築年数が20年以上超えている場合の注意
中古住宅で特に注意すべきなのは、築年数です。建築基準法が改正されており、昔の基準のまま建っている住宅は耐震面・性能面でかなり劣っている場合があります。
おおよそ20年以上経っている住宅については、なにかしらの問題がある可能性があると考えておきましょう。例えハウスメーカーの施工であっても同様です。ハウスメーカーだからと言って、問題が無いかというと実はそうではありません。
以下のポイントについてご紹介いたします。
・立地条件のポイント
・構造種類のポイント
・改築・増築している場合のポイント
■立地条件のポイント
立地条件は、新築でももちろん重要ですが、中古住宅ならではの注意ポイントがいくつかあります。まず隣地との高低差があり、崖、よう壁が危険でないかです。よう壁が脆弱であり、吐瀉崩れの危険性がある場合は、雨水がどっと流れてくるようなところは、住んでいる上でも問題があります。
接している道路の幅も重要です。昔の住宅は、道路幅が狭いところでも住宅を建てていましたが、基本的には4m以上の道路が望ましいです。交通量であったり、他の住宅の車との行き来についても注意しましょう。
■構造種類のポイント
住宅の構造には種類があります。木造在来工法、ツーバイフォー工法、鉄骨造、軽量鉄骨造などです。これらの住宅の場合、木造在来工法以外はほとんどリフォームによる間取り変更や耐震補強などが難しいと考えておきましょう。
また、耐震補強をする場合にも工事が大掛かりなものが多く、住宅全体の耐震補強には300万円以上かかることもあります。それであれば、300万円を解体費用に当てて、新築住宅を建てた方が性能面や耐久性においてコストパフォーマンスが良い場合もあります。
■劣化度合いのポイント
劣化が激しい住宅はもちろん避けたいですが、一見して綺麗そうに見える住宅は判断が難しいです。
屋根・外壁が劣化している場合には、住宅内部も劣化していることがほとんどです。中古住宅に売りに出す前に、何年間劣化した状態で放置されていたかが重要になります。そのため、売りに出される際には塗装をされていることが多く、お客様からはどれだけ劣化状態が続いていたのかわからない場合があります。塗装歴などを調べておくことは、買主を安心させる一つの材料になります。
また、住宅がカビ臭い匂いがするところも注意が必要です。住宅内部の構造が劣化していることが多いです。中古住宅は、内部を点検することはほとんど行わないため、できれば床下点検や屋根裏点検を行うべきです。これらも営業から売主に提案することで、どれだけ物件を早く売れるかにも影響します。
■改築・増築している場合のポイント
改築・増築というのは、近年は行われていませんが築30~50年ほどの住宅では多くされていた方法です。これらは違法建築となってしまっていたり、増築部分から雨漏りの可能性が高くなっています。
お客様は増築により、単純に住宅が広くなっていると考えてしまいますが、住宅としては危険な部分であるという認識をプロは持っておきましょう。
お得な中古住宅とは?検査済証、図面があるか
築年数が浅い住宅はもちろん、新築で建てるより安くなっている場合がほとんどですのでお得です。また、検査済証・図面などが残っている住宅は、リノベーションを行う上で有利な面が多くお得と言えます。
築20~30年ほどの住宅は、リノベーションを行うことで最新の断熱性能や耐震性能を持たせることができる可能性が多いです。その上、販売価格は土地台だけということもあるので非常にお得であると言えるかもしれません。
まとめ
中古住宅の注意点について、
・立地条件のポイント
・構造種類のポイント
・改築・増築している場合のポイント
をご紹介いたしました。
築20年以上の中古住宅は、耐震性能・断熱性能などが例え大手メーカーであっても、最新の建築基準法に則っていないものが多いです。そのため、危険な部分がある場合もあるため慎重になる必要があります。また、劣化状況について住宅内部を見ることがほとんどないため、プロが検査を行う必要もあります。
売主・買主どちらにとっても、メリットがある売買を行えるように営業は適切な知識を身につけましょう。