住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士として新米の頃、報連相がうまくできていないと注意されたことがある方がほとんどではないでしょうか?住宅設計士にかかわらず、社会人として求められるスキルですが、実は報連相というものは難しいです。業務の全体の流れを把握し、どこが仕事の重要ポイントで、どこをミスしてはいけないのか、どこを確認すれば効率的なのか。これらについて、新人の頃は何も分からないため、ほとんど仕事になりません。この記事では、そんな新人住宅設計士がどのように報連相を行えば良いかを簡単にご説明いたします。


報連相は社会人に最初に求められる

報連相は、「報告」・「連絡」・「相談」を略したものです。報告は、与えられた仕事の進捗や、トラブル、今後発生するスケジュールなどを伝えることを言います。連絡は、決定事項などを関係各所に伝え、なおかつそれが実行されるように段取りすることを言います。相談は、不明点や自身で決定権がない事象に対して行われるものです。

これらは、仕事を円滑に問題なく進めるために不可欠とされています。報告をしないと、仕事が止まっている部分に気づかない、トラブルに対応するのが遅れるといった業務に支障が出ます。連絡をしないと、関係各所が業務を実行する段取りを組むことができないです。相談をしないと、勝手に裁量がないものまで判断してしまい、あとで取り返しのつかないことになる場合もあります。

このように報連相は、業務を円滑に進めるために正しく行わなければ、仕事が成り立たないというほど重要なものです。

報連相は実は難しい

報連相は、わざわざこのような言葉が浸透しているということは、できていない場合が多いからになります。全員が当たり前にできることであれば、このような言葉はわざわざ言わないでしょう。ではなぜ報連相は難しいのでしょうか。

報連相が難しい理由は、仕事全体を把握し、どこでトラブルになってしまうかなどを把握していなければ、実はできないからです。このような全体像を把握している上司から、報連相をしっかり行うようにと言われるわけですから、そのレベルでできなければいけないのです。

つまり、報連相が完璧にできているということは、上司と同じ仕事ができるようになっているといっても過言ではありません。報連相ができないと注意された新人は、仕事の全体像を把握することと、実際のトラブル事案を共有してもらったり、トラブルになる場合をイメージしてみましょう。
なぜそれを報連相しなければいけないのかについて考えることも、報連相ができるようになるための近道です。

住宅設計士における報連相

住宅設計士は、具体的にどのような報連相が求められているでしょうか?設計士の場合は、デザインを伝えるという抽象的な考えを共有するので、報連相がよりレベルの高いものになります。コツは、考えを道筋に沿ってそれらを伝える方法です。

また、安全・性能・コストといった設計の肝となる面に関しては絶対にミスがあってはいけません。これらについては、入念に上司と確認打ち合わせを行う必要があります。

考えを道筋に沿って伝える

デザインなどの報連相は、考えを道筋に沿って伝えてみましょう。例えば、模型などを作って上司に確認してもらうとします。「このデザインいかがでしょうか?」これでは上司はどこを確認して、全体的にイマイチだと思うところを指摘するだけになります。
しかし、これではせっかくあなたが考えたデザインについて、上司は理解せずに感想を述べるにとどまってしまいます。

そのデザインをするに至った、核となる部分を示し、それに付随した建材の実物や色、配色関係、事務所の設計方針などを順序立てて説明できるようにしましょう。そうして初めて上司がデザインという業務をどのように遂行し、出来上がった形がどのような経緯で考えられたのかを把握できます。

また、上司にどういった点に注意して確認をするかなどを、あらかじめ聞いておくことも重要です。上司と言っても1人の人間ですので、完璧に部下を理解して確認することはできません。お互いにどこの点について話し合うかを決めておくことは、会議をする上で必要なことです。

安全・性能・コストに注意

安全面では、デザインの都合で特に施工時に落下事故を防止するための対策を行わなければならないことなどを相談しましょう。安全対策にもコストがかかり、全体に影響を及ぼすこともあります。

性能面では、特に雨漏りに注意する必要があります。天窓や特殊な形の屋根など、雨漏りの危険性が高まるデザインを採用する際には注意が必要です。

コスト面では、特に設計変更について注意が必要です。クライアントから設計変更の要望が来ることは多いです。その際にコストについても事前に伝えておきましょう。変更することでコストがかかることなどをクライアントに伝え、その前に上司に相談必要があります。コスト管理は事務所の経営に関わることなので、第一に考えて行いましょう。





※この記事はリバイバル記事です。

関連するキーワード


住宅 設計

関連する投稿


【営業が変わる!4ステップ】お客様が住宅契約を決める理由

【営業が変わる!4ステップ】お客様が住宅契約を決める理由

営業にとって、お客様の住宅契約を決める理由がわかれば苦労することはありません。しかし、お客様が契約する理由を見つけることは不可能です。なぜなら、お客様も「これがあったら契約する」というものを明確に決めている方はいないからです。これを勘違いしている営業もいるのではないでしょうか?そのため、お客様が住宅契約を決める理由をヒアリングすることが、営業の仕事だと思い込んでしまっている方もいらっしゃいます。この記事では、営業の考え方がガラッと変わるかも知れない、お客様が住宅契約を決める理由をご紹介いたします。


【難しくない!】1つだけ守れば良い。現場監督のコミュニケーション

【難しくない!】1つだけ守れば良い。現場監督のコミュニケーション

現場監督は、よくコミュニケーション能力が必要で、発注者(もしくは施工会社)とお客様、職人と板挟みになってしまう、と聞きます。現場監督は、工事現場の一種の連絡ツールです。そのため、この連絡ツールとなっている現場監督がうまくコミュニケーションを取れないと、予期せぬトラブルに発展することもあります。しかし、いわゆる「話がうまい」「誰とでも仲良くなれる」といったようなコミュニケーションスキルは必ずしも必要ではありません。この記事では、1つだけ守れば、現場監督としてのコミュニケーションが上手くいく方法をご紹介いたします。


働き方改革!施工管理者の残業を減らそう

働き方改革!施工管理者の残業を減らそう

働き方改革が進んでいますが、施工管理の慢性的な長時間労働は、まだ改善の余地があります。会社によっては、全く変わらない状況のところもあります。長時間労働は、労働者を疲弊させるだけでなく、業界としても人手をすり減らしていくことは、長期的にデメリットしかありません。ではなぜ、施工管理は残業時間が多くなってしまうのでしょうか?業務を効率化させる方法は、何か、なぜ浸透していないのかについてご紹介いたします。


外構の基本|種類・役割や注意点

外構の基本|種類・役割や注意点

戸建て住宅において、施主様が気にしていないことも多い外構ですが、住宅環境を考える上では非常に重要な要素です。外構について工務店などの施工会社が、その予算や、必要性について認識していなければ、お客様が住んでから困ってしまいます。この記事では、外構の基本的な知識から、その役割、特に注意しなければならない境界などについてご紹介いたします。外構工事だけでも数百万円とかかることもあるため、設計時には最初に伝えておくべきことでもあります。


入居後のクレームを減らす!新築住宅設計時のポイント

入居後のクレームを減らす!新築住宅設計時のポイント

ハウスメーカー、工務店の営業などは、引き渡し後にお客様からクレームがあったという方は多いのではないでしょうか?クレームとは言わなくても、お客様の認識が、イメージしていたものと異なっており、不満が残ってしまうということもよくあります。こういったトラブルの中でも、汚れや、メンテナンスが必要だと思わなかったという不満が多いです。新築時には、メンテナンスのことをあまり営業も話したがらないです。そして、営業も建築士も、メンテナンスのことはほとんど知らないということもあります。この記事では、入居後のクレームを減らすために知っておくべき、住宅設計時のポイントについてご紹介いたします。


最新の投稿


上棟式はしないといけないの?しない場合にやっておきたいこととは?

上棟式はしないといけないの?しない場合にやっておきたいこととは?

住宅の新築工事の期間中には、施主にとって多くのイベントがあります。 そのうち、とくに木造住宅では、上棟が重要な節目となり、なかには「上棟式」を行うケースがあります。 しかし、「上棟式」とはどのようなもので、また行う必要があるものなのでしょうか? そこで本記事では、新築住宅の「上棟式」はしないといけないのか、また住宅会社の立場として「上棟式」をしない場合にやっておきたいことなどについて、ご紹介したいと思います。


【営業が変わる!4ステップ】お客様が住宅契約を決める理由

【営業が変わる!4ステップ】お客様が住宅契約を決める理由

営業にとって、お客様の住宅契約を決める理由がわかれば苦労することはありません。しかし、お客様が契約する理由を見つけることは不可能です。なぜなら、お客様も「これがあったら契約する」というものを明確に決めている方はいないからです。これを勘違いしている営業もいるのではないでしょうか?そのため、お客様が住宅契約を決める理由をヒアリングすることが、営業の仕事だと思い込んでしまっている方もいらっしゃいます。この記事では、営業の考え方がガラッと変わるかも知れない、お客様が住宅契約を決める理由をご紹介いたします。


工事現場写真の撮り方・整理方法・カメラの選び方

工事現場写真の撮り方・整理方法・カメラの選び方

現場監督だけでなく、ときには営業も現場写真を撮ることがあります。現場写真は、工事現場の確認にとって一番重要です。たとえ目視で問題がないことを確認しても、それを他の人に証明しなければいけません。公共工事でも全ての工事には、写真撮影での記録の保持が求められます。しかし、写真の撮り方というものをしっかりと学ばずに、写真を撮ってしまっている方もいます。写真を撮ることが仕事となっている以上、写真の撮り方を学ぶことは必要で、実は注意しなければいけないポイントもあります。この記事では、現場写真の撮り方・整理方法・カメラの選び方までご紹介いたします。


現場監督の仕事のコツ|打ち合わせ記録

現場監督の仕事のコツ|打ち合わせ記録

現場監督は、毎日、様々な部署や取引先、職人、発注者などと打ち合わせを行います。その際に、お互いに何を確認したのか、決定事項は何かなどを共有する必要があります。電話やメールでやりとりを行っていたとしても、お互いの認識が異なっていることもよくありますし、時間が経てば忘れてしまうものです。相手も多くの連絡を行っており、情報がごちゃごちゃになってしまっていたなんていうこともあります。現場監督は、打ち合わせの記録を的確に行うことで、業務効率を上げ、予期せぬミスを防ぐこともできます。この記事では、実務に役立つ打ち合わせ記録の仕方をご紹介いたします。


現場監督は、資格を取っても勉強を怠らないこと

現場監督は、資格を取っても勉強を怠らないこと

現場監督は、施工管理技士の資格を取るために勉強をするのが一般的です。しかし、資格をとってからも建築知識の更新を行うために、勉強を怠らないことが大切です。資格を取ったからと言って、全ての知識が入っているわけではないことと、全ての現場で対応できる知識というのは、完璧には身に付いていないためです。そうは言っても、勉強することが苦になっては続かないので、適度に楽しみながら勉強してみましょう。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


住宅 利益 新築工事 現場監督 施工管理 職人 営業 建築 資格