現場監督の仕事とは、工期までに品質を確保して工事を完成させることです。
しかし工事は、ひとりで完成させることは不可能であり、多くの人の協力が必要となります。
また、現場監督は、関係する多くの人を同じ目的に向かい前へ進めなければなりません。
そのときに必要となるのが「コミュニケーションスキル」です。
現場監督が優れた「コミュニケーションスキル」を発揮することで、工事をスムーズに進められるようになります。
そこで本記事では、現場監督が必ず取得したい「コミュニケーションスキル」とはどのようなことなのか、詳しく解説したいと思います。
現場監督が必ず取得したい「コミュニケーションスキル」とは?
まず、現場監督が工事現場で行う、とくに重要なコミュニケーションとは「交渉」することです。
工事中に設計変更や工程の遅れなどのイレギュラーが発生すると、現場監督はすぐに関係する業者と「交渉」し、調整を図らなくてはなりません。
また、設計変更などは施主の要望によるケースもありますが、その場合は営業や設計を巻き込んだ「交渉」が必要となるケースもあります。
そして、これら「交渉」は、現場監督が中心となって行わなくてはなりません。
しかも、それぞれの立場を尊重しながら調整を図らなければならない難しい対応が求められます。
この難しい対応をうまくまとめ、しっかりと前へ進める力が「コミュニケーションスキル」です。
現場監督が「コミュニケーションスキル」を発揮するためのポイント
現場監督が「コミュニケーションスキル」を発揮し、交渉をうまく進めるためのポイントについてご紹介いたします。
おもなポイントとなるのは、以下の通りです。
- 内容を的確に伝える
- 相手の気持ちを汲み取る
- 相手を仲間として目的を共有する
■内容を的確に伝える
現場監督が必要とするコミュニケーションスキルは交渉力です。
よって、相手に伝えたい情報を明確にし、論理的に説明しなくてはなりません。
そのためには、まず自分自身が内容をよく理解すること、そしてそのうえで的確に伝えることが重要になります。
もし相手が理解できなかったり、あるいは内容を誤って受け取ったりした場合、基本的に伝える側の責任といえます。
よって、伝えるべき情報の内容を事前にしっかり整理しておくことが重要です。
また、相手の時間も限られているため、視覚的にイメージできるような資料を用意しておくなど、できるだけ端的に伝えられる準備もポイントとなります。
■相手の気持ちを汲み取る
現場監督がコミュニケーションをとるときには、情報を伝えることだけを考えるのではなく、相手の気持ちを汲み取る配慮も必要です。
とくに、頼み事をするときは、ただ内容を伝えるだけの「丸投げ」のスタイルでは信頼関係は構築できません。
相手の都合や立場など「聞く」ということも忘れず行い、そのうえで快く対応してもらえる展開や着地点を模索する必要があります。
そして、お互いにとってプラスとなるにはどうすればよいのか、交渉の過程でうまく引き出し、妥協点を導き出すことも重要です。
■相手を仲間として目的を共有する
現場監督が相手と接するときには、同じ目的を共有する「仲間」という立ち位置を設定すると、交渉が有利に働きやすくなります。
なぜなら、「仲間」として信頼関係が構築できれば、いっしょに問題解決に立ち向かうプラスの意識へとつながるためです。
また、現場監督は、職人と接する機会が最も多くなります。
職人は仕事にプライドを持っている人が多く、また異なる業種の職人に対してなど、お互いにリスペクトしあっている関係性も見て取れます。
よって、頼み事をするときには、プライドを損ねるようなことは避け、相手が満足感を得られるように進めることも必要です。
また、経験が豊富な職人との交渉時には、アドバイスや提案をもらえるケースがあります。
それがよい内容であれば、積極的に取り入れることで信頼関係の構築につながるでしょう。
そして、交渉がまとまったときや仕事がうまくいったときには、感謝の言葉を伝えることも忘れてはいけません。
まとめ
現場監督の仕事は、協力者がいないと絶対に実現できません。
また、現場監督の仕事の多くは交渉することにあります。
よって、現場監督が取得したいコミュニケーションスキルとは、とくに交渉力を高めることといえます。
交渉することは、情報を伝えるだけでなく、相手に対する配慮についても忘れずに行うことがポイントです。