CADとは
CADは、Computer Aided Designで、「コンピューター支援設計」と訳されます。手書きで図面を引いていましたが、PCで比較的簡単に修正も容易にしたものです。CADは、建築業界だけで使われているわけではなく、製造業などでも商品設計のために幅広く使用されています。
図面が各人によって、線の太さや書き方に癖があり、それによってミスも起こり得ます。しかしPCで画一的に処理が可能なことはモノづくりにおいて非常にメリットが大きいと言えます。そのためCADは1960年に開発され、改良されながら現代まで長く使用されているツールです。
■2D CAD、3D CADの違い
2D CADは、2次元の図面を書くもので、3D CADは3次元の図面を書くことができるものです。3D CADはより立体的なイメージを共有することができます。しかし、3D CADを作成するためのソフト、人件費のコストもかかり、導入していない企業も多いです。
CADソフトには、いくつかの種類があります。
AutoCAD
Revit
ARCHICAD
VectorWorks
Jw-CAD
などが利用されています。
CADの進化版!?BIMとは
BIMは、Building Information Modelingの略で、大規模建築専用に用いられるものです。
CADと違うところは、3次元の図面であり、各部材などの情報が全て含まれているということです。部材の商品名、材質、耐久度、コストなどの情報を集約しています。建築物全体のコストや耐久度、メンテナンスコスト、施工日数などの情報をこのデータで算出することができます。
大規模建築においてはBIMを使用することがマストになってきています。BIMを使用することで大幅な工期削減や、一部の設計変更があった際に全てのコスト計算などを瞬時に行うことが可能なため、効率化には不可欠なものです。建築プロジェクト自体全てをコントロールすることが可能になるツールとして、世界中で使用されています。
専門職はCADオペレーター
CADオペレーターは、CAD図を書くプロフェッショナルです。建築業界であれば、必要な図面をCADオペレーターが指示に沿って作成します。
建築の専門家がなるというよりは、建築に興味がある女性などがCADオペレーターとして働いていることも多いです。平均年収としては300~400万円程度で、キャリアアップとしてインストラクターになったり、BIMオペレーターとして活躍される方もいます。
■CADオペレーターの資格
CADオペレーターになるために資格は必要ありませんが、転職においては資格を所有している方が有利になります。
・CAD利用技術者検定
一般社団法人コンピュータ教育振興協会が行っている検定で、2次元と3次元のCADでそれぞれ検定があります。
2次元CAD利用技術者検定は、1級と2級があり、2級に合格していることが1級受験資格となります。1級は、トレース、建築、機械の3種類のコースがあり、それぞれの試験内容で資格称号が変わります。
3次元CAD利用技術者検定は、1級と準1級と2級があり、2級に合格することが1級と準1級受験資格となります。
・建築CAD検定
一般社団法人 全国建築CAD連盟が行っている検定で准1級、2級、3級、4級で構成されています。建築一般図を書く、建築図面を正しくトレースするなどの実務能力も問われる試験となっています。
・オートデスク認定資格プログラム
CADソフトであるAutoCADなどを開発しているAutodesk社が行っている資格試験です。全世界で20万人以上が、この資格を取得しているようです。
・CAD実務キャリア認定制度
一般社団法人 コステックエデュケーションが行っている認定試験です。TCADs、3次元CADトレーサー認定試験、3次元CADアドミニストレーター認定試験、CADアドミニストレーター認定試験という種類があります。
CADオペレーターの需要
CADオペレーターは、建築会社で働いてる人が取る資格というイメージがあるかもしれません。もちろんそれもあるのですが、図面作成は外注するといった工務店などは実は多いです。小さい会社の場合、自社だけで、CAD図を書く人と常駐させるほど仕事があるわけではありません(1ヶ月に何軒も設計するわけではないため)。
そのため、CADオペレーターを単発の仕事として依頼するという会社も多く、業務委託を請け負っているCAD作成会社もあります。
CADは必ず建築設計を行う上で必要なものであり、専門スキルであるため需要は一定以上あります。スキルとして身につけておいて損はないでしょう。