木造住宅は、木造軸組工法(在来工法)・ツーバイフォー工法が主流
木造住宅は主に2つの工法で建てられることが多いです。
・木造軸組工法(在来工法)
・ツーバイフォー工法
の2つになります。
これらの工法について簡単にメリットデメリットから、どのような施工方法なのかについてご紹介いたします。
■在来工法のメリットデメリット
日本家屋で最も多く採用されている工法になります。柱と梁などの骨組みを作り、金具補強をしながら建てていきます。
メリット
・構造上の制約が少なく、様々な間取りに対応できる
・土地の形状を選ばない
・増改築等のリフォームに柔軟に対応できる
・施工できる業者が豊富
デメリット
・高気密で湿気により木が腐食することがある
・間口が広いなどの特殊な設計には不向き
・職人などによって品質にバラつきが生じやすい
■ツーバイフォー工法のメリットデメリット
ツーバイフォー工法は、北米で発祥した工法で、面で支える構造となっており地震に強く、日本でも広く採用されるようになった建築手法です。ツーバイフォーの木材で組んだ枠に合板を張って、それを壁として建てていきます。
メリット
・耐震性が高い
・気密性、断熱性、防火性が高い
・品質が安定しやすく、工期も比較的短い
デメリット
・面で構成するため、間取りの自由度が低い
・リフォームで間取り変更などがしにくい
・開口部を大きくしにくい
・内部結露が起きやすい
現場でのチェックポイント
現場監督が現場でどのような工程で注意してチェックしているのかについてご紹介いたします。
在来工法、ツーバイフォー工法でのそれぞれについて金物の扱い方を主に記載していきます。
・在来工法でのチェックポイント
・ツーバイフォー工法でのチェックポイント
と順にまとめます。
■在来工法でのチェックポイント
構造材の確認
柱・土台・梁といった構造材に、穴や欠き込み(一部が削られた状態)がないかの確認を行います。構造材に異常があれば、その建造物は耐久性が下がってしまいますので、放置していてはいけません。
このような問題が生じていた場合には、新しい部材に変更するか、補強を施す必要があります。なぜ施工していてこのようなことが起きるかというと、配管関係などで設計段階で無理がある場合、現場で職人がうまく合わせられるように構造材を削ってしまいます。職人はこうしないと仕事が進まないから、設計書通りに進めるしかないと判断して行います。
現場監督は、このようにならないように事前に施工図と現場で整合性が取れていない点はないかを随時チェックする必要があります。また、職人とうまくコミュニケーションを取り、このような問題が起きないようにすること、問題が起きた時にスムーズに対処方法を職人に実行してもらう必要があります。
金物の確認
木造建築は、木材だけで建てられているわけではなく、金物を使用しなければいけないということが建築基準法で定められています。地震で倒壊した家屋の調査から、耐震基準が改正されており、金物の取り付けによって大きく耐震性が向上できることから義務付けられています。
金物は、土台と基礎をつなぐ「アンカーボルト」、筋交と柱をつなぐ「筋交プレート」など、さまざま使われています。これらが正しく接合できているかを確認します。大工工事の技術はあっても、耐震構造などに詳しい大工ばかりではありません。そのため間違った金物の使い方をしている場合もあります。しっかりと現場監督がチェックする必要があります。
金物が接触している箇所があれば、接触しない特殊な金物に変更したりします。金物を取り付ける際に、斜めになっていたり、隙間がある取り付け方では全く耐震性向上に寄与しない場合もあるので、現場監督が正しい知識を身につけておくことが必要です。
■ツーバイフォー工法でのチェックポイント
釘の留めつけ
壁で構造を形成するツーバイフォー工法では、木枠に合板をクギで打ちつけています。この釘の留めつけについてチェックする必要があります。在来工法では、ビスなどを用いています。
合板を木枠に取り付ける際に、外周部は100mm、中間部は200mm間隔で打ちます。このような決められた間隔で取り付けを行わないと、耐震性能を担保できません。
釘の長さも500mmのものを使います。職人が足りないからと言って、他の短い釘を使っていないか、釘打ちのピッチも問題ないか確認しましょう。
工場でユニットを作る場合
ツーバーフォー工法の場合、木枠に合板を打つ作業を向上で行ってしまうメーカーもあります。現場で作業するより機械で全て済ませてからの方が、品質・工期・コストにおいて有利な点が多いからです。
このような場合には、納品物が問題なく釘打ちされているか、その取り付け方法に問題がないかの確認をしていきます。