長期優良住宅とはなに?認定基準や優遇措置を徹底解説

長期優良住宅とはなに?認定基準や優遇措置を徹底解説

「長期優良住宅」とは、国が定める一定の基準を満たし、都道府県知事や市町村長などの認定を受けた優良な住宅のことをいいます。 そして、「長期優良住宅」の認定を受けると、さまざまな優遇を得られるようになります。 では、「長期優良住宅」の認定を受けるにはどのような基準が設定されており、また認定後にはどのような優遇を得られるのでしょうか? そこで本記事では、「長期優良住宅」について、認定基準や優遇措置などを詳しく解説したいと思います。


「長期優良住宅」とは、国が定める一定の基準を満たし、都道府県知事や市町村長などの認定を受けた優良な住宅のことをいいます。
そして、「長期優良住宅」の認定を受けると、さまざまな優遇を得られるようになります。

では、「長期優良住宅」の認定を受けるにはどのような基準が設定されており、また認定後にはどのような優遇を得られるのでしょうか?
そこで本記事では、「長期優良住宅」について、認定基準や優遇措置などを詳しく解説したいと思います。

長期優良住宅とはなに?

長期優良住宅とは、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、長期にわたって良好な状態を維持できる措置を講じていると認められた優良な住宅のことをいいます。
長期にわたって良好な状態を維持できる措置とは、大きく以下のことが挙げられています。

  • 長期に使用するための構造及び設備を有していること
  • 居住環境等への配慮を行っていること
  • 一定面積以上の住戸面積を有していること
  • 維持保全の期間、方法を定めていること

要するに長期優良住宅は、従来の考え方である、住宅を「つくっては壊す」ことから「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ことへの転換を目的とする制度なのです。

長期優良住宅の認定基準とは

長期優良住宅として認定を受けるには、国が定めた一定の基準を満たさなくてはなりません。
基準を満たし、申請をしたうえで都道府県知事や市町村長などの認定を受ける必要があります。

認定基準とは、大きく以下の7つの項目について定められています。

  • 劣化対策
  • 耐震性
  • 維持管理・更新の容易性
  • 省エネルギー対策
  • 居住環境
  • 住宅面積
  • 維持保全計画

劣化対策

数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること

耐震性

極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷のレベルの低減を図ること

維持管理・更新の容易性

構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること

省エネルギー対策

必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること

居住環境

良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること

住宅面積

良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること

維持保全計画

建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること

長期優良住宅の優遇措置とは

長期優良住宅の認定を受けると、いくつかの優遇措置が受けられるようになります。
認定を得るには、建築コストが割高になり、また申請の費用もかかるため、優遇措置が受けられることは大きなメリットとなります。

その優遇措置とは大きく以下の3つです。

  • 税の特例措置
  • 補助金
  • 融資の優遇措置

税の特例措置

長期優良住宅に認定されると、税の特例措置を受けることが可能となります。
その内容とは、一般の住宅よりも住宅ローン減税の控除対象限度額が多くなること、投資減税型の特別控除を受けられること、登録免許税の税率が下がることなどです。

補助金

長期優良住宅に認定されると、税の特例措置を受けることが可能となります。
これは、「地域型住宅グリーン化事業」による補助金のことであり、国土交通省の採択を受けたグループに所属する地域の中小工務店などの施工事業者へ依頼することで活用できます。

融資の優遇措置

長期優良住宅に認定されると、融資の優遇措置を受けることが可能となります。
これは、低金利の住宅ローンである「【フラット35】S」が活用できるというものです。

「フラット35」とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携し、提供されている住宅ローンのことをいいます。
「フラット35」には多くの商品がありますが、なかでも「【フラット35】S」は、金利が有利に設定されているものになります。

なお、「フラット35」に関する詳しい内容は「住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い」の記事を参考にしてください。

まとめ

長期優良住宅とは、長期にわたって快適で安全に暮らすための措置を講じていることが認められた優良な住宅のことです。
どうしても建築コストは割高になってしまいますが、一方で、税制の優遇など多くのメリットを受け取れます。

多くの人にとって、住宅は一生で一度の買い物でもあるため、長く大切に使うためにも長期優良住宅の認定を受けることを検討してみるのもよいでしょう。

関連するキーワード


住宅

関連する投稿


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、建築士の資格を持っていることがほとんどです。しかし、資格を持っていれば完璧にデザインからディテールにこだわった施工まで、問題ない設計ができるかというとそうではありません。住宅設計士として、学ぶべきことは多く、自分1人で仕事を完結できるようになることはなかなか一筋縄ではいきません。技術を学び、盗むことが住宅設計士として一人前になるために必要なことです。この記事では、住宅設計士が何を学び、技術をどのように身につけていけば良いかご紹介いたいします。


住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士は、デザインをする上で、メールに設計図や写真を添付したり、細かい内容は電話をしたりとどちらも使う必要が出てきます。メールだけであれば簡単ですが、電話もしなければいけない状況が多くあります。それらについてどのような情報はメールで、何を電話にしなければいけないのか、判断がつきづらい事項も出てきます。この記事では、仕事をスムーズに進めるためにどのようにすべきかお勧めの方法をご紹介いたします。


住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士として新米の頃、報連相がうまくできていないと注意されたことがある方がほとんどではないでしょうか?住宅設計士にかかわらず、社会人として求められるスキルですが、実は報連相というものは難しいです。業務の全体の流れを把握し、どこが仕事の重要ポイントで、どこをミスしてはいけないのか、どこを確認すれば効率的なのか。これらについて、新人の頃は何も分からないため、ほとんど仕事になりません。この記事では、そんな新人住宅設計士がどのように報連相を行えば良いかを簡単にご説明いたします。


住宅営業の仕方でトラブルに!?クロージングを急ぎすぎてはいけない

住宅営業の仕方でトラブルに!?クロージングを急ぎすぎてはいけない

営業は月末になると、その月の売上をなんとしてでも作ろうとします。どの営業でもそうですが、この際にお客様にメリットになるクロージングトークをしかけます。しかし、このとき営業が急すぎ、後々の工事になった時にトラブルになってしまった経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、工事請負契約書を交わす際に注意しなければならない点についてご紹介いたします。


最新の投稿


【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

【忘れっぽい人必見】住宅の現場監督はメモを仕事にしろ

現場監督をしていて、新人は特に忘れっぽい人がいます。このような方は、意外に多いです。仕事ができない人というわけではなく、現場監督になるとそのようなことが起こります。理由は、住宅の現場監督は、タスクが以上な量になってしまうからです。細かい伝達内容などが発生し、それをその場で対処したり、数時間後に対処したり、場合によっては別日に対応するなど、非常に複雑になります。1つ1つのタスクは非常に簡単ですが、10個など多くなってくると、全てを覚えておくことは不可能に近いです。この記事では、住宅現場監督が、タスクに埋もれずに、効率的に業務を遂行できる方法としてメモをご紹介いたします。


住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、建築士の資格を持っていることがほとんどです。しかし、資格を持っていれば完璧にデザインからディテールにこだわった施工まで、問題ない設計ができるかというとそうではありません。住宅設計士として、学ぶべきことは多く、自分1人で仕事を完結できるようになることはなかなか一筋縄ではいきません。技術を学び、盗むことが住宅設計士として一人前になるために必要なことです。この記事では、住宅設計士が何を学び、技術をどのように身につけていけば良いかご紹介いたいします。


住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士は、デザインをする上で、メールに設計図や写真を添付したり、細かい内容は電話をしたりとどちらも使う必要が出てきます。メールだけであれば簡単ですが、電話もしなければいけない状況が多くあります。それらについてどのような情報はメールで、何を電話にしなければいけないのか、判断がつきづらい事項も出てきます。この記事では、仕事をスムーズに進めるためにどのようにすべきかお勧めの方法をご紹介いたします。


住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士として新米の頃、報連相がうまくできていないと注意されたことがある方がほとんどではないでしょうか?住宅設計士にかかわらず、社会人として求められるスキルですが、実は報連相というものは難しいです。業務の全体の流れを把握し、どこが仕事の重要ポイントで、どこをミスしてはいけないのか、どこを確認すれば効率的なのか。これらについて、新人の頃は何も分からないため、ほとんど仕事になりません。この記事では、そんな新人住宅設計士がどのように報連相を行えば良いかを簡単にご説明いたします。


【働き方指南】新人住宅設計士は独立を目指して働こう!

【働き方指南】新人住宅設計士は独立を目指して働こう!

新人住宅設計士は、全く設計の仕事ができないと言っても過言ではありません。設計自体は先輩社員が基本的には行い、新人はそれの補佐から始まります。もっと設計に関わりたい!もっと案を出したい!と思っても、ほとんどできない状況が続くでしょう。小規模の設計事務所では、新人は電話対応やお客様対応などに時間を割かなければなりません。そこで、違う会社に転職しようとしたり、先輩の文句を言う前に、まずは自分が独立したときに困らない知識や経験を最低限つけてみましょう!


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 台風 現場監理 働き方改革 資格