住宅営業に入社した理由
まず、私が住宅営業に入社した理由は、単純に話すことが苦手ではなく、給与が他の職種よりも高かったため、魅力的に見えたからです。もちろん、住宅というものに興味はありましたし、お客様のためになる素晴らしい仕事だとも思いました。ただ、それは就職活動をしてから抱いた感情であり、あまり就活前には興味はあまりなく、やはり給与という面で一番惹かれたというのが正直なところです。
■会社の雰囲気
会社の雰囲気は、新卒であったためか同期とも仲が良く、みんな元気という感じでした。先輩や上司は厳しく、入社直後は優しかったですが、やはり仕事覚えが悪い同期などはかなり怒られたり、お客様に失礼なことをしてしまった方もいました。
私もお客様に対して失礼な行動をしてしまい、あやうく見込み客でなくなってしまうということもありました。会社の雰囲気は良くも悪くも、普通の会社という印象でした。何より、新卒なので、まずは仕事を早く覚え、営業として輝かしい成功を夢見ていました。
1年目は3棟売れた
1年目の営業活動では、運良く3棟売ることができました。もちろん知識なども不足しているため、先輩社員のフォローがあってなのですが、年間1棟しか売れない同期などもいたため、成績としては中くらいでした。営業としては、うまくやっていける自信がここで湧いてきました。1年目で3棟売れたなら、2年目、3年目となるにつれて、年間10棟以上は余裕で売ってやると息巻いていました。(今では恥ずかしいですが)
今思えばですが、運良く売れると、なぜ売れたのかわからないため、営業としてはほとんど成長していないといって良いです。新卒の元気な雰囲気と、仕事の右も左もわからず、嘘をついたり、お客様に対して適当な接客をしていなかったことが良かったのだと思います。適当な接客というのは、慣れてくるとこのくらいは良いだろうという対応がお客様にでてしまうことを言います。お客様もそういった理由で、新卒に頼みたくなるという方は多いです。
そして先輩のフォローがあったからこそ、お客様は信頼して契約することができます。新卒の裏切らないという雰囲気と、先輩の確かな知識に触れて信頼してくれるのです。
■お客様とのトラブル
お客様のトラブルがなかったわけではありません。1棟は、駐車スペースのことで少し揉めたのと、2棟目はキッチンに傷があって揉めました。しかし、それらは簡単なことで、多少の追加工事と、キッチンメーカーの落ち度のため交換対応で解決しました。
このようなトラブルも、必ず起こるのだと知りました。そして、お客様に知られる前に、こちらで確認し問題があれば、完璧にしてお客様に提供することが責任であると教わりました。売る側になって初めて知る、これが社会人というものだとトラブルがあってこそ学ばせていただきました。
2年目から秋まで売れなかった
2年目から秋頃まで全く売れなくなりました。見込み客がでても、全く契約まで繋がらず、そもそも資料を送ってからその後のアプローチができないという状況が続きました。確かに見込みが薄いお客様も振られるようになったのですが、この方は契約するだろうという方も打ち合わせ3回目から乗り気でなくなるということが多くありました。
また、話はうまくいったけれども、最後の住宅ローン審査で落ちてしまうという方もいらっしゃり、自分はとことん運がないのかと考えていました。何をやってもうまくいかず、何をすれば良いのかもだんだんとわからなくなっていきました。
■精神的に一番きつい時期でした。
今でも精神的に一番きつい時期だったと思い出します。先輩社員と話していても、みなさんこのような経験をしている方が多かったです。新卒も中途も変わらず、売れない時期というのは誰もが経験し、何とかそれを乗り越えている方が残っているようです。
今わかることは、2年目は確かに売れにくくなるのです。それは、1年目は濃い見込み客を振られ、新卒が契約を取ることも、それが支店の成績として反映されるのです。人材育成の一貫としてです。そして2年目からは、契約率の高い先輩社員に濃い見込み客は振られ、2年目の社員には薄い見込み客が振られます。会社の数字を考えれば当然ですが、当時はわからなかったため、なぜ売れないのか悩みました。
そして、薄い見込み客であっても、その中からなんとか契約に持っていく力が身につけば、濃い見込み客を振られるようになり、営業として会社に貢献できるようになっていきます。
続けられた理由
2年目の冬から少し立て直し、なんとか売れる感覚というものを掴むことができました。同期で同じような状況になり、やめて行ってしまう方もいましたが、営業の仕事を何も分かっていないうちは続けるべきだと考えていました。それが続けられた理由です。
毎年表彰されるような成績を残せなくても、中の上以上を維持し、私の営業があったからこそ、良い家を建てられたというお客様を1人でも増やして行けたらと思っています。