建設業に携わっていくなかで、関連する国家資格は非常に多くあります。
「測量士」もそのひとつであり、さらには仕事範囲が異なる「測量士補」という資格も存在します。
また、同じ測量を行う「土地家屋調査士」という資格などもありますが、これらがどのような違いがあるのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、国家資格である「測量士・測量士補」を取得するとできる仕事について、そして「土地家屋調査士」との違いなどもご紹介したいと思います。
【測量士・測量士補】の仕事内容について
測量士のおもな仕事とは、建設工事を行う土地の位置や面積などを測量することです。
建設工事を行う際には必ず測量が必要となり、測量データに基づいて設計図面が作成されます。
「測量法」では、「基本測量」や「公共測量」に技術者として従事する場合は、登録された測量士、または測量士補でなければならないことが定められています。
なお「基本測量」および「公共測量」とは、以下のことです。
- 基本測量:すべての測量の基礎となる測量
- 公共測量:国または地方公共団体が実施する測量
■測量士の仕事内容
測量士は、測量に関する計画を作製し、現場で技術者として測量業務を行います。
測量の仕事は、あらゆる建設工事のベースとなることから、きわめてニーズの高い仕事になります。
住宅などの民間工事を始め、道路やトンネル、ダムなど公共工事の測量も行いますが、いずれにせよ測量は測量士の独占業務となる点が大きな特徴です。
■測量士補の仕事内容
測量士補は、測量士の作製した計画をもとに測量業務を行います。
測量士と測量士補の違いとは、測量計画が作製できるかどうかという点です。
測量士には測量業務における制限がないことに対し、測量士補の業務はあくまでも測量士のつくる計画に則ったものになります。
【測量士・測量士補】のなり方とは?
測量士や測量士補になるには、国家資格を取得し、国土交通省の管轄行政機関である国土地理院に免許を登録する必要があります。
そして、測量士および測量士補の資格を取得するにはいくつかの方法があります。
測量士と測量士補の資格所得方法について、それぞれご紹介いたします。
■測量士資格を取得する方法
測量士資格は以下の4つのうち、いずれかを満たすことで取得できます。
- 文部科学大臣の認定大学、短期大学、高等専門学校で測量に関する科目を修めて卒業し、測量に関する必要な実務経験を得る(大学で1年以上、短期大学、高等専門学校で3年以上)
- 国土交通大臣の登録を受けた測量に関する養成施設で1年以上専門知識と技能を修得し、測量に関する2年以上の実務経験を得る)
- 測量士補で、国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設で専門知識と技能を修得する
- 国土地理院が行う測量士試験に合格する
■測量士補資格を取得する方法
測量士補資格は以下の3つのうち、いずれかを満たすことで取得できます。
- 文部科学大臣の認定大学、短期大学、高等専門学校で測量に関する科目を修めて卒業する
- 国土交通大臣の登録を受けた測量に関する養成施設で1年以上専門知識と技能を修得する
- 国土地理院が行う測量士試験に合格する
【測量士・測量士補】土地家屋調査士との違い
測量士と同様、土地の測量を行う仕事に土地家屋調査士があります。
これらは測量を行うという共通点があるものの、仕事内容はまったく異なる点では注意が必要です。
測量士と土地家屋調査士はどのような違いがあるのか、解説いたします。
■土地家屋調査士とは
土地家屋調査士とは、不動産登記に関する専門家です。
おもな仕事は、土地や建物について測量および調査をすることで境界を明らかにし、登記の手続きを行います。
また、国家資格となる土地家屋調査士は法務省が管轄しますが、測量士は国土交通省の管轄となります
■測量士と土地家屋調査士の違いは登記ができるかどうか
測量士と土地家屋調査士の仕事の違いとは、登記ができるかどうかという点です。
測量士は登記ができないうえ、登記を目的とする測量もできません。
一方、土地家屋調査士は登記ができますが、登記をしない測量はできません。
つまり、登記を目的とするのかどうかという点が、測量士と土地家屋調査士の行う測量の違いというわけです。
まとめ
測量士および測量士補は、すべての建設工事のベースとなるうえ独占業務となることから、需要が高く将来性のある仕事といえます。
とくに国家資格となることから、一度取得すると生涯にわたって生活の基盤になることは間違いないでしょう。
また、活躍の場を広げるなら、同じ測量を行う土地家屋調査士の資格についても取得を検討してみはいかがでしょうか。
※この記事はリバイバル記事です。