人口減少の影響から「新設住宅着工戸数」は緩やかに減少しており、今後もその傾向は継続すると予想されています。
一方で、住宅リフォーム市場の規模は拡大傾向にあるなど、需要は安定しています。
空き家問題にともなう中古住宅市場の活性化やリフォーム市場の中心となるシニア層の増加などを背景に、今後もますます注目を集める業界になるでしょう。
そしてリフォームの工事は、クライアントのニーズを品質に反映させながら効率よく進めるためにも施工管理がとくに重要なポイントになります。
そこで本記事では、リフォームの施工管理とはどのような仕事内容なのか、また新築工事の施工管理との違いはあるのかなど、詳しく解説したいと思います。
リフォームの施工管理の仕事内容とは
リフォームの施工管理は、リフォーム工事においてクライアントのニーズを工事に反映させ品質を確保することがおもな仕事です。
その他にも、安全に作業を進めることや約束の工期に間に合わせること、作業員へのマナー教育なども施工管理の仕事になります。
また、リフォーム業者によっても仕事内容は異なります。
というのも、リフォーム業者にはハウスメーカーや工務店、電気・ガス業者、リフォーム専門業者などさまざまなタイプが存在しているためです。
あらゆるリフォーム工事を総合的に対応する業者もあれば、特定の工事に特化して行う業者もあります。
さらに、リフォームは住宅だけでなく店舗やオフィスなども対象となり、それぞれを専門に取り扱う業者も珍しくありません。
いずれにしても、リフォーム工事は既存の建物に対して行う工事となるため、工事内容や時間帯など、対象に合わせて柔軟に対応することがポイントになります。
リフォームと新築で施工管理の仕事はどう違う?
リフォームと新築で施工管理の仕事は大きく異なります。
仕事内容でおもに違う点とは以下の通りです。
- クライアントとの距離が近い
- 制約が多い
- 予期しない事態が起こることがある
■クライアントとの距離が近い
リフォームの施工管理は、新築工事よりもクライアントとの距離は近くなります。
要望の聞き取りや工期の調整など打ち合わせが必要になることや、ときにはクレームを直接伝えられることもあります。
そのため、クライアントの信頼を得るために施工管理者が先頭に立って動かなくてはいけない場面も多くなるでしょう。
リフォームしない部位にキズが付かないための養生をしたり、騒音や粉じんが出る工事をする前には近隣へ挨拶に回ったりなど、きめ細かく柔軟な対応が求められます。
■制約が多い
リフォーム工事は、クライアント側の事情によって制約を受けることが多くなります。
住宅のリフォームでは、日常生活を送りながら工事を進めなくてはいけないケースもありますが、できるだけ生活に支障が生じないよう配慮しなくてはいけません。
工事が土日の限定であったり、平日でも9:00~17:00を目安としたりなど、とくに時間帯の制限が多くなります。
そして、工事期間中は必ず毎日時間内に掃除を終わらせること、工事をしていないときにも家族がケガをしないよう養生を徹底することなども施工管理の責任で実行する仕事です。
また店舗やオフィスのリフォームなどは、土日や深夜などクライアント側の業務時間外に工事をすることが多くなります。
そのため、生活のリズムが乱れる工事がともなう場合は、体調管理も重要な仕事になるでしょう。
■予期しない事態が起こることがある
リフォーム工事では、工事の途中で予期しない事態が起こることはけして珍しくありません。
例えば、既存の建物が図面通りに施工されていなかったり、あるいは一部を解体すると劣化が著しく進行していたりすることなどです。
施工管理は、いかなる事態が起こっても、適切に対応することが求められます。
また場合によっては、工事内容や工期に変更が生じてしまうケースもありますが、クライアントに事情を説明し理解してもらうことも施工管理の仕事のひとつです。
まとめ
リフォームの施工管理は、新築工事よりもクライアントへの配慮が重要なポイントになります。
そして工事前には想定していない事態が起こる可能性があるため、いかなる場面にも柔軟に対応する力を身に付けることが施工管理者には求められます。
この点は難しいことと捉えられがちですが、経験を積み重ねることで発揮できる力であり、大きなやりがいでもあります。
またクライアントとの距離が近いだけに、反応をダイレクトに感じられる点はこの仕事の醍醐味のひとつです。
工事が終わって感謝の言葉をかけられたときは、なんともいえない達成感を味わえるでしょう。
※この記事はリバイバル記事です。