オール電化、太陽光発電は良い!?環境省による導入推進

オール電化、太陽光発電は良い!?環境省による導入推進

原子力発電が、そのリスクの大きさから活用が難しくなっています。そして、環境のために自然エネルギーの活用が求められてきています。環境省は、太陽光発電の導入を推進しており、二酸化炭素の排出などを削減しようとしています。そこで、住宅にとって、太陽光発電や、オール電化について、その基礎知識や、どのようなメリットがあるのかについてご紹介いたします。


オール電化、太陽光発電についての勘違い

住宅は、太陽光発電を採用した場合、オール電化住宅とするのが一般的です。そこで、多くの方がなんとなく知っているようで、勘違いしてしまっている項目について最初にご紹介いたします。

・停電時に、実はガスより困らない
・太陽光発電の電気で、冷蔵庫は使えない

え!?と思った方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。まずは、この2つの違いを知ることで、オール電化や太陽光発電についての理解が簡単になります。

停電時に、実はガスより困らない

オール電化にした際に、問題になるのが、停電時に「お湯が使えない」「火も使えない」、ガスを使った家の方が良いという話です。

しかし、実際はガスを使っている住宅よりも、オール電化住宅の方が便利であることの方が多いです。まず、ガスを使っている住宅も、停電時には、「お湯が使えない」「火も使えない」となることが多いです。

給湯器は、実は電気がないと動作しないものがほとんどです。古いタイプのものは、電気がなくても動作するものもありますが、通常使っているものは電気を必要としています。つまり、ガス給湯器だからといって、停電時に使えるわけではありません。
また、オール電化の場合は、停電時にお湯が使えます。エコキュートなどに蓄えられている90°のお湯をそのまま使用することができるからです。

そして、災害時に一番早く復旧するのは、電気であることも多く、オール電化住宅であれば、いち早く全ての機器を使えるようになる可能性があります。ガスを使った住宅では、電気が復旧しても、給湯器やガスコンロは使えません(ガスが復旧していないため)。

以上のように、オール電化住宅の方が、実は停電時に困らないということが多いです。

太陽光発電の電気で、冷蔵庫は使えない

太陽光発電は、自家発電であり、「停電時にはさぞかし活躍してくれるだろう!」というのは、実は過度な期待になります。

太陽光発電で発電された電気は、パワーコンディショナーに供給されており、住宅全体の電気回路に電気を供給することはできません。専用コンセントからの給電のみであり、一部の電化製品しか使用できません。なので、冷蔵庫、エアコンなど家電設備は使用できないと考えておきましょう。

ただ、停電をしていても、携帯の充電などは可能となるため、太陽光発電がない住宅よりは便利であることは間違い無いでしょう。

オール電化の仕組み

オール電化住宅とは、全てのエネルギーを電気でまかなっている住宅のことを言います。具体的には、給湯器、コンロ、(床下暖房)を全て電気だけで動くものになっています。

給湯器は、エコキュートなどがあります。エコキュートは、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットから成っています。ヒートポンプユニットでお湯を沸かし、貯湯タンクユニットにお湯が溜まります。このお湯をキッチンや浴室、洗面所などに利用しています。

ヒートポンプユニットは、空気が圧縮されると高温になる性質を利用しています。CO2(自然冷媒)を大気中の空気で温めてから、冷媒を圧縮します。高温になった冷媒から、水にその熱を伝えてお湯にします。最後に冷媒を膨張させて、低音に戻し、このサイクルを繰り返します。実は、エアコンも同じ原理を利用しています。

またオール電化では、コンロの代わりに、IHクッキングヒーターを採用します。IHクッキングヒーターは、金属の鍋底が熱を持つようになります。IHヒーター自体は、熱を発しているわけではないため、鍋を置かなければ熱くなりません。原理は、IHヒーターに電気が流れると、磁場が発生し、それが鍋底で過電流という電気が発生します。そして、この過電流に対して、金属が抵抗となり、発熱します。

以上のように、電気だけを利用することで、熱を効率的に発生させることができるので、オール電化住宅が可能になります。

太陽光発電の仕組み

太陽光発電は、ソーラーパネルに組み込まれた半導体が、光に当たると電気を流す原理を利用しています。また、ソーラーパネルがあるだけでは電気を利用することはできないため、パワーコンディショナーと呼ばれる機器により、安定した利用できる電気にしています。このように、太陽光発電システムは、一連の機器によって成り立っています。

関連するキーワード


住宅

関連する投稿


住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅を購入する際、多くの人が利用する住宅ローンですが、なかでも定番といえるのは「フラット35」になるでしょう。 「フラット35」の最大の特徴は「固定金利型」であることです。 「固定金利型」であることで、借り入れの時点で返済金額がわかり、また計画も立てやすくなります。 また、この他にも民間銀行が取り扱う住宅ローンとは異なる特徴があるため、知識として理解しておくとよいでしょう。 そこで本記事では、「フラット35」の特徴や銀行ローンとの違いについて徹底解説したいと思います。


【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

【住宅建築の基礎知識】セメント、モルタル、コンクリートの違いとは?

住宅建築においては、非常に多くの建材が使われています。 なかでも「セメント」「モルタル」「コンクリート」については、必ず使用されるポピュラーな建材となります。 しかし、これらがどのような建材なのか、またそれぞれの違いがよくわからないという人もいるのではないでしょうか? そこで本記事では、「セメント」「モルタル」「コンクリート」について、それぞれの特徴の違いなどを徹底解説したいと思います。


プレハブ住宅とはどんな住宅?種類や特徴を解説

プレハブ住宅とはどんな住宅?種類や特徴を解説

戸建て住宅はいくつかの種類に分けられますが、建築するときの工法によっても分類することが可能です。 代表的な工法といえば「木造軸組工法」や「木造枠組壁式(ツーバイフォー)工法」、「プレハブ工法」などが挙げられます。 そして、この「プレハブ工法」で建てられた住宅が「プレハブ住宅」です。 また「プレハブ住宅」は、さらにいくつかの種類に分かれており、それぞれ特徴が異なります。 そこで本記事では、「プレハブ住宅」とは具体的にどのような住宅のことをいうのか、そしてどのような種類や特徴があるのかなど、徹底解説したいと思います。


住宅業界で働く人のリフレッシュ方法まとめ

住宅業界で働く人のリフレッシュ方法まとめ

住宅営業や、現場監督など非常に忙しく接客業でもあるためクレームやトラブルも多くストレスを溜めがちです。そこで、休日はどのようにリフレッシュしているのでしょうか?ストレスをうまく発散できない方も、他の方のリフレッシュ方法を真似してみましょう!1人で休日を過ごす方も、友達と遊ぶというものまで、それぞれご紹介いたします。


【住宅建築の基礎知識】住宅の耐震性能はどこでわかる?

【住宅建築の基礎知識】住宅の耐震性能はどこでわかる?

家づくりに携わるうえで知っておきたいことのひとつに「耐震性能」があります。 というのも、日本は地震大国であり、住宅の「耐震性能」を高めることは暮らす人たちの命を守ることにつながるためです。 しかし「耐震性能」の高さはどうすればわかるのでしょうか? 住宅の「耐震性能」には目安となる基準があり、満たしているかどうかで判断することが可能となります。 そこで本記事では、住宅の「耐震性能」がわかる目安について、解説したいと思います。


最新の投稿


【今さら聞けない】事務に必須の「印鑑」まとめ

【今さら聞けない】事務に必須の「印鑑」まとめ

住宅会社の事務に限らず、どこの事務でも印鑑を使用します。社内文書だけでなく、社外との取引関係で契約書、見積書、様々な場面で使用されます。印鑑は法的な効力がありますが、どの印鑑をいつ使えば良いのか、なぜその印鑑を使うのかについて知らないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、会社で使う印鑑の種類や、どの場面で使用すれば良いかについてご紹介いたします。


【体験談】住宅会社の事務職はツラいよ?良いところ辛いところ

【体験談】住宅会社の事務職はツラいよ?良いところ辛いところ

住宅会社の事務員として、実際に働いた感想としては、普通の会社の事務より辛かったです。住宅会社は建設業界であり、建設業の仕事は非常に専門的で、なかなか難しいと言えます。ただ、事務員のスキルが高い女性は少なく、それでいて事務の求人は多いため、スキルを身につければ職に困らないとも言えます。体験した内容から少しでも皆様の参考になれば幸いです。


住宅会社における事務職の種類(総合・技術・営業)

住宅会社における事務職の種類(総合・技術・営業)

事務職はどの会社でも必要な業務を担う重要な仕事です。事務がいることで他の実務が円滑に進みます。住宅会社での事務は、実は様々な業務があります。住宅工事がとても複雑であるだけでなく、営業、施工外注、不動産など様々な業者、お客様とやりとりをするため、連絡だけでも煩雑になります。住宅会社での事務はどのような仕事を行なっているのでしょうか?この記事では大きく3つに分けてご紹介いたします。


【おすすめ資格5選】住宅会社の事務員に役立つ資格はどれ?

【おすすめ資格5選】住宅会社の事務員に役立つ資格はどれ?

事務員が有能であれば、仕事も非常に捗ります。住宅会社の事務としてレベルアップを図りたいという方も多いと思います。しかしただ建築士の免許を取っても、設計士や施工管理技士になるわけではないため、あまり実務では必要とされないかもしれません。そこで、事務として取得してレベルアップになる資格についてご紹介いたします。


住宅設計士は現場を知らない!?迷惑な設計士にならない方法

住宅設計士は現場を知らない!?迷惑な設計士にならない方法

住宅設計士は、建築士の資格も持ち、住宅建築の専門家です。しかし、実態としては工事現場の状況や、具体的のどのように工事が進んでいくのかをほとんど理解していない設計士も多いです。設計士は設計が仕事であって、現場見学を何日も行ったり、積極的に現場にくる方というのは少ないです。現場は、現場監督や職人が管理するもので、設計士は行く必要がないと考えている人が多いです。ただ、このような設計士は一般的に現場では迷惑で嫌われます。このような嫌われる特徴、そうならないためにどのような仕事をすれば良いのかをご紹介いたします。