引渡し前の施主検査・チェック項目
現場監督と施主様で行う施主検査は、最後の引渡しのための最終チェックになります。完成した住宅の施工が設計通りに行われているかのチェックになります。ただ、仕上がった状態なので、もちろん建物内部の状況について確認できるわけではありません。
・設備動作、色チェック
・傷、浮きなどのチェック
・外装のチェック
これら3つについて簡単にご説明いたします。
これらの検査で明らかな不具合があった場合、この現場監督はしっかり確認作業を行なっているのか?この住宅建設において最初から全て確認漏れがあるのではないか?施工不良の住宅になっているのではないか?という疑念を施主様に抱かせることになってしまいます。
必ず施主検査の前に、設備関係の間違いはないか、目立った傷はないかなどしっかり確認しましょう。
■設備動作、色チェック
食洗機、給湯機、照明、IHなどの設備類が正常に動作するかを確認しておきましょう。滅多に正常動作しないことはありませんが、住み始めてから電源がつかないなどというトラブルは起こってしまうと大変です。
設備関係が仕様通りのものが設置されているかも念のため確認しましょう。製品に間違いないと確認する際には、必ず色もチェックしましょう。色が施主様のご希望と違うものだったというミスも多くあります。
また、玄関ドアの開き方が問題ないか、サッシ、シャッターなどの動作に支障がないかなども確認を怠らないようにしましょう。
■傷、浮きなどのチェック
工事をしている以上、細かい傷、浮きなどを完璧に0にすることは職人の熟練度などにより難しい場合もあります。チェック時にしっかりと補修を事前に行いましょう。
まず最初に確認すべきは、施主様の生活導線に傷などの目立ったものは無いかの確認です。監督として全体をくまなくチェックしていると、どうしても目が慣れてきてしまい新人などはなかなか気づくことができなくなります。
そこで、施主様が気になるであろう箇所を局所的にチェックすることは非常に有効です。傷などに気づきやすいだけでなく、チェック漏れの際のダメージが減ります。気づきやすいところのチェックが漏れていたら、その技量を疑われるためです。(もちろん全てのチェックが完璧であることが望ましいですが、必ず自分がミスをするということも考慮しましょう)
フローリング、クロス、巾木、建具など住宅の至る所の傷の有無をチェックしましょう。
■外装のチェック
外装は傷が付きやすいので、入念にチェックしましょう。足場を解体する際に付いたり、施工中に資材をぶつけて欠けてしまったりということもあります。養生を外してから気づくこともあるため常に気を配りましょう。
外装の傷に関しては、補修剤などで簡易補修を行うことが一般的です。しかし、表面ではなく建材自体がひび割れてしまっている場合などは、交換が必要になります。稀にですが、外壁全体に職人が打った釘周りに表面のひびが入ってしまっている物件がありました。そこは、施主様の希望により新しいものに全交換されました。
初期のひびは完全に施工業者の責任になりますので、引渡し前にしっかり確認する必要があります。工事でどうしても発生する傷などは、簡易補修で目立たないようにするのが一般的ですので、事前対応を行いましょう。
基礎のコンクリート打設
コンクリート打設はやり直しが効かないため入念なチェックが必要です。
・配筋チェック
鉄筋と型枠の間に4cm以上空いているか(かぶり厚)。隣の鉄筋との間は30cm以内か。
・アンカーボルト
コンクリート中央に配置されているか。間隔は2.7m以内か。
・天候
雨の日の施工や、雨の日の翌日に型枠外しを行わない。
工事を早く進めたいあまりにずさんな工事とならないよう注意しましょう。
建て方当日
構造を決める施工になりますので、ミスがあるとその後の工事に支障が出ます。まずは、柱などが設計図書通りの施工になっているか寸法の確認を行います。そして水平・垂直について問題ないかを確認します。
また、金物についても確認をします。金物が適切なものが取り付けられているか、設置箇所に問題はないかの確認をします。
柱の施工ミスがあった場合は、この段階であってもやり直しは大変です。しかし、ここで気づかなかった場合、さらに大変なことになります。緊張感を持って入念なチェックを行いましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
・設備動作、色チェック
・傷、浮きなどのチェック
・外装のチェック
・基礎コンクリート打設
・建て方
住宅工事は多くのチェック項目があるからこそ、チェックも大変ですが、それだけミスが起きるポイントが多いということでもあります。現場監督が入念にチェックを行うことで施工不良を防ぐだけでなく、施主様に工事の品質をアピールできるチャンスでもあります。
ベテランであっても緊張感を持ってチェックすることを心がけましょう。
※この記事はリバイバル記事です。