住宅営業が行う顧客管理の方法
住宅営業は、契約見込みの段階から顧客管理を行います。例えば、住宅展示場に推しを運んでくれたお客様、HPなどから資料請求をいただいたお客様など、一度でも会社と接点を持ったお客様はリストアップします。
そして、そのリストから、電話や資料送付などを行い営業アプローチをかけ、契約に持っていけるようにします。
記録管理する内容は、概ね以下のようになります。
・媒体
・各アプローチごとの日付
・アプローチに対する反応
・次回アポ
・次回アプローチタイミング予定
・資料内容
・お客様の各要望のまとめ
・契約に至った経緯
・工事前、工事中の要望等
これらを記録していくことで、契約まで営業アプローチすることができ、契約後の工事段階でもトラブルなく進めることができます。営業は、契約を取ることが仕事ですが、これらの顧客管理は、お客様にとってもメリットになります。お客様の要望などをしっかりと覚えてくれている営業は、信頼できる関係を築くことができます。
顧客管理の目的を明確に!記録項目を決める
顧客管理の目的は、契約を取れるようにすることと、顧客満足度を上げることがメインです。目的を明確にしていないと、顧客管理の記録項目が不明確になるため、項目ごとにどのような目的があるのかをしっかり理解した上で管理しましょう。
・契約に向けた管理
アプローチした日付、購入意思、購入予定タイミング、主権者、家族構成などを記録管理し、これらに応じた営業活動を行います。
・顧客満足度を上げる管理
アプローチした日付(2週間以上連絡を空けない)、住宅購入への考え、間取りでこだわった点(工事中に施主様に報告)などになります。
両者はもちろん重なる部分もありますが、それぞれの目的を理解した上で行うことで、それぞれの項目の記録する内容も少しずつ変わってきます。このような顧客管理ひとつとっても、お客様にできる気遣いは変わってきます。売れる営業ほど、細かい気遣いが書面上でも考えられていることが多いです。
会社と担当個人の顧客管理の違い
顧客管理は、会社と担当個人で行う必要があります。住宅営業は、各担当ごとにお客様にどのようなアプローチをしたかを細かく記録していく必要があります。会社で顧客管理をする場合は、そこまで細かい内容は必要としない場合が多いです。また、会社での顧客管理はアフターフォローや、追加契約のための情報を必要としている場合が多いです。
■担当個人の顧客管理
担当個人での顧客管理は、比較的リアルタイムでのアプローチ履歴がメインです。その時々のお客様の状態や、どのような追客をいつ行ったのかについて、細かく記録し、上司と相談するための意味合いが強いです。
■会社の顧客管理
会社での顧客管理は、将来的に営業担当が変わっても、さらには10年後にもその情報を用いて、お客様に新たな営業をかけることができるようなものが求められます。
具体的には、家族構成などの基本情報、契約の日付、どのような住宅を契約し着工したのか、もしくはどのような理由で契約しなかったのか、住宅に対する思い・こだわりなどになります。
営業担当が変わった際に、その顧客情報が使えないのであれば全く意味のないものになってしまいます。また、10年後に使える情報というのは、その後のリフォームなどでのアプローチに使えるからです。お客様にとっても、施工会社が営業担当が変わったとしても、どのような経緯で住宅を建てたのかなどを把握して、気を遣ってくれている方が嬉しいと感じます。
顧客管理の価値(思い出が資産になる)
顧客管理は、非常に価値が高いもので、細かい情報があるだけで様々な営業アプローチができます。新築注文住宅しか手掛けていない会社が、10年後にリフォーム業を始めた際に、顧客情報を全く管理していない場合、何もリストがなく、営業はかなり厳しいものになります。
しかし、顧客管理があれば、それだけでどのようなリフォームを提案したら、お客様が喜ぶのかを想像することができ、営業もしやすくなります。そして、建て替えなどを行う際にも、リピートしてくれるようになります。
顧客管理は、営業を目的としすぎるあまり、契約していないお客様を大切に考えすぎてしまうこともあります(契約に導くために時間を費やすからです)。しかし、本来は契約してくれたお客様こそ大切にすべきなのであり、顧客満足度を上げることで、紹介やリピートで仕事が増えていくと考えるようにしたほうが、住宅という大きなお買い物を提供する身として健全でしょう。