【転職者・従事者向け】今さら聞けない戸建て住宅の建て方をわかりやすく解説

【転職者・従事者向け】今さら聞けない戸建て住宅の建て方をわかりやすく解説

 住宅営業や不動産、建材メーカーにお勤めの方でも、意外に戸建て住宅がどのような工事で進み、どのような工程で進んでいくのか知らないという方もいらっしゃいます。意外かもしれませんが、営業も不動産屋も実際に工事部でない限り業務に影響しないことの方がほとんどです。しかし、業界にいながら戸建て住宅の建て方を知らないのはもったいないです。そこで、簡単に建築の勉強をしてこなかった方でもわかりやすくご説明いたします。


戸建て住宅の施工の流れ

 まずは流れをご説明します。
↓地鎮祭
↓測量
↓土地の準備工事(地盤改良など)
↓基礎工事
↓土台工事
↓建て方(柱、梁などの)もしくは建込み(ツーバイ工法)
↓躯体工事(金具で躯体を補強)*躯体とは、柱などの構造材のこと
↓屋根工事
↓外装工事
↓内装工事
↓設備工事
↓完成

 工法により細かい点で前後したり違いところがありますが、ほとんどがこのように進みます。まずはこの流れを把握しておけば、一つ一つの工程について理解がしやすいです。順序立てて書いてしまえば、なんとなく分かると思うのですが、実はこの工程にたくさんの業者が介しています。測量を行う業者、地盤改良を行う業者、基礎工事を行う業者、土台から建て方、躯体工事などは大工、屋根工事は板金屋、外装工事を行う業者、内装工事を行う業者、そしてそれぞれの業者もまた個人の職人などに委託などしている場合もありとても多くの業者が関わります。それだけ住宅の

地鎮祭、測量

 地鎮祭で工事が無事に終了することを祈願します(任意)。注文住宅では行う方が多いようですが、建て替えや分譲住宅などは省いてしまうことも多くなってきているようです。

 測量は、土地の正確な位置、面積を図るものです。土地は全て正確に区切られているものではないのか?と思うかもしれませんが、正確ではないことも多いです。登記されていても間違っていることがあります(もしくは決まっていない)。隣地との境界線などもハッキリとしておらず、改界杭などを打つ必要があることもあります(任意)。

土地の準備工事、地盤改良

準備工事では、草木の伐採などを行います。次に遣り方(やりかた)といって、建物の位置・高さを決めていきます。その後土地の地盤が弱く、地盤改良が必要な場合には、柱状改良工法などを行います。柱状改良工法とは、円柱状に地盤を固めた改良杭によって、基礎を支える工法です。直径60cmほどの穴を開け、良好な地盤まで掘り進めます。そこにセメントを土と混ぜ円柱状の硬い地盤を確保します。
地盤がどのような状態かわからないときには、ボーリング試験などを行い地盤調査から行う必要ます。

基礎工事

ここまでで1ヶ月〜2ヶ月かかることもあります。住宅の建設は目に見えない土台の部分の工事が非常に重要です。ここまでで建物の土台を作る準備ができました。

 基礎工事が始まります。根掘りといって、地盤改良などを行った土地を掘っていき、砂利を敷き詰めます。この際、ガス工事なども一緒に行い、整地します。地盤改良の後に行うのは、土を掘った後に重機を入れることが難しくなるためです。

 防湿シートを敷くことにより、地面からの湿気を防ぎ、捨てコンクリートと呼ばれるコンクリートを流し、地面を平らにします。平らにしたことで、基準線というどこに基礎を作っていくかを正確に示す目安を引いていきます。次に、鉄筋を敷き詰めていきます。そして型枠(木材)を設置して、基礎の型を取り、コンクリートを流していきます。ここまでで基礎コンクリートの出来上がりです。

土台工事、建て方、躯体工事

基礎の上に土台となる木材を設置していきます。基礎のコンクリートと土台はアンカーボルトと呼ばれる金具などで固定されていきます。この際に防蟻工事も行われ、土台の木に薬剤が散布されます。

 建て方で、柱、梁などの構造材を組み立てていきます。その後金具などで構造材を補強していきます。ツーバイ工法(パネルで組み立ていくような工法)ではクレーンを使って、柱と壁材が一緒になったパネルを組み立ていきます。ツーバイ工法は非常に施工スピードが速く、基礎しかなかった状態から3,4日間で屋根まで組み上がってしまいます。

屋根工事、外装工事

 屋根工事を行うことで、構造材などの雨によるダメージをなるべく防ぎます。屋根の工事では、野地板、防水ルーフィング、屋根材といった順に施工していきます。
 外装工事は、窓サッシを入れ込んでから、防水シートを打っていきます。サッシの外側に防水シートが来ることで雨水の侵入を防ぐことができます。

内装工事、設備工事

 電気、配管、水道工事などを行います。そして断熱材を入れ、石膏ボードなどの壁の下地材を張っていきます。内装仕上げとして、クロスなどを貼っていけば内装工事の完成になります。
 その後、キッチンやユニットバスなどの設備関係を設置していき、完成となります。(最後に外構工事を行うことで最終的に完成となります)

まとめ

 住宅の施工手順はいかがでしたでしょうか。非常に大雑把に書いてありますが、一つ一つの作業は細かく日数もかかり大変なものです。これらの細かい作業を知ることはなかなかないかもしれませんが、これだけの作業工程を知っておくだけで、工事現場などを見た際に、今何をやってるのかが大体わかるようになります。少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。



※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


転職 住宅 建て方

関連する投稿


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、建築士の資格を持っていることがほとんどです。しかし、資格を持っていれば完璧にデザインからディテールにこだわった施工まで、問題ない設計ができるかというとそうではありません。住宅設計士として、学ぶべきことは多く、自分1人で仕事を完結できるようになることはなかなか一筋縄ではいきません。技術を学び、盗むことが住宅設計士として一人前になるために必要なことです。この記事では、住宅設計士が何を学び、技術をどのように身につけていけば良いかご紹介いたいします。


住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士は、デザインをする上で、メールに設計図や写真を添付したり、細かい内容は電話をしたりとどちらも使う必要が出てきます。メールだけであれば簡単ですが、電話もしなければいけない状況が多くあります。それらについてどのような情報はメールで、何を電話にしなければいけないのか、判断がつきづらい事項も出てきます。この記事では、仕事をスムーズに進めるためにどのようにすべきかお勧めの方法をご紹介いたします。


住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士として新米の頃、報連相がうまくできていないと注意されたことがある方がほとんどではないでしょうか?住宅設計士にかかわらず、社会人として求められるスキルですが、実は報連相というものは難しいです。業務の全体の流れを把握し、どこが仕事の重要ポイントで、どこをミスしてはいけないのか、どこを確認すれば効率的なのか。これらについて、新人の頃は何も分からないため、ほとんど仕事になりません。この記事では、そんな新人住宅設計士がどのように報連相を行えば良いかを簡単にご説明いたします。


住宅営業の仕方でトラブルに!?クロージングを急ぎすぎてはいけない

住宅営業の仕方でトラブルに!?クロージングを急ぎすぎてはいけない

営業は月末になると、その月の売上をなんとしてでも作ろうとします。どの営業でもそうですが、この際にお客様にメリットになるクロージングトークをしかけます。しかし、このとき営業が急すぎ、後々の工事になった時にトラブルになってしまった経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、工事請負契約書を交わす際に注意しなければならない点についてご紹介いたします。


最新の投稿


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、建築士の資格を持っていることがほとんどです。しかし、資格を持っていれば完璧にデザインからディテールにこだわった施工まで、問題ない設計ができるかというとそうではありません。住宅設計士として、学ぶべきことは多く、自分1人で仕事を完結できるようになることはなかなか一筋縄ではいきません。技術を学び、盗むことが住宅設計士として一人前になるために必要なことです。この記事では、住宅設計士が何を学び、技術をどのように身につけていけば良いかご紹介いたいします。


住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士は、デザインをする上で、メールに設計図や写真を添付したり、細かい内容は電話をしたりとどちらも使う必要が出てきます。メールだけであれば簡単ですが、電話もしなければいけない状況が多くあります。それらについてどのような情報はメールで、何を電話にしなければいけないのか、判断がつきづらい事項も出てきます。この記事では、仕事をスムーズに進めるためにどのようにすべきかお勧めの方法をご紹介いたします。


住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士として新米の頃、報連相がうまくできていないと注意されたことがある方がほとんどではないでしょうか?住宅設計士にかかわらず、社会人として求められるスキルですが、実は報連相というものは難しいです。業務の全体の流れを把握し、どこが仕事の重要ポイントで、どこをミスしてはいけないのか、どこを確認すれば効率的なのか。これらについて、新人の頃は何も分からないため、ほとんど仕事になりません。この記事では、そんな新人住宅設計士がどのように報連相を行えば良いかを簡単にご説明いたします。


【働き方指南】新人住宅設計士は独立を目指して働こう!

【働き方指南】新人住宅設計士は独立を目指して働こう!

新人住宅設計士は、全く設計の仕事ができないと言っても過言ではありません。設計自体は先輩社員が基本的には行い、新人はそれの補佐から始まります。もっと設計に関わりたい!もっと案を出したい!と思っても、ほとんどできない状況が続くでしょう。小規模の設計事務所では、新人は電話対応やお客様対応などに時間を割かなければなりません。そこで、違う会社に転職しようとしたり、先輩の文句を言う前に、まずは自分が独立したときに困らない知識や経験を最低限つけてみましょう!


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 台風 現場監理 働き方改革 資格