オール電化、太陽光発電についての勘違い
住宅は、太陽光発電を採用した場合、オール電化住宅とするのが一般的です。そこで、多くの方がなんとなく知っているようで、勘違いしてしまっている項目について最初にご紹介いたします。
・停電時に、実はガスより困らない
・太陽光発電の電気で、冷蔵庫は使えない
え!?と思った方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。まずは、この2つの違いを知ることで、オール電化や太陽光発電についての理解が簡単になります。
■停電時に、実はガスより困らない
オール電化にした際に、問題になるのが、停電時に「お湯が使えない」「火も使えない」、ガスを使った家の方が良いという話です。
しかし、実際はガスを使っている住宅よりも、オール電化住宅の方が便利であることの方が多いです。まず、ガスを使っている住宅も、停電時には、「お湯が使えない」「火も使えない」となることが多いです。
給湯器は、実は電気がないと動作しないものがほとんどです。古いタイプのものは、電気がなくても動作するものもありますが、通常使っているものは電気を必要としています。つまり、ガス給湯器だからといって、停電時に使えるわけではありません。
また、オール電化の場合は、停電時にお湯が使えます。エコキュートなどに蓄えられている90°のお湯をそのまま使用することができるからです。
そして、災害時に一番早く復旧するのは、電気であることも多く、オール電化住宅であれば、いち早く全ての機器を使えるようになる可能性があります。ガスを使った住宅では、電気が復旧しても、給湯器やガスコンロは使えません(ガスが復旧していないため)。
以上のように、オール電化住宅の方が、実は停電時に困らないということが多いです。
■太陽光発電の電気で、冷蔵庫は使えない
太陽光発電は、自家発電であり、「停電時にはさぞかし活躍してくれるだろう!」というのは、実は過度な期待になります。
太陽光発電で発電された電気は、パワーコンディショナーに供給されており、住宅全体の電気回路に電気を供給することはできません。専用コンセントからの給電のみであり、一部の電化製品しか使用できません。なので、冷蔵庫、エアコンなど家電設備は使用できないと考えておきましょう。
ただ、停電をしていても、携帯の充電などは可能となるため、太陽光発電がない住宅よりは便利であることは間違い無いでしょう。
オール電化の仕組み
オール電化住宅とは、全てのエネルギーを電気でまかなっている住宅のことを言います。具体的には、給湯器、コンロ、(床下暖房)を全て電気だけで動くものになっています。
給湯器は、エコキュートなどがあります。エコキュートは、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットから成っています。ヒートポンプユニットでお湯を沸かし、貯湯タンクユニットにお湯が溜まります。このお湯をキッチンや浴室、洗面所などに利用しています。
ヒートポンプユニットは、空気が圧縮されると高温になる性質を利用しています。CO2(自然冷媒)を大気中の空気で温めてから、冷媒を圧縮します。高温になった冷媒から、水にその熱を伝えてお湯にします。最後に冷媒を膨張させて、低音に戻し、このサイクルを繰り返します。実は、エアコンも同じ原理を利用しています。
またオール電化では、コンロの代わりに、IHクッキングヒーターを採用します。IHクッキングヒーターは、金属の鍋底が熱を持つようになります。IHヒーター自体は、熱を発しているわけではないため、鍋を置かなければ熱くなりません。原理は、IHヒーターに電気が流れると、磁場が発生し、それが鍋底で過電流という電気が発生します。そして、この過電流に対して、金属が抵抗となり、発熱します。
以上のように、電気だけを利用することで、熱を効率的に発生させることができるので、オール電化住宅が可能になります。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電は、ソーラーパネルに組み込まれた半導体が、光に当たると電気を流す原理を利用しています。また、ソーラーパネルがあるだけでは電気を利用することはできないため、パワーコンディショナーと呼ばれる機器により、安定した利用できる電気にしています。このように、太陽光発電システムは、一連の機器によって成り立っています。