急な変更はなぜ起きるのか
急な工事内容の変更はなぜ起きるのでしょうか?理由はいくつかあります。
・設計ミス
・図面ミス
・材料発注ミス
・体調不良などの人手不足
・天候によるスケジュール変更
・施主様からの内装変更など
ざっと挙げても6個の理由があります。建築は細かいところまで精密に決まっているわけではなく、現場でうまく納めていくという部分もあります。そのため、急な変更も起きやすく現場監督が必要な理由でもあります。
職人は急な工事内容の変更でも、柔軟に対応する技量はあります。しかし、一番困るのは変更により報酬が減ったり、スケジュールが合わなくなったりすることです。そのため、現場監督は変更作業の依頼やスケジュール調整をスムーズに行う必要があります。ここで会社と職人との板挟みに合い、ストレスを抱えてしまう現場監督もいます。上手い対処法についてご紹介いたします。
急な変更への対処法3選
急な変更には、次の3つの対処でうまく進めていきましょう。
1. 職人に波風立てずに頼む
2. お客様からの変更依頼を上手く断る
3. 現場監督自らが動く
これらを駆使することで、ほとんどの現場で困ることは無いでしょう。どうしても困った時には、上司や周りの人間に相談することも大事です。
■1. 職人に波風立てずに頼む
まずは変更作業が発生する旨を職人に頼みましょう。その際に、職人に大きな負担がかかる場合は注意が必要です。職人にとっては、報酬が減るという割りに合わない仕事になる可能性があるからです。
これを知らずに、現場監督から「変更依頼が来たので、従ってください。何を言おうとやらないといけないんです。よろしくお願いします。」と伝えるのは失礼です。
波風立てないために職人の事情を理解しつつ、「大変申し訳ないのですが、〇〇の理由で変更作業を行う必要ができました。職人さんには、スケジュール面等で大変ご迷惑をおかけしてしまうことになり申し訳ございません。何とか対応可能でしょうか?このような作業を行い、次のスケジュールにも影響が出ないようにいたします。」と丁寧に伝えましょう。
職人の事情を知っていれば、自然と上から目線の言葉は出てこないはずです。なぜなら変更依頼をかける方が無理なお願いをしているからです。現場監督にとってはどちらでも、大したことではありません。面倒な仕事であるだけで、給与は減りません。しかし職人は、面倒なだけでなく給与も減ります。
■2. お客様からの変更依頼を上手く断る
お客様から来る変更依頼もうまく断ることは、ときには大事です。
お客様「内装のクロスをやっぱりこっちに変更したいんですけどできますか?」
現場監督「材料が届いていて、職人の日程も決まっているので追加費用がかかるのでは無いかと思います。営業担当に連絡してみましょうか?」
お客様「そうですよね。こっちでもそんなに問題ないから、変更はしないでおきます」
などのように、変更が難しい旨をわかりやすく丁寧にお伝えしましょう。正直、お客様が「費用を払うから変更して欲しい」となった場合には、かなり面倒な作業になりますが営業や会社の判断に委ねましょう。現場監督は施主様と交渉することは避けた方が良いです。
■3. 現場監督自らが動く
最終手段になりますが、現場監督自らも作業を行う必要がある場合もあります。しかし、これを行っていると仕事が回らなくなり、過労で身が持たなくなります。あくまでも最終手段です。
現場監督も自ら動かなければならないという、緊迫した状況を見せることで、職人もとにかくやるしかないという雰囲気にする目的もあります。自分で手を動かすことで、職人がどのような工事をしているのかを知ることもできるのは良いことです。
こういった経験をしていると、後々役立ちます。職人が作業をしている際に、何か急遽必要になったものを先回りして準備をしたり、気遣いを言葉ではなく行動に表すことができるようになります。