「建築条件付き土地」は土地の価格が相場よりも安く設定されている
建築条件付き土地は、そこに住宅を建設する建設会社が不動産屋によって指定されている土地になります。また、土地の価格が相場よりも安く設定されていることが特徴です。特にいわく付きの土地であったり、なにか特別不便な土地であるというわけではありません。
ではなぜ、土地の価格が相場よりも安いかというと、不動産屋が土地の売買による利益だけでなく、建物の利益も同時に得ることができるため、土地の価格を下げることが可能になったものです。簡単にいうとセット販売にすることで少しお安くなっていますという意味合いです。
建売住宅と似ていますが、建築条件付き土地は、建物が購入されてから住宅を建築し始めるといったものになります。
契約の流れは注文住宅のようになるが、建物は建売のようなもの
契約の流れは、建売住宅のように1回ではなく、注文住宅のように2回の契約が必要になります。まず土地の契約を行い、次に建物の契約を行います。この間にだいたい3ヶ月間の猶予があるのですが、この間に間取りなどの打ち合わせを行うことになります。
しかしあくまで、契約が注文住宅のようになりますが、建物自体は建売住宅のように選択肢はほとんどありません。注文住宅は、外観から内装まで全て自由に設計できますが、建築条件付き土地に建てられる住宅は、その建設会社の指定する設計範囲内から間取りや内装などを決めていくようになります。
建築条件付き土地の4つのメリット
1.価格が安い
2.建築条件付きでないと買えない土地
3.間取りをある程度選べる
4.建設途中経過を見ることができる
■1.価格が安い
土地と建物のセット販売のようなもののため、比較的土地の値段が安く設定されています。不動産屋にとっても、建築条件なしの土地を売買する際は、土地だけで十分な利益を得る必要があるため、土地の価格は比較的高くなります。土地を売買し、建物は他の建設会社に依頼する場合、お客様は不動産屋に土地の利益分、建設会社に建物の利益分を払うといったようになってしまうからです。
■2.建築条件付きでないと買えない土地
建築条件付きで売り出すことによって、土地だけで売り出すよりも利益が大きくなっています。つまり、不動産屋にとっては土地だけよりも建築条件付きで売り出した方が好都合なのです。このように設定されている土地は、建築条件付きでないと売り出されていないため、土地探しにおいて選択肢が広がることになります。
■3.間取りをある程度選べる
建売住宅とは違い、購入してから間取り打ち合わせ、建設開始となるため、ある程度自由が効きます。気に入った土地に建て売りが立っていても、間取りが気に食わなかったりしてなかなか購入できないといった方でも、このようにある程度の選択肢の自由があることで、購入しやすくなります。
■4.建設途中経過を見ることができる
建設途中の経過を見たいという方は多いです。何千万もするものを購入したのですから、工事途中に何か不備がないか、完成してしまってからは見えない住宅の中がどのようになっているのかを確認したいというのは当然です。建売住宅では施工不良などが問題になることもよくあるので、それを避けるためにも重要なメリットになります。
建築条件付き土地の3つのデメリット
1.建設会社を選べない
2.注文住宅のように自由な設計ができない
3.建築条件を外すためには費用がかかる
■1.建設会社を選べない
有名なハウスメーカーなど自分が気に入っている建設会社を指定できません。一般的にはその土地を販売している不動産屋の関連会社もしくは地元の工務店などが指定建設会社となります。
■2.注文住宅のように自由な設計ができない
指定された建設会社の決まった設計の中である程度の自由があるだけで、注文住宅のように外観、間取り、内装、設備を自由に設計できるわけではありません。どうしても取り付けたい設備や叶えたい間取りなどが事前に決まっている場合には、土地の契約の前から要望が通るか確認し、それを踏まえた前提で契約をする必要があります。
■3.建築条件を外すためには費用がかかる
建築条件を外して、自由に注文住宅を建てることができる場合もあります。この場合100~500万円などの費用を払う必要があります。どうしてもその土地に家を建てたいが、建築条件付きであった場合、このように費用を払ってでも土地を購入する方もいらっしゃいます。この場合、建築条件なしの土地の相場よりも少し高くなる傾向にあるようです。不動産屋は土地と建物の利益分を見込んでいるため、建物の利益分も費用として払うことになるためです。
※この記事はリバイバル記事です。