【豆知識】建設と建築の違いとは?

【豆知識】建設と建築の違いとは?

「建設」と「建築」には異なる意味があることをご存知でしょうか? これらは同じものとして使われるケースも多くありますが、そのことでなにか問題が発生するかかといえばそんなことはありません。 とはいえ、建設業界での転職を目指すのであれば、知識のひとつとして知っておいたほうがよいでしょう。 そこで本記事では、「建設」と「建築」の違いについてご紹介したいと思います。


「建設」と「建築」には異なる意味があることをご存知でしょうか?
これらは同じものとして使われるケースも多くありますが、そのことでなにか問題が発生するかかといえばそんなことはありません。

とはいえ、建設業界での転職を目指すのであれば、知識のひとつとして知っておいたほうがよいでしょう。
そこで本記事では、「建設」と「建築」の違いについてご紹介したいと思います。

建設と建築の違いとは?

「建設」と「建築」の違いを簡単に解説すると、「建築」とは地面よりも上の工事、そして「建設」とは地面の上と下の両方の工事のことをいいます。
ある建物を建てるときの工事は、大きく建築工事と土木工事に分けられます。

これらを分ける明確な定義はありませんが、地面の上の工事であれば建築工事、また地面の下の工事であれば土木工事と区別することが一般的です。
以上をまとめると下の図のようになりますが、要するに、建築工事と土木工事の両方をまとめたものが建設工事ということです。

建設と建築の違い

建築工事とは?

建設工事のうち、地面の上の工事である、おもに建物をつくるための工事のことを一般的に建築工事と呼びます。
なお、設計や施工管理などの行為も建築工事に含まれます。

また、建築工事に関わる基準を定めた法律が「建築基準法」です。
「建築基準法」には、建築物をつくるときの必ず守らなければならない最低基準が定められています。

建築物の設計をするのは「建築士」

建築物をつくるときには、建築基準法に則って設計が行われなければならないため、国家資格「建築士」が必要となります。
「建築士」には「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」の3種類があり、これら資格は一定の条件を満たし、試験に合格することで取得が可能です。

なお、建築士資格に関する詳しい内容は「【建築士法改正】建築士を取得するための受験資格とは?」の記事で詳しく解説しています。

建築物の施工管理に有利なのは「建築施工管理技士

建築物の工事を適切に進めるには施工管理者の存在が必要となります。
「施工管理技士」には7つの種類が存在し、なかでも建築物の施工管理をするうえで有利な資格となるのが「建築施工管理技士」です。

施工管理の仕事をするうえで必ずしも資格が必要ではありませんが、キャリアアップを図るためにも必ず目指したいのは「施工管理技士」といえるでしょう。
というのも、工事現場では施工の技術上の管理を行う「主任技術者」や「監理技術者」などの技術者を配置しなくてはならないことが定められているためです。

これら技術者になるためにはいくつかの条件がありますが、そのひとつに「施工管理技士」を有していることとあります。
よって、施工管理の仕事で活躍したいなら取得を目指すべき資格といえるのです。
なお、「施工管理技士」には7つの種類のそれぞれに「一級」と「二級」があります。

建設工事とは?

建設工事とは、建築工事と土木工事の両方をまとめたものです。
また、建設工事に携わる業者のことを定めた法律に「建設業法」があります。
「建設業法」には建設業者の定義が定められていますが、簡単にまとめると以下の通りになります。

  • 建設業者とは建設工事の種類ごとに定められている許可を受けて建設業を営むもの

そして建設業許可の業種には、2種類の一式工事と27種類の専門工事からなる29種類の区分があります。

2種類の一式工事

一式工事には、建設工事を総合的に企画や指導、調整する工事として以下の2種類が定められています。

  • 土木一式工事業
  • 建築一式工事業

これら一式工事は、その他の27種類の専門工事を複数組み合わせるような比較的規模大きな工事を行う業種となります。
また、その他の専門工事を単独で請け負う必要がある場合は、該当する専門工事業の許可を受けることになります。

27種類の専門工事

ひとつの建設工事では多くの専門工事があり、それぞれを担当する専門工事業者が実際の施工を行っています。
また、専門工事には27種類があり、500万円以上の建設工事を請け負う場合には、原則として建設業許可の取得が必要となります。
27種類の専門工事とは以下の通りです。

  • 大工工事業
  • 左官工事業
  • とび・土工工事業
  • 石工事業
  • 屋根工事業
  • 電気工事業
  • 管工事業
  • タイル・レンガ工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 鉄筋工事業
  • 舗装工事業
  • しゅんせつ工事業
  • 板金工事業
  • ガラス工事業
  • 塗装工事業
  • 防水工事業
  • 内装仕上工事業
  • 機械器具設置工事業
  • 熱絶縁工事業
  • 電気通信工事業
  • 造園工事業
  • さく井工事業
  • 建具工事業
  • 水道施設工事業
  • 消防施設工事業
  • 清掃施設工事業
  • 解体工事業

まとめ

建設と建築は混同して使用されることもありますが、その意味はまったく異なるものです。
転職して建設業界での活躍を目指しているなら、知識として蓄えておくとよいでしょう。
参考にしていただけると幸いです。



※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


転職 新築工事

関連する投稿


【志望動機】住宅業界への転職を成功させよう!具体的な例まとめ

【志望動機】住宅業界への転職を成功させよう!具体的な例まとめ

 住宅業界への転職の際、志望動機をどう書けば良いのか、採用されるためにはどのように書けば良いのか、ネットで調べてみても、自分の体験がいまいち無いという方も多いかと思います。そこで、ありきたりな定型分のようにならずに自分の良さをアピールし、選考通過する確率の高い志望動機を伝えられるようヒントをお伝えいたします!


大工になるにはどうすればよい?必要な資格や仕事内容は?

大工になるにはどうすればよい?必要な資格や仕事内容は?

住宅建築の施工において中心となる職種といえば「大工」です。 とくに完成品質に最も大きな影響を与えるのは「大工」の技術といっても過言ではありません。 また現場監督も「大工」と調整しないとスムーズな進行は難しいことからも、現場での存在は非常に大きいといえるでしょう。 では、「大工」にはどうすればなれるのでしょうか? また、「大工」になるために何らかの資格が必要なのでしょうか? そこで本記事では、「大工」になるにはどうすればよいのか、また資格は必要なのか、そしておもな仕事内容についてなどをご紹介したいと思います。


【転職活動の基礎知識】自己都合退職と会社都合退職の違いとは?

【転職活動の基礎知識】自己都合退職と会社都合退職の違いとは?

会社と退職するときには、大きく「自己都合退職」と「会社都合退職」の2つの種類に分けられます。 これらの違いはおもに退職理由になりますが、どちらで退職するかによって失業給付の取り扱いや転職活動に影響を及ぼしかねない点で注意が必要です。 また、この違いを知っておくだけで退職後の活動が有利になる可能性もあることから、損をしないためにも理解しておくとよいでしょう。 そこで本記事では、「自己都合退職」と「会社都合退職」の違いについて深掘りしてみたいと思います。


【転職活動の基礎知識】退職するときの手続きの流れを解説

【転職活動の基礎知識】退職するときの手続きの流れを解説

転職活動をするときに避けて通れないのは、やらなくてはならない退職に向けた面倒な手続きです。 しかも、退職を決意して転職にいたるまでの時間は限られます。 そのため、スケジュールを決め計画的に実行してくことが重要なポイントです。 そこで本記事では、転職活動における退職するときの手続きの流れについて、詳しく解説していきたいと思います。


建築模型士とは?仕事内容やなる方法は?

建築模型士とは?仕事内容やなる方法は?

住宅業界には多くの業種が存在します。 それらのなかで「建築模型士」という仕事がありますが、「どのような仕事なのかよくわからない」、あるいは「どうすればなれるの?」など疑問に思う人も多いようです。 「建築模型士」とは、その名の通り建築物のミニチュア模型をつくる人のこといいます。 では、具体的にどのような仕事で、またどのような方法でなれるのでしょうか? そこで本記事では、「建築模型士」の仕事内容やなるための方法について詳しく解説したいと思います。


最新の投稿


住宅営業で、無理をしすぎず、長く働くコツ

住宅営業で、無理をしすぎず、長く働くコツ

 住宅営業はお客様に数千万円のお買い物をしていただき、様々な提案を行い、お客様と一緒に住宅を作り上げていく責任感のある仕事です。そしてお客様からも満足していただいたときには感謝してもらえる非常にやりがいのある仕事です。しかし、営業職は売上を上げなければいけないというプレッシャーから長続きすることが比較的難しく、離職率の高い職種でもあります。そこで、無理をしすぎず長く働くコツについてご紹介致します。


【志望動機】住宅業界への転職を成功させよう!具体的な例まとめ

【志望動機】住宅業界への転職を成功させよう!具体的な例まとめ

 住宅業界への転職の際、志望動機をどう書けば良いのか、採用されるためにはどのように書けば良いのか、ネットで調べてみても、自分の体験がいまいち無いという方も多いかと思います。そこで、ありきたりな定型分のようにならずに自分の良さをアピールし、選考通過する確率の高い志望動機を伝えられるようヒントをお伝えいたします!


住宅営業で信頼されるために身につけたい知識まとめ

住宅営業で信頼されるために身につけたい知識まとめ

 住宅営業では、営業としての行動量を多くしながらも、お客様一人一人に対して数千万円の取引をするために丁寧な接客が求められます。また、丁寧なだけでなく、お客様から信頼されなければ大きな金額の契約をいただくことは難しいです。信頼されるためには、住宅に関する知識を蓄え、お客様に安心感や満足感を与えることが必要です。この記事では、住宅営業が身につけておくべき知識についてご紹介致します。


大工になるにはどうすればよい?必要な資格や仕事内容は?

大工になるにはどうすればよい?必要な資格や仕事内容は?

住宅建築の施工において中心となる職種といえば「大工」です。 とくに完成品質に最も大きな影響を与えるのは「大工」の技術といっても過言ではありません。 また現場監督も「大工」と調整しないとスムーズな進行は難しいことからも、現場での存在は非常に大きいといえるでしょう。 では、「大工」にはどうすればなれるのでしょうか? また、「大工」になるために何らかの資格が必要なのでしょうか? そこで本記事では、「大工」になるにはどうすればよいのか、また資格は必要なのか、そしておもな仕事内容についてなどをご紹介したいと思います。


お客様と信頼関係を築ける住宅営業マンの特徴まとめ

お客様と信頼関係を築ける住宅営業マンの特徴まとめ

 営業マンにとってお客様と信頼関係を築くことが目的でありながら、その方法は曖昧なもので新人営業マンにとって非常に難しいニュアンスのものです。お客様を友達に対してするようなサービスを提供するなどの例えを聞いたこともあるかと思います。しかし、具体的に初めて会ったお客様に対して何をどうしたら良いのかわからないのではないでしょうか。この記事では少しでも信頼関係を築くための参考になれば幸いです。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 建設 転職 職人 営業 風水 現場監理