【屋根材まとめ②】種類、特徴についてこれを読めばほとんどわかる!住宅従事者向け

【屋根材まとめ②】種類、特徴についてこれを読めばほとんどわかる!住宅従事者向け

 その①では、化粧スレート、天然スレート、粘土瓦、セメント瓦の4種類についてご紹介しました。日本の住宅の屋根といえば瓦だったのですが、近年では化粧スレートがほとんど採用されています。外を歩いていると、屋根材はこれだけではなく、非常に様々な建材が使われています。今回その②では、化粧スレートに次いで、分譲住宅で採用され始めているアスファルトシングル、メンテナンスがほとんど必要ないことから人気の出てきているガルバリウム鋼板などをご紹介いたします。


樹脂繊維セメント瓦の特徴、メリット、デメリット

材質:セメント、樹脂繊維など
単価:10000~20000円/㎡

樹脂繊維セメント瓦は、軽量瓦などと呼ばれています。粘土瓦よりも半分程度の重量で、十分な耐久性があり、外観が粘土瓦に似ているものになります。そのため重厚感のあるハウスメーカーなどで比較的採用されている屋根材になります。

主なメーカー
ケイミュー株式会社など

メリット

・耐久性、耐震性が高い
従来の瓦と同等程度の耐久性、軽量なため耐震性に優れています。
・メンテナンスがほとんど不要
化粧スレートなどのように塗装によるメンテナンス等は不要になります。
・デザイン性が高い
非常に高級感、重厚感のある見た目になります。

デメリット

・費用が高い
建材としての価格が比較的高いです。

アスファルトシングルの特徴、メリット、デメリット

材質:アスファルトなど
単価:5000~8000円/㎡

北米で100年以上屋根材として使用されている実勢があり、耐久性も非常に高い建材になります。ガラス繊維とアスファルトでできており、表面に石を吹き付けたシートで、スレート と似たように施工していくものです。色の発色がよく、外観はとてもおしゃれになります。

メリット

・耐震性が高い
非常に軽量で、耐震性に優れています。
・コストが低い
材料費が比較的安いです。
・デザイン性が高い
外観がオシャレに見えます。

デメリット

・表面の石が落ちる
新品時、吹き付けてある表面の石がボロボロと落ちてきます。
・経年劣化により汚れがつきやすい
細かい石の間に苔などがたまりやすいです。

ガルバリウム鋼板の特徴、メリット、デメリット

材質:鉄、アルミニウムなど
単価:8000~12000円/㎡

ガルバリウム鋼板はアメリカで開発されたもので、メッキされた鋼板になります。アルミニウム、亜鉛、で特殊なメッキがされており、高い防食性があります。金属系の屋根材の中では一番人気が高く、屋根材としてだけでなく、外壁材としても使われています。

主なメーカー
アイジー工業など

メリット

・耐震性が高い
薄い金属板のため軽量で、耐震性に優れています。
・防食性が高い
サビることがほとんどないと言われている素材になります。

デメリット

・傷に弱い
メッキが傷ついてしまうと、サビやすくなってしまいます。
・防音性、断熱性が低い
薄い金属板のため、防音、断熱効果がないですが、断熱材などを入れた屋根材なども出ています。

銅板屋根の特徴、メリット、デメリット

材質:銅など
単価:20000~40000円/㎡

銅板はサビず、メンテナンスがほとんど必要ないもので、お寺などの屋根に使われています。古い住宅などでは銅製の雨樋などを使用している住宅もあります。費用が屋根材の中で一番高いため、使用している住宅はほとんどありません。

メリット

・メンテナンスフリー
半永久的にメンテナンスは必要ないと言われていいます。

デメリット

・コストが高い
材料費が高いのと、専門の職人しか施工できないため、人件費も高くなります。

ステンレスの特徴、メリット、デメリット

材質:ステンレス(鉄、クロム、ニッケル)など
単価:10000~14000円/㎡

ステンレス鋼板は鉄を主成分としたクロム、ニッケルなどの合金になります。ステンレスは生活に非常に馴染んでいる金属ですが、屋根材としても使われています。しかし高額なため、現在はほとんどの住宅で採用されていません。

メリット

・耐久性が高い
ステンレスは錆びにくいため、ほとんどメンテナンスが必要ありません。

デメリット

・防音性が低い
薄い金属板のためそこまで防音性がありません。
・コストが高い
ステンレスの材料費、専門の職人が必要なため人件費がかかります。

トタンの特徴、メリット、デメリット

材質:トタン(鉄、亜鉛)など
単価:5000~6000円/㎡

トタン屋根という言葉は聞いたことがあるかもしれません。一般住宅や、簡易的な小屋などにも使用されている屋根材になります。亜鉛メッキをすることで錆びにくくした材料ですが、屋外で何年も雨にさらされるとサビます。メンテナンスを行えば、穴が開くことはほとんどありませんが、外観などから近年は不人気な屋根材です。

メリット

・コストが安い
材料費がとても安いです。

デメリット

・錆びやすい
表面が錆びることですぐ見た目が悪くなります。
・定期的なメンテナンスが必要
錆びた部分は剥ぎ取り、再塗装を行う必要があります。



※この記事はリバイバル記事です。

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