住宅建築に不可欠な「施工管理」とはどのような仕事でしょうか?
とくに施主にとって住宅の新築は、一生に一度の大切な買い物です。
満足できる買い物だったと喜んでいただくには「施工管理」の仕事が重要なカギを握っています。
また「施工管理」の仕事は非常に幅広く、いくつかの管理業務を同時に進めていくことも求められます。
そこで今回は、「施工管理」とはどのような仕事なのか、またとくに重要な4つの管理業務について深掘りしてみたいと思います。
施工管理とは?
住宅建築における施工管理は、工事が円滑に進むよう調整し、そして完成へと導くための業務全般を担う仕事になります。
施工管理業務を行うにあたり基本的に資格は必要ありませんが、プロフェッショナルを目指しキャリアアップを図るためにも国家資格の「施工管理技士」の取得がおすすめです。
「施工管理技士」は、一定の実務経験を積むことで受験が可能になります。
施工管理のとくに重要な4つの管理とは
施工管理の仕事は多岐にわたりますが、とくに重要な業務は以下の4つです。
・工程管理
・安全管理
・品質管理
・原価管理
これら重要な管理業務について、それぞれ詳しく解説いたします。
■工程管理
工程管理は、工期内に完成するよう工程表をつくり、予定通りに工事を進めるための管理をする業務です。
ひとつの現場には多くの専門業者や職人が携わっており、これらすべての人が工程表を根拠に担当工事を遂行します。
工程に遅れが生じると、その後の工程にも影響するため、その都度調整や見直しを図らなければいけません。
工事が円滑に進まない場合、工期の遅れを招くだけでなくムダなコストが発生したり、あるいは品質の低下を招いたりすることもあるでしょう。
各業者が工程を守り、工期までに完成させるための環境をつくることが、施工管理者の重要な業務になります。
■安全管理
安全管理は、現場内に存在する危険を排除し安全に作業できる環境を整えるための業務です。
建設業の労災事故は他の業界と比較しても圧倒的に多く、工事現場での安全への取り組みは絶対に欠かせません。
工事中の事故は、作業者だけでなく施主にとっても重大な問題であるため、絶対に起こることがないよう未然に防ぐ必要があります。
とくに住宅の工事現場では、高所での作業や電動工具を使った作業などさまざまな危険が潜んでいます。
これら危険を排除するために、手すりを設置したり工具の安全チェックをしたりなど、対策を施さなければいけません。
また、現場入場者に対する安全教育も重要な業務です。
危険行為の禁止を徹底することや、KY(危険予知)活動を行うことなど、施工管理者が主導して安全意識を高める必要があります。
■品質管理
品質管理は、設計図面通りの施工ができていること、または仕上がりに問題がないことなどをチェックする業務です。
指定されている材料や設備が正確に設置されているか、あるいはキズや汚れ、隙間などが生じていないかなど、節目ごとに確認し合格をもって次の工程へ移行します。
また仕上がりの品質も重要ですが、基礎や柱、梁など構造部分の品質管理はとくに重要です。
というのも建物の耐久性に影響する部分であり、完成後には隠れてしまうことから問題があっても簡単に確認できなくなるためです。
完成品質は、施主の満足度に大きく影響する要素でもあるため、妥協せずこだわりを持って取り組むことが必要といえるでしょう。
■原価管理
原価管理は、限られた予算のなかで完成させること、そして会社として適正な利益を得ることなどを管理する業務です。
原価管理自体は、専用ソフトを導入している会社も多く、それほど難しいことではありません。
しかし工事の出戻りや材料の発注ミスなどが発生することで生じるムダなコストは、厳格に管理し徹底して削減することが求められるでしょう。
まとめ
施工管理は、多くの業務をこなしていかなくてはいけません。
しかも同時進行で行うことも、ときには必要です。
肉体的にも精神的にもハードな側面はありますが、自分の采配でひとつの作品ができあがる喜びは格別でしょう。
※この記事はリバイバル記事です。