営業ロープレに不満が出る理由
営業ロープレは、成果につながっているという感覚を得られないとただ指示に従っている作業になってしまいます。このような意識が社員で広まってしまうと、不満が募りつつ効果も半減してしまいます。
これは社員のやる気の問題ではなく、実施する側(会社側)の問題であることが多いです。時間だけがかかり、社員が疲弊していくだけの時間となってしまっていることもあります。ここでは大きく2つ理由、できない上司と量だけこなしている場合についてご紹介いたします。
■できない上司
まずは、できない上司がいるということです。上司も1人の人間であり完璧ではありません。売り上げを作ることは得意であっても、ロープレが得意であっても、教えるのが上手いとは限りません。社員のやる気をなくし、会社から指示されたロープレという時間をただ消費しているということになりかねません。
特にできない上司の場合、ロープレをした社員のダメ出ししか行わないことがあります。ロープレはどのようにすれば良くなるのかをその場でフィードバックし、すぐにできるようにするものです。15分間のロープレを聞いて、FBを10分間ずっとダメ出しをしていても次の日には結局何をすれば良いのか分からないといったことになります。
例えば、ダメ出しをするのではなく、20秒ロープレを行った際にその部分があまりにダメであった場合には、上司が見本を見せましょう。そしてその見本通りにロープレができるようになる方が、改善された実感が両者にあります。
つまり、上司自身がロープレの効果を実感していないのであれば、それが問題であると上司がまず気付きましょう。ロープレは、改善をしたのであればその場で良くなったことがわかるものです。
■量だけこなす
量だけをこなすことでやった気になってしまっている場合も問題です。何が悪くて何が良いのか、それらをしっかりと分析することがロープレに重要です。
ロープレをテストのように扱うことも、あまり良い方法ではないこともあります。ただ時間を消費してしまっているのであれば、しっかりと目的とポイントを理解したロープレにしましょう。
成果が出るロープレのポイント5選
ロープレを行うことで営業成果を上げるためには、どのようなポイントを抑えれば良いでしょうか?
ロープレを行っていく上で、5つのステップに分けてポイントをご紹介いたします。
■1.まずは覚える
ロープレは自由に行うのも良いですが、基本的にはマニュアルを作り、それを基本とした流れにするのが望ましいです。これは基準を設けることで、営業のレベルを基準以上にすることができ、レベルが高い方も基準を知ることで、何ができていて何ができていなかったかを把握することができるためです。
マニュアルは、1つ20~30分以内で終わるものにしましょう。あまりにも長いと冗長になりすぎていたり、ポイントが曖昧になります。20~30分の中で、4つ程度のセクションに分けて練習すると効率的です。
ベテランほど、覚えることを嫌いますが、マニュアルを覚えるということは話題が一つ増えるということです。とっさの対応にマニュアルで練習したことが役立つこともありますので、会社として覚えるべきものは作った方が良いでしょう。
■2.質疑応答を覚える
マニュアルを覚えたら、よくある質疑応答をロープレしてみましょう。その質疑応答もフレーズを集めて、それらを覚えておくと使いやすいです。
特に新人営業などはこれらを覚えるだけで、中堅営業と同じくらい売れるようになってしまうこともあります。
■3.応酬話法を覚える
簡単な質疑応答の次は、応酬話法です。他社の話や、知識がないと答えにくいお客様の反論に対し、どのように回答するかを覚えていきます。これもフレーズを集めて、一覧で覚えるのも効果的です。
ここまでできるようになると、自然とクロージングもできる能力が身に付きます。
■4.資料を作る
質疑応答や応酬話法で、説明に必要な資料が出てきます。これらを補充して、営業が自作したり、会社として作成したりとロープレの成果が違った形でも出てきます。
■5.契約まで手間取らないようにする
最後に、契約の作業まで手間取らないように行いましょう。ロープレをすることで、実際の書類などを用いて書類作成や、重要事項の説明などスムーズに行えるようにしましょう。
ロープレは成果に必ず結びつく!基礎を踏まえて実践を積み重ねよう
ロープレは、会社として営業には必ず取り組ませた方が良いものです。営業社員のレベルを引き上げ、基準を設けることで地に足がついた営業力がつきます。
また、新人営業も1ヶ月しないうちに即戦力にすることもできます。ロープレに加えて、実践を積み重ねることで営業としてどこでも通用する人材集団にすることもできます。