住宅は工務店、ハウスメーカーのどちらで建てれば良い?

住宅は工務店、ハウスメーカーのどちらで建てれば良い?

住宅は、工務店とハウスメーカーに依頼するかで大きく選択肢が分かれています。住宅販売者にとっては、お客様にどちらで建てた方が良いかと質問されることもあります。どちらも悪いということもないため、多くの販売者は「予算に余裕があるのであれば、ハウスメーカーが安心ではないでしょうか?地元の工務店も評判は良いですよ」といった当たり障りのない回答になってしまっているのではないでしょうか。そこで、工務店、ハウスメーカーで建てる違いと何を基準に選べば良いかをご紹介いたします。


工務店とハウスメーカーの違い

工務店は地域密着で経営しているところが多く、その規模も年間着工棟数が10~30程度の比較的大規模のところから、年間2,3棟の小規模のところもあります。従業員も数名から数十名といった規模感です。

ハウスメーカーは、年間着工棟数が5000以上で3万を超えるメーカーもあります。工務店とは比較にならない規模であるため、ハウスメーカーでないと不安に感じるという方も多いです。しかし、ハウスメーカーといっても施工は工務店が行うといった構造になっているため、工務店だからといって余計に不安に感じる必要はありません。

まずは両者の違いについて簡単にご紹介いたします。

価格は工務店の方が安い

一般的に工務店の方が住宅価格は安い傾向にあります。もちろんオプション等により変わりますが、坪単価は工務店の方が手を出しやすい金額です。間取りや住宅のオリジナリティを出すことができる点がメリットで、ハウスメーカーでは対応できない住宅を建設することができます。

ハウスメーカーの場合は、工務店に比べ坪単価が非常に高いです。ブランドや広告宣伝費、人件費、研究開発費などが上乗せされています。ハウスメーカーの住宅は、ハウスメーカー独自の技術であるため、そのハウスメーカーでしか建てられない住宅となっています。技術開発を行なっていることはもちろん、このような体制を組むことで他社との違いを明確にしブランドを確立しています。

価格面で考えると、工務店に依頼した方が負担も少ないといえます。住宅性能においても、ハウスメーカーより著しく劣るということは無いため、ブランドや安心感をそこまで気にしない方は工務店に頼んでみることもお勧めです。

技術力はハウスメーカーが上まわる!?

技術力はハウスメーカーが一般的には上回っていると考えられていますが、実際に工事を行うのは工務店です。どのようなことでしょうか?

まずハウスメーカーは、鉄骨造の対応が可能であったり、工場で生産されたものやあらかじめメーカーで仕入れた資材を現場に発送しています。それらを使用して、工務店が現場で施工をするという流れになります。
つまり、ハウスメーカーの工場生産ラインなどを他社が真似することができないため、構造部分などでの特殊な技術は非常に高いレベルと言えます。

工務店の技術力が低いかというと、住宅性能といった面ではハウスメーカーに著しく劣るものではありません。同じ住宅性能でも、工務店の方が価格も安くお得ということもあります。工務店の方が、自由な設計が可能であることが多いため、デザイン力に関しては工務店の方が高いと感じる方もいらっしゃるようです。

アフターフォローは工務店が手厚い

アフターフォローは、ハウスメーカーの方が手厚いと評価されていますが、工務店の方が地域密着型の経営であるため充実していることがあります。

住宅は大小のトラブルは必ずあると言っても過言では無いほど、複雑な商品になります。たとえ決まった造りであっても、何かしらのトラブルが内包している可能性があります。ハウスメーカーの場合には、大きなトラブルは訴訟を行って解決します。1件でもお客様主導で対応してしまうと、全国で追加対応をしなくてはならないというリスクがあるためです。

工務店の場合には、小さいトラブルなども比較的安価で早期に対応してくれるため、長期的に見れば工務店の方がアフターフォローは手厚いと言えるのではないでしょうか。

ハウスメーカーの保証について

ハウスメーカーの保証が手厚いとしている場合もあるのですが、ハウスメーカーの保証は躯体保証というもので、構造部分が劣化した場合に保証するというものです。

構造部分の不具合というのはほとんど起こらないため、あまり必要で無いと考える方もいらっしゃいます。10年の間は瑕疵担保責任期間のため、工務店でも保証がついています。ハウスメーカーの保証が特に手厚いかというと、実はそこまでの内容ではないとも言えます。

工務店とハウスメーカーの選び方

では、工務店とハウスメーカーはどちらを選べば良いでしょうか?

まずは実際に行ってみる!

まずは実際に、ハウスメーカーを住宅展示場で見てみて、工務店のモデルハウスなども訪れてみましょう。そして、営業の対応や実際の住宅に触れ、実際に自分たちが住みたいと感じたものを選びましょう。

パンフレットやHPなどから、メーカーや工務店のこだわりを見ていると、その資料のデザインの違いで判断することになります。しかし、実物を見て、担当者の雰囲気、会社の雰囲気を見て決めることが1番間違いが少ないです。

関連するキーワード


住宅

関連する投稿


住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、建築士の資格を持っていることがほとんどです。しかし、資格を持っていれば完璧にデザインからディテールにこだわった施工まで、問題ない設計ができるかというとそうではありません。住宅設計士として、学ぶべきことは多く、自分1人で仕事を完結できるようになることはなかなか一筋縄ではいきません。技術を学び、盗むことが住宅設計士として一人前になるために必要なことです。この記事では、住宅設計士が何を学び、技術をどのように身につけていけば良いかご紹介いたいします。


住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士は、デザインをする上で、メールに設計図や写真を添付したり、細かい内容は電話をしたりとどちらも使う必要が出てきます。メールだけであれば簡単ですが、電話もしなければいけない状況が多くあります。それらについてどのような情報はメールで、何を電話にしなければいけないのか、判断がつきづらい事項も出てきます。この記事では、仕事をスムーズに進めるためにどのようにすべきかお勧めの方法をご紹介いたします。


住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士として新米の頃、報連相がうまくできていないと注意されたことがある方がほとんどではないでしょうか?住宅設計士にかかわらず、社会人として求められるスキルですが、実は報連相というものは難しいです。業務の全体の流れを把握し、どこが仕事の重要ポイントで、どこをミスしてはいけないのか、どこを確認すれば効率的なのか。これらについて、新人の頃は何も分からないため、ほとんど仕事になりません。この記事では、そんな新人住宅設計士がどのように報連相を行えば良いかを簡単にご説明いたします。


住宅営業の仕方でトラブルに!?クロージングを急ぎすぎてはいけない

住宅営業の仕方でトラブルに!?クロージングを急ぎすぎてはいけない

営業は月末になると、その月の売上をなんとしてでも作ろうとします。どの営業でもそうですが、この際にお客様にメリットになるクロージングトークをしかけます。しかし、このとき営業が急すぎ、後々の工事になった時にトラブルになってしまった経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、工事請負契約書を交わす際に注意しなければならない点についてご紹介いたします。


【営業で勝つために】住宅メーカーの研究をしよう!一挙にまとめてご紹介

【営業で勝つために】住宅メーカーの研究をしよう!一挙にまとめてご紹介

営業にとって、一番嫌なのが、他の会社にお客様を取られてしまうことではないでしょうか?住宅購入をしている方を見つけることが大変な営業です。せっかく購入意思が固いお客様にアプローチできたにも関わらず、今一歩のところで他社にしましたとなったときの落胆は、誰しもが経験したことがあるはずです。他社の住宅メーカーがどのような提案を行なっているのか簡単にご紹介いたします。


最新の投稿


住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、技術を学んで、そして盗め!

住宅設計士は、建築士の資格を持っていることがほとんどです。しかし、資格を持っていれば完璧にデザインからディテールにこだわった施工まで、問題ない設計ができるかというとそうではありません。住宅設計士として、学ぶべきことは多く、自分1人で仕事を完結できるようになることはなかなか一筋縄ではいきません。技術を学び、盗むことが住宅設計士として一人前になるために必要なことです。この記事では、住宅設計士が何を学び、技術をどのように身につけていけば良いかご紹介いたいします。


住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士の仕事術|電話・メールの使い分け

住宅設計士は、デザインをする上で、メールに設計図や写真を添付したり、細かい内容は電話をしたりとどちらも使う必要が出てきます。メールだけであれば簡単ですが、電話もしなければいけない状況が多くあります。それらについてどのような情報はメールで、何を電話にしなければいけないのか、判断がつきづらい事項も出てきます。この記事では、仕事をスムーズに進めるためにどのようにすべきかお勧めの方法をご紹介いたします。


住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士の報連相|なぜか上司に伝わらない

住宅設計士として新米の頃、報連相がうまくできていないと注意されたことがある方がほとんどではないでしょうか?住宅設計士にかかわらず、社会人として求められるスキルですが、実は報連相というものは難しいです。業務の全体の流れを把握し、どこが仕事の重要ポイントで、どこをミスしてはいけないのか、どこを確認すれば効率的なのか。これらについて、新人の頃は何も分からないため、ほとんど仕事になりません。この記事では、そんな新人住宅設計士がどのように報連相を行えば良いかを簡単にご説明いたします。


【働き方指南】新人住宅設計士は独立を目指して働こう!

【働き方指南】新人住宅設計士は独立を目指して働こう!

新人住宅設計士は、全く設計の仕事ができないと言っても過言ではありません。設計自体は先輩社員が基本的には行い、新人はそれの補佐から始まります。もっと設計に関わりたい!もっと案を出したい!と思っても、ほとんどできない状況が続くでしょう。小規模の設計事務所では、新人は電話対応やお客様対応などに時間を割かなければなりません。そこで、違う会社に転職しようとしたり、先輩の文句を言う前に、まずは自分が独立したときに困らない知識や経験を最低限つけてみましょう!


住宅営業の仕方でトラブルに!?クロージングを急ぎすぎてはいけない

住宅営業の仕方でトラブルに!?クロージングを急ぎすぎてはいけない

営業は月末になると、その月の売上をなんとしてでも作ろうとします。どの営業でもそうですが、この際にお客様にメリットになるクロージングトークをしかけます。しかし、このとき営業が急すぎ、後々の工事になった時にトラブルになってしまった経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?この記事では、工事請負契約書を交わす際に注意しなければならない点についてご紹介いたします。


最近話題のキーワード

ハウジングインダストリーで話題のキーワード


新築工事 現場監督 施工管理 住宅 利益 営業 職人 台風 現場監理 働き方改革 資格