S造、RC造、SRC造は略称から覚えよう
・S造(steel):鉄骨造
・RC造(reinforced concrete):鉄筋コンクリート造
・SRC造(steel reinforced concrete):鉄骨鉄筋コンクリート造
これらは鉄steel、鉄筋をreinforced、鉄骨鉄筋をsteel reinforcedで表されています。reinforcedは「補強された」という意味で、reinforced concreteは「補強されたコンクリート=鉄筋コンクリート」という意味になっています。
鉄骨と鉄筋はどう違うの?鉄骨は柱、鉄筋は補強材
鉄骨と鉄筋で、実物を見たこともない方は、全くイメージがつかない方もいらっしゃるかもしれません。同じ鉄でできた建材ですが、全く違う建材になります。
簡単に説明すると、鉄骨は柱としてそのまま使われるイメージで、太さが2cm、長さが6mなど大きいものです(太さや大きさは建造物によって違います)。鉄筋とは、太さ1-2cm程度の棒状のものです。鉄筋は簡単に曲がる加工のしやすいものですが、鉄骨はクレーンなどで運ぶイメージです。鉄骨鉄筋コンクリートというのは、鉄骨の周りに鉄筋を配置し、それをコンクリートでかためたものを柱や梁にしています。つまり、鉄骨は柱、鉄筋は補強剤としての機能があります。
つまり、S造、RC造、SRC造は柱をどのような建材を用いて建てているかの違いになります。S造は鉄骨を柱に、RC造は鉄筋コンクリートを柱に、SRC造は鉄筋鉄骨コンクリートを柱に用いています。
S造、RC造、SRC造の特徴
S造、RC造、SRC造のそれぞれの建造物の特徴についてご紹介します。柱に使っている建材が違うため、それぞれの構造上の特徴があり、建てられている建築物にも特徴があります。
■S造は戸建て、超高層ビルや体育館など
S造は柱や梁といった構造材として鉄骨を使用しています。木造住宅の木の柱が鉄の柱になったイメージです。S造には2種類あり、重量鉄骨造と軽量鉄骨造になります。重量鉄骨造は鋼材の厚みが6mm以上のものを使用し、軽量鉄骨造は6mm未満のものを使用しています。
重量鉄骨造は強度があり、鉄筋コンクリートなどに比べて軽量のため、超高層ビルや体育館などの大規模建築物を作る際に採用されます。軽量鉄骨造は一般戸建て住宅や小規模施設にも採用されています。一般戸建て住宅で、軽量鉄骨造と聞くと見たことないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし実は比較的多く建っています。外壁材や内装は鉄骨を剥き出しにしているわけではなく、普通の戸建て住宅と同じような建材をしようしているため、外観ではわからない方も多いでしょう。
■RC造は5階建て以下のマンションなど
RC造は鉄筋コンクリートを柱や梁、床や天井全てに使用しています。コンクリートだけでは引っ張る力に弱く、それだけでは柱の機能を保てません。そこで鉄筋で補強することにより十分な耐久性を持った建材として鉄筋コンクリートが採用されています。鉄筋をコンクリートで覆うことにより鉄筋も錆びなくなります。
■SRC造は高層ビル、高層マンションなど
SRC造は鉄骨鉄筋コンクリートを柱や梁などに使用しています。RC造よりも耐久性に優れた建造物といえます。その分コストもかかり、中低層の建造物ではあまり使用されず、10階建て以上の高層マンションなどで使用されます。また、全ての階層にコンクリートを流し込むと建造物全体の重量が増えるため、5階以降はコンクリートを流し込まない場合もあります。
S造、RC造、SRC造の住み心地
それぞれの特徴はある程度わかりましたが、実際の住み心地には違いがあるのでしょうか。簡単にご説明します。
・S造
軽量鉄骨造は戸建て住宅などに採用されており、断熱材なども入れて施工されるため、住み心地としては比較的良いでしょう。
・RC造
耐震性、耐火性などに優れています。また、遮音性にも優れており、賃貸などではRC造が好まれる傾向にあり賃料も木造などより高い場合が多いです。
・SRC造
RC造よりも全ての性能が良いです。建築コストがかかるため、賃貸などでは賃料が最も高いといえるでしょう。
まとめ
小さい建物は木造、大きい建物は鉄骨造と思っていた方も多いと思います。しかし実際には軽量鉄骨像などは一般住宅でも多く建っており、とても身近なものです。建材の種類によって大きく分けられていることを理解すればわかりやすいかと思います。
※この記事はリバイバル記事です。