。 また現場監督は、工事に取り掛かる前に施工計画を作成しますが、現地を確認しなければ実行性のある計画がつくれるとは限りません。 施工計画に不備があれば工事は混乱し工程に狂いが生じる恐れもあるため、「現地調査」は非常に重要なのです。 そこで本記事では、現場監督が行う「現地調査」について、おもに新築工事が始まる際に確認しておきたいことをご紹介いたします。


【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

【要注意】現場監督の靴のにおい対策とは?

現場監督にとって、気になることのひとつに「靴のにおい」があります。 とくに新築住宅だけでなく、引き渡し後のアフターサービスやリフォームなども担当している場合は十分に注意しておかなければなりません。 といいうのも、強いにおいがある状態で家のなかに入ると、施主はいやな気持ちになることが予想されるためです。 せっかく品質の優れた建物を建てても、それだけで満足度が下がってしまうかもしれません。 そこで本記事では、現場監督が注意しておきたい「靴のにおい」について、その原因と対策についてご紹介したいと思います。


最新の投稿


左官職人とはどんな仕事?必要な資格とは?

左官職人とはどんな仕事?必要な資格とは?

住宅建築は、実際に施工を行う職人の技術が必要です。 そして職人の技術は、経験の蓄積によって培ったものであり、簡単に手に入れられるものではありません。 なかでも「左官」の技術は習得が難しいとされており、そしてその伝統的な技術は古くから脈々と受け継がれてきたものでもあります。 では、住宅建築における「左官職人」は、どのような仕事なのでしょうか? また「左官職人」として仕事をするうえで必要な資格はあるのでしょうか? そこで本記事では、「左官職人」とは具体的にどのような仕事内容なのか、資格は必要なのかなど解説したいと思います。


施工管理が注意しておきたい住宅建築の結露対策

施工管理が注意しておきたい住宅建築の結露対策

住宅にとってリスクとなることのひとつに「結露」があります。 「結露」は、カビやダニなどが発生する原因となる他、重要な構造を傷めて建物寿命を縮めてしまう可能性もあるため、十分な注意が必要な現象です。 また「結露」対策として重要なことといえば、建物の断熱性能を高めることが挙げられます。 しかし断熱性能は、施工精度にも大きく影響を受けるため、施工管理は適切な施工が行われていることをチェックすることが重要です。 そこで、本記事では、住宅のリスクである「結露」の正体と、「結露」対策として施工管理が注意しておきたい施工ポイントについて解説したいと思います。


敷地調査は何を調べる?設計条件の整理をしよう

敷地調査は何を調べる?設計条件の整理をしよう

住宅を建てる前には、敷地調査を行います。どのような住宅設計がその土地に適しているのか、どのような工事が必要になるかを事前に調べる重要な調査です。設計者がどのようなところに注意して調査を行なっているのか、どのように調査をしているのかについてご紹介いたします。


【成功のポイント】住宅販売は集客イベントを活用しよう!

【成功のポイント】住宅販売は集客イベントを活用しよう!

住宅販売では、集客イベントを行なっている会社が多いです。それだけ住宅購入は、オンラインでの集客を行なっても、実際に来店していただかなければなかなか成約に結びつかないことがわかります。住宅展示場や、自社のイベントでの集客、集客してからの追客イベントなどがあります。それらはイベントを開催すれば人がやってくるというわけではありません。そのイベントに集客するための方法も考えなければ、なかなか成功しないものです。集客イベントというものは、どのように行なっているのか、具体例からご紹介いたします。


住宅営業、資料作成の秘訣!使っていない資料がある方必見

住宅営業、資料作成の秘訣!使っていない資料がある方必見

住宅営業は、会社の営業資料を使用しますが、それ以外にもお客様用に自らが簡単にまとめた資料を作成することもあります。小さい工務店などでは、営業資料も少なく、どのような資料が良いのか試行錯誤しているところもあるでしょう。どこの会社でも問題になるのが、営業資料をマーケティング部が作成しても、営業が効果的に使っていないということがあります。そこで、営業資料はどのように作成し、どのように活用すれば良いのかについて少しでも皆様のご参考になれば幸いです。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 営業 利益 知識 職人 仕事 働き方 転職