コンクリートの特徴
コンクリートは、セメント、骨材(砂・砂利)、水を混ぜ合わせることで固まった、何十年と耐久性のある建材です。建材として耐震性、耐火性、遮音性、断熱性・気密性、耐久性に優れています。これだけの性能を有しているだけではなく、比較的コストも低く、自由に形成できるという特徴があります。
自由に形成できるというのは、コンクリートが固まる前は、柔らかい液状のもので、どのような形にも基本的には形成できるということです。これは建築物に使用する上で、非常に便利な特徴です。もし、形成が難しいものであったら、ここまで様々な建築物に採用されることはなかったでしょう。
建築物は、その建材の耐久性はもちろんですが、その構造によって建物を支えています。木造であっても、直径5cmの柱より、直径10cmの柱の方がより重いものを支えられます。これをコンクリートは自由に変化させて作ることができます。住宅を支えるだけの構造だけでなく、橋を支えるだけの構造も容易に形作れるということです。
■コンクリート住宅の耐震性
コンクリート住宅とは、鉄筋コンクリートで土台、壁、天井という構造部分を形成している住宅のことです。RC造などと言います。耐震性は、木造住宅よりも一般的に高いです。
コンクリート自体に耐震性があるというわけではありません。耐震というのは、構造を維持できるかの性能ですので、構造を形成していないコンクリートの耐震性という考え方はありません。(たまに勘違いされている方がいらっしゃるようです)
鉄筋コンクリートは、鉄筋にコンクリートを被せたもので、コンクリートが引張力に弱いという欠点を鉄筋で補い、鉄筋の錆びるという弱点をコンクリートの気密性(水が侵入しない)で補ったものです。これにより高耐久性と、高寿命化を実現したものです。
鉄筋コンクリート住宅は、この鉄筋コンクリートでモノコック構造という6面体の箱を作って支えています。面で外力を分散するため、非常に高い耐震性を誇っています。
■コンクリート住宅の耐火性
鉄筋コンクリートが、耐火性能を有しています。コンクリートは、1000度の炎で燃やされても2時間以上燃えることがなく、強度も低下しません。非常に高い耐火性を誇っていることがわかります。
木材は、260度で燃え、鉄も540度で変形します。鉄筋コンクリートが他の建材よりも耐火性に優れていることがわかります。
■コンクリート住宅の遮音性
遮音性は、一般的に重いものは遮音性が高くなります。コンクリートは非常に重い建材のため、遮音性も高いです。木造住宅のおよそ10倍の遮音性能があります。
■コンクリート住宅の断熱性・気密性
コンクリートは、気密性が高く、空気や水を通しません。断熱性能も高く、コンクリートの熱伝導性が少ないからになります。しかし、コンクリートは、熱を溜め込んでしまうため、コンクリートだけでは住宅の内部は輻射熱により暑くなります。
鉄筋コンクリート住宅は、断熱材を用いることでこの欠点を克服しています。断熱材を用いることで、一般的な木造住宅よりも断熱性能は優れています。
■コンクリート住宅の耐久性
鉄筋コンクリートは、約50年の耐久性があり、適切なメンテナンスを行えば100年以上の耐久性を誇ります。木造住宅のようなシロアリ等の被害になる可能性もないため、他の建材よりもはるかに高い耐久性があることも頷けます。
ただ、コンクリートも放置してしまえば、その耐久性が著しく劣化することもわかっています。雨などにより水が侵入し、乾燥収縮によりクラックが生じたり、コンクリートの性質が変化(中性化)し、強度そのものが落ちます。橋梁などの公共物も、その強度を維持するためのメンテナンスが必要になります。メンテナンス方法としては、塗装により防水性を持たせたり、薬剤によりコンクリートを改質させる方法などがあります。施行時に塗装を行うことで、より高耐久、メンテナンスを少なくさせる方法もとられています。