生コン、フレッシュコンクリートとは
コンクリートは、セメント、骨材(砂・砂利)、水からできています。ミキサー車などで運ばれてくるコンクリートは、生コンと一般的に呼ばれ、固まる前のコンクリートのことを言います。正式には、フレッシュコンクリートと言います。
当然ですが、このフレッシュコンクリートの状態が、コンクリートの品質に関わります。フレッシュコンクリートには、以下のような性能が求められます。
・運搬、作業時に柔らかく作業が容易に行うことができ、その後は適切に凝結、硬化する
・硬化後、適正なコンクリート強度を有する
などになります。
フレッシュコンクリートの時点で、材料の比率が悪かったりして、コンクリートして必要強度を発現しないと判断される場合、そのコンクリートは使うことができません。
フレッシュコンクリートの指定
「普通 21 18 20 N」
一体何のことか現場工事に携わってことがある方しかわからないでしょう。これがフレッシュコンクリートを発注する時に用いる、品質になります。JISA5308で規定されているものになります。
まず、普通というのは、普通ポルトランドセメントのことで、住宅にはこれしかほとんど使われません。他にも3種類ほどあるということだけ覚えておいてください。
21というのは、呼び強度のことで、フレッシュコンクリートが固まった時に、21.0N/m㎡という単位で表される強度を持っているという意味になります。
18というのは、スランプといって、フレッシュコンクリートの柔らかさを示すもので、数値が大きいとより柔らかいという意味です。
20というのは、骨材の最大寸法が20mmということです。コンクリートの容積の7割以上を占めるのは、骨材です。
コンクリート強度について
コンクリートの強度は、先述した呼び強度というものが重要な指標になります。固まっていない状態の強度というのも、違和感がありますが、それについてご紹介いたします。
コンクリートの強度は、フレッシュコンクリート時点での各因子を考慮して予想されます。その因子というのは、温度、配合料、材料品質、養生環境などがあります。この中でも、水とセメントの配合料(W/C比)とコンクリート強度は相関性が高いことから、セメントと水の比率は特に重要視されています。
コンクリートの強度試験は、製造から28日後に実施した強度を標準とし、その日数でのコンクリートの強度を試験サンプルとして使用します。コンクリートの発現強度は、製造後7日で40%、28日後で80%、3ヶ月で90%という実験結果が出ています。100%の強度を発現されるためには、約3年ほどかかると言われています。
そもそもコンクリートの強度は、圧縮強度を測定され、N/m㎡で表されます。引張力には弱いため、それは鉄筋により補われています。鉄筋コンクリート造として住宅で採用されているのは、そのためです。
■外気温でもコンクリート強度は変わる
コンクリートは、ゆっくりとセメントと水の水和反応により固まっていきます。本来の強度を発揮するまで1ヶ月で80%ほどになります。この反応は、気温が低いと遅くなり、高いと早くなります。
つまり、工事時期の外気温の違いによって発現強度が変わるということです。例えば、外気温が30度と5度の場合では、28日後におけるコンクリートの強度には1.5倍も差があることもあります。そのため、季節によって型枠を外す時期なども変える必要があります。
また、コンクリートが適切に固まることを促すため、適切な養生を行う必要があります。
■コンクリートの養生
コンクリートの養生とは、コンクリートが適切に凝結・硬化していくために外部の影響から保護する作業になります。養生というのは、引越し作業などで、家具などが傷つかないためにビニールなどで覆う作業のことで、コンクリートも同様に一定の強度を発現するまで、養生をしてあげます。
コンクリートの養生は、時期や現場状況に合わせて適切な手法で行います。
・たん水養生
周囲の型枠を高くして、コンクリート表面に水を張る方法
・散水養生
人力もしくはスプリンクラーにより散水する
・被膜養生
コンクリート表面仕上げ後に、膜養生剤を散布する
・保湿養生
散水し、その上にシートを被せる
などの手法があります。