住宅に設置されている設備には多くの種類がありますが、なかでも、毎日使用する場所であるトイレはできるだけ快適な環境で使いたいものです。
とくに近年では、トイレの便器にさまざまな機能が搭載されており、従来のものと比べても多くの恩恵を受けられるようになりました。
そのため、「どのタイプを選択するのか」という点が重要なテーマのひとつとなっています。
そこで本記事では、トイレの便器について、おもな種類や特徴などを詳しく解説したいと思います。
トイレの便器の種類とは
トイレの便器は、採用する種類によって、使い勝手やコスト、空間デザインなど、さまざまな要素で違いが見られます。
よって、トイレという限られた空間のなかで、どのタイプを選択するのか、慎重に見ていくことが重要になるのです。
トイレの便器は、以下の通り大きく3種類に分かれます。
- 組み合わせ便器
- 一体型トイレ
- タンクレストイレ
■組み合わせ便器
「組み合わせ便器」とは、便座と便器、そしてタンクを組み合わせるタイプのトイレです。
これまで最も多く使われてきた種類であり、また3種類のなかでもコストが安く設定されているタイプになります。
組み合わせの内容によって使い勝手が変わるため、それぞれの特徴などを検討することがポイントとなります。
メリット
それぞれのパーツが独立していることで、故障があった場合でも簡単に交換が行えます。
タンクがあるため、水圧が低い環境でも快適に使えます。
デメリット
パーツごとの継ぎ目が生じることで、汚れが付着して掃除がしにくい場合があります。
■一体型トイレ
「一体型トイレ」とは、便座と便器、そしてタンクのすべてが一体となっているタイプのトイレです。
タンクは、上部に手洗い器の有無を選択できます。
すべてが一体となっているため、「組み合わせ便器」よりもコンパクトに納まり、空間を広く使えるようになります。
メリット
パーツごとの継ぎ目が少ないため、汚れが付着しても掃除が楽に行えます。
タンクがあるため、水圧が低い環境でも快適に使えます。
デメリット
一体となっているため、故障があった場合は便器をまるごと交換しなくてはならない場合があります。
■タンクレストイレ
「タンクレストイレ」とは、便座と便器のみでタンクのないタイプのトイレです。
「一体型トイレ」よりもさらにコンパクトに納まるため、広々とした空間を有効活用することも可能となります。
また、外観もスタイリッシュなデザインであることから、おしゃれな雰囲気を演出するには非常に適しています。
メリット
継ぎ目が少なく汚れが付着しにくくなっており、また空間が広く確保できるため、他の種類よりも掃除が行いやすくなっています。
タンクを経由せず水道と直結していることから、連続して流せます。
デメリット
手洗い器は付かないため、状況に応じて別途設置が必要となります。
「一体型トイレ」と同様に、故障があった場合は便器をまるごと交換しなくてはならない場合があります。
トイレの便器のその他機能について
トイレの便器には、種類によってさまざまな機能が搭載されており、付加することで、より快適性を高められます。
どのような機能があるのか、簡単にご紹介いたします。
■節水機能
1回に使用する水の量を減らす節水機能を付加することで、水道コストの削減が期待できます。
最新の便器では、従来のものと比べて1/3程度の節水効果があるとされています。
■節電機能
暖房便座や温水シャワーなど、これらを使用するには必ず電気を消費しますが、快適性を得るうえで欠かせない機能となっています。
トイレを使用しない時間帯を記憶してオフモードにするなど、省エネ機能が搭載されているものは、大きな節電効果が期待できます。
■除菌機能
自動洗浄機能や自動消臭機能、あるいはノズル洗浄機能などを搭載することで、あらゆる角度から除菌効果が期待できます。
また、便器の素材そのものが防汚性に優れていたり、ふち加工やリフトアップなどで掃除をしやすくしたりするような機能もあります。
■便座の自動開閉機能
便器に近づくと、センサーによって便座を自動で開閉したり、または暖めたりする機能があります。
高齢者などは、自動開閉機能により、開閉時の腰への負担も軽減できます。
■夜間照明機能
便器に近づくと、センサーによって便器に搭載している照明が点灯し、位置を知らせてくれます。
まとめ
トイレの便器は、「組み合わせ便器」「一体型トイレ」「タンクレストイレ」の大きく3つの種類があります。
また、便座にも、さまざまな機能を搭載したものが多く登場しているなど、各メーカーの技術力やアイデアが大いに発揮されています。
快適な時間を過ごすうえで欠かせないトイレの便器は、今後も注目です。