住宅の工事現場には、多くの業者がそれぞれ担当する専門工事を行っています。
実際に施工するのは、いわゆる「職人」と呼ばれる人たちであり、その仕事はそのまま工事の品質に影響するなど、最も重要なカギを握っているといっても過言ではありません。
当然ですが、現場監督はコミュニケーションをとりながら、工事を工期内に完成へと導く必要があります。
とはいえ「職人」にもさまざまなタイプの人が存在するため、いつも順調に進むのかといえばそういうわけにもいきません。
そこで本記事では、住宅の現場監督が「職人」たちとうまくコミュニケーションをとるコツについてご紹介したいと思います。
現場監督が職人とうまくコミュニケーションをとる3つのコツ
現場監督が職人とうまくコミュニケーションをとるうえで、とくに重要な3つのコツについてご紹介したいと思います。
その3つのコツとは以下の通りです。
- 約束を守る
- リスペクトの気持ちを持つ
- なれ合いの関係にならない
■約束を守る
まずは約束を守るということです。
この点は、現場監督と職人でなくても、信頼関係を構築するためには基本中の基本となります。
例えば、待ち合わせの時間を約束していて遅れて到着したり、また必要な材料を○○までに納入すると約束していて入らなかったりすることなどです。
うっかりといったミスもあるため誠意を持って謝罪すれば許してもらえると思われますが、何度も続くようなら信頼関係の構築は難しいでしょう。
また、追加工事など仕事に対する正当な報酬が支払われないケースがあると、困ったことがあっても助けてもらえない可能性があります。
予算がない場合などは、事前に根回しをしておくことも重要です。
■リスペクトの気持ちを持つ
職人は工事のプロであり、その多くはプライドを持って仕事に向き合っているため、現場監督としてもリスペクトの気持ちを持って接することが重要になります。
職人としてのプライドを最大限尊重し、あくまでも対等の立場としてコミュニケーションをとることが重要です。
また実際の現場では、細かな納まりなどは職人のほうが熟知しており、現場監督が教えてもらうことも多くなります。
発注会社と請負会社という立場の違いはありますが、仕事以前にひとりの人間として良好な関係を築けるのかということはポイントとなります。
けして上から目線ではなく言葉遣いに気を付けること、学ぶ姿勢を見せること、そしてやってもらった仕事に対して感謝の気持ちを表すことなどが重要になるでしょう。
■なれ合いの関係にならない
現場監督は、職人とうまくコミュニケーションをとりながら工事を完成へと導かなければなりませんが、けしてなれ合いの関係になってはいけません。
というのも、なれ合いのまま工事が進行すると現場監督の重要な業務である安全管理や品質管理などに支障が生じる可能性があるためです。
なれ合うとは、例えば現場で危険行為をしている職人を見て見ぬふりをしたり、あるいは細かな納まりが十分ではなくても妥協したりすることなどが挙げられます。
これらのように、やるべきことが疎かになると、労災事故や引き渡し後のクレームといった事態が起こり、本来ならする必要のないムダな業務が発生してしまうかもしれません。
万が一そうなると、現場監督としての責任を追及されることになり、施主や会社内などあらゆる方面から評価は下がってしまうでしょう。
コミュニケーションをとりながら職人との信頼関係を構築することは重要ですが、なれ合いの関係ではどこかでほころびが生じる可能性があります。
いうべきことはいう、守るべきことは守るといった、超えてはならない一線は必ず守るよう心がけましょう。
まとめ
現場監督の仕事は、建築物の品質を維持しながら工期までに終わらせるということですが、それには必ず職人たちの協力を得なければなりません。
そのためにもコミュニケーションをとり信頼関係を構築していくことが重要であり、また現場監督として必要となるスキルでもあります。
スキルの習得には時間はかかるかもしれませんが、意識して取り組むようにしましょう。
※この記事はリバイバル記事です。