境界でなぜ揉める?
土地は、不動産屋が管理していることが一般的で、地図にも番地ごとに記載されていることがほとんどです。それにも関わらず、なぜ土地の境界で揉めることがあるのでしょうか?
実際に、隣地に家が建った際に、トラブルになってしまった、さと子さん(仮名)の事例を見てみましょう。
■トラブル事例(隣地に家が建った)
15年前に家を建てたとき、さと子さんは周りに家がなく、開けた土地が気に入っていました。それから何年かするうちに、何軒か周りに住宅が建つようになり、次第に住宅街のようになっていきました。さと子さんは、その環境にも馴染み、快適に過ごしていました。
そこで、ついに隣地に一軒家が建つことになりました。引っ越してくる方からも挨拶があり、とても丁寧な方だったので、安心していました。工事も順調で、施工会社ともトラブルなく建設が進みました。
しかし、最後の外構工事を進めている際に、問題が発生します。塀が、土地の境界線上に作られていたのです。さと子さんは、境界杭もしっかりあったので、安心していましたが、なんの相談もなく工事が進んでしまっていました。そこで、隣家の所有者に施工会社伝いに相談してもらうことにしたのですが、隣家の方はそれで機嫌を悪くされてしまい、何も返答がなく、引っ越してきてからも、それについての話はなく、ぎくしゃくとした関係になってしまいました。
さと子さんの場合は、隣家とトラブルになり、お互いに気持ちの良い住環境が築けず、非常に残念な結果となってしまいました。このような小さなトラブルは、よく起こります。しかし、もっと大きなトラブルに発展することもあります。今回は隣家の方が一方的に塀を建てたためトラブルになっています。さと子さんの立場の方が、塀について裁判を起こし、塀の撤去を求めるということもあります。
境界線について、認識がない方が多い
境界線は、しっかりと決めておかなければトラブルの元となりますが、まず、境界線がしっかりと決まっていない場合もあります。隣地の所有者などと、事前に確認を行い、境界について確定させておきましょう。
また、境界が決まっているにも関わらず、施工会社の認識違いや、施主の無知により、境界線上にブロック塀を建てたりということがあります。このように、境界線についてあまり意識していない場合もあります。トラブルになるのは、台風や地震により塀が破損してしまった場合などの不足の事態が発生した時が多いです。
住宅会社に勤めている人間が、事前に施主様や隣地所有者に、境界についてしっかりと認識し、事前にトラブルが起きないように手配しておくのが望ましいです。
境界のブロックは、どちらが建てる?
境界のブロックや塀は、トラブルにならないように、どちらの土地の所有者が建てるのが良いでしょうか。
・高低差がある場合
新しく家を建てる家が、高い土地にある場合、土留めブロックを建てる必要があります。つまり、新しく家を建てる方が建てます。
・高低差がない場合
土地に高低差がない場合には、先に家を建てている方が塀を作ってしまった方がトラブルが少ないです。新しく建てた家が、ものすごく高い塀を作ってしまったりすることもあるからです。
いずれにせよ、ブロックについては、施工会社や不動産屋を仲介してやり取りを行った方が、基本的にはトラブルが少ないです。
まとめ
土地の境界は、決まっていない場合には、決めるためにトラブルが起こることがあるだけでなく、決まっていても、塀を建ててしまうと、更なるトラブルに発展することもあります。
基本的には、自分の土地の中に塀が収まっていれば問題ありませんが、境界線上に塀が建っていたり、あまりにも高い塀が建てられるとトラブルになることもあります。
どのようなトラブルが起きる可能性があるかを、事前に予期し、隣地の所有者に塀について相談しておくことが望ましいです。