住宅営業で特殊な事例|親の土地に子が住宅を建てる際の注意点

住宅営業で特殊な事例|親の土地に子が住宅を建てる際の注意点

住宅営業に転職を考えたとき、住宅ならではの難しい営業があるのではないかと不安になる方も多いと思います。実際は、転職後に上司のサポートなどがあるため、基本的には知識がなくても問題ありません。しかし、どういった特殊な事例があるのか知っておいた方が、転職活動にも就職してからも役立ちます。今回は、親の土地に子が住宅を建てる際の注意点についてご紹介いたします。


住宅営業は住宅をただ売るだけではない

住宅営業は、プランを提案し住宅を販売するというだけではなく、お客様の様々な予算組みやご状況に合わせて最適な提案を行う必要があります。そのために、住宅関係の知識だけではなく、不動産、保険、税金などの知識も必要になることがあります。

特殊な事例を少しでも知っておくことで、お客様から質問があったときにスムーズに回答することができ、より信頼を勝ち取ることができます。

税金問題!?親の土地に子が住宅を建てる

親の所有している土地に、子が住宅を建てるということはよくあります。親が余分に土地を所有していたり、マンションに引っ越すことになり、実家の土地を持て余しているなどです。親の土地に住宅を建てることができれば、子は土地の購入費用が必要なくなります

しかし、実は注意していないと親の土地を使うことは、税金がかかってしまうことがあります。親のものだから、「自由にして良いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、そうはいきません。所得税・相続税・贈与税などの問題が絡んできます。

税金がかからない方法

親の土地に子が住宅を建てても税金がかからない方法は、2つあります。
・親から土地を無償で借りる
・親の土地に二世帯住宅を建てる

親の土地を無償で借りると、税金がかからないため、この方法を取る家庭が一般的です。ここでのポイントは、賃貸料として親に支払いをしないことです。支払いをしてしまうと、後述するように税金がかかります。また、親が亡くなってから相続する際には相続税はかかります。

親から無償で借りることに気が引けてしまう方もいらっしゃるかもしれません。特に義実家の関係に夫婦のどちらかはなるため、そのように考えるのは当然です。このような場合には、固定資産税だけを支払うことがお勧めです。固定資産税のみであれば、無償で借りた場合と同様に税金を支払う必要は無いです。

税金がかかってしまう場合(所得税・相続税・贈与税)

親の土地に子が住宅を建てた場合、税金がかかってしまうこともあります。
・親から土地を有償で借りる
・親から土地を無償でもらう
・親から土地を安く購入する

親から土地を有償で借りる場合、親に所得税が発生します。親が賃貸料として利益を得ていると判断されるためです。家族間でのお金のやり取りに対して、税金がかかってしまうのは非常にもったいないですよね。

親から土地を無償でもらう場合、子に贈与税が発生します。親の所有だったものが、子の所有になりますので、贈与とみなされるためです。

親から土地を安く購入する場合、子に贈与税が発生します。例えば、2000万円の相場の土地を、子に500万円で売った場合、子は1500万円を得したことになります。この1500万円分は贈与とみなされ、贈与税がかかります。

以上のように、親の土地を利用する際に、税金面での注意をしていないと思わぬところで費用がかかってしまいますので気をつけましょう。

節税に役立つ相続時精算課税制度

将来的に相続するのだから、贈与でも構わないという考えの方もいらっしゃいます。そこで利用したい制度が、相続時精算課税制度です。相続時精算課税制度は、親が亡くなった際の相続ではなく、生前に前倒しで相続を行うことができるという制度です。生前贈与2500万円まで特別控除がされるもので、この制度を使えば2500万円までの贈与に税金がかかりません。

しかし、歴年贈与といった年間贈与110万円の控除制度と併用ができませんので、相続時精算課税制度を選択するとそれ以降は歴年贈与は無くなります。

(相続時精算課税制度利用の条件)
60歳以上の父母・祖父母から20歳以上の子もしくは孫への贈与

転職の際に知らなかったら?

転職の際に、これらの情報は詳しく知らなくても大丈夫です。ただ、実際にお客様に説明したことはないけれども、それぞれの税金の仕組みくらいは知っておくようにしましょう。面接の際に、万が一聞かれた際に、勉強していることをアピールできます。

住宅営業なのに、税金の話で全く知らなかった!内容を見ても、これをお客様に説明できるか不安!という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には最初は上司のサポートなどもあるので、業務に支障はありません。住宅会社に転職が成功したら、これらのことをお客様に自信を持って説明し、お客様が損をしないようにすることで、喜ばれること間違いなしです。

関連するキーワード


住宅 営業

関連する投稿


満足度アップ!住宅営業が持っておきたい資格6選

満足度アップ!住宅営業が持っておきたい資格6選

住宅営業は資格を持っている方がほとんどです。しかし、営業は資格がなくてもできる仕事なのになぜ資格を取得する必要があるのでしょうか?もちろん数千万円の契約のため、資格を持っていたらお客様は何となく安心であったり、知識も付くでしょう。ただ資格を取得して満足するのではなく、営業として意味のある使い方をしましょう!そのためにどの資格が役立つのか6つご紹介いたします。


注文住宅営業は施主の暮らし方を知るべし

注文住宅営業は施主の暮らし方を知るべし

注文住宅を購入しようとしている施主様は、今の暮らしに何かしらの不満を持ち、次の新しい住居に期待を抱いています。しかし、施主様はその不満やニーズをうまく営業や設計者に伝えることはなかなか難しいです。そこで、注文住宅営業は積極的に施主様の暮らし方を知るようにするべきです。ここまで信頼関係が築ければ、施主様も他社に行くことなく、気持ちよく住宅購入に踏み切ることができます。


【お金・土地・建物】住宅営業が知っておきたい知識3選

【お金・土地・建物】住宅営業が知っておきたい知識3選

住宅は何千万とするものであり、契約に際して様々な知識を必要とします。住宅は一生涯穏やかに過ごすために重要なものです。営業もお客様より知識がない状態で売ってしまうことは失礼ではないでしょうか?とはいっても、全ての情報を網羅することは非常に難しいです。それぞれの分野に専門家がいる世界です。そこで、住宅営業として最低限まずは知っておきたい知識について3つご紹介いたします。


住宅営業が楽しい!と思える瞬間4選

住宅営業が楽しい!と思える瞬間4選

住宅営業は、一生のお買い物である住宅を販売できるため非常にやりがいがあります。しかし、住宅営業といっても所詮は営業です。営業は大変で辛く長く続かない仕事だと言われますが、もちろん楽しいと感じる仕事でもあります。今回は、住宅営業マンに聞いた楽しいと思える瞬間を4つご紹介いたします!


住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅ローンの定番「フラット35」とは?特徴や銀行ローンとの違い

住宅を購入する際、多くの人が利用する住宅ローンですが、なかでも定番といえるのは「フラット35」になるでしょう。 「フラット35」の最大の特徴は「固定金利型」であることです。 「固定金利型」であることで、借り入れの時点で返済金額がわかり、また計画も立てやすくなります。 また、この他にも民間銀行が取り扱う住宅ローンとは異なる特徴があるため、知識として理解しておくとよいでしょう。 そこで本記事では、「フラット35」の特徴や銀行ローンとの違いについて徹底解説したいと思います。


最新の投稿


【今さら聞けない】事務に必須の「印鑑」まとめ

【今さら聞けない】事務に必須の「印鑑」まとめ

住宅会社の事務に限らず、どこの事務でも印鑑を使用します。社内文書だけでなく、社外との取引関係で契約書、見積書、様々な場面で使用されます。印鑑は法的な効力がありますが、どの印鑑をいつ使えば良いのか、なぜその印鑑を使うのかについて知らないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、会社で使う印鑑の種類や、どの場面で使用すれば良いかについてご紹介いたします。


【体験談】住宅会社の事務職はツラいよ?良いところ辛いところ

【体験談】住宅会社の事務職はツラいよ?良いところ辛いところ

住宅会社の事務員として、実際に働いた感想としては、普通の会社の事務より辛かったです。住宅会社は建設業界であり、建設業の仕事は非常に専門的で、なかなか難しいと言えます。ただ、事務員のスキルが高い女性は少なく、それでいて事務の求人は多いため、スキルを身につければ職に困らないとも言えます。体験した内容から少しでも皆様の参考になれば幸いです。


住宅会社における事務職の種類(総合・技術・営業)

住宅会社における事務職の種類(総合・技術・営業)

事務職はどの会社でも必要な業務を担う重要な仕事です。事務がいることで他の実務が円滑に進みます。住宅会社での事務は、実は様々な業務があります。住宅工事がとても複雑であるだけでなく、営業、施工外注、不動産など様々な業者、お客様とやりとりをするため、連絡だけでも煩雑になります。住宅会社での事務はどのような仕事を行なっているのでしょうか?この記事では大きく3つに分けてご紹介いたします。


【おすすめ資格5選】住宅会社の事務員に役立つ資格はどれ?

【おすすめ資格5選】住宅会社の事務員に役立つ資格はどれ?

事務員が有能であれば、仕事も非常に捗ります。住宅会社の事務としてレベルアップを図りたいという方も多いと思います。しかしただ建築士の免許を取っても、設計士や施工管理技士になるわけではないため、あまり実務では必要とされないかもしれません。そこで、事務として取得してレベルアップになる資格についてご紹介いたします。


住宅設計士は現場を知らない!?迷惑な設計士にならない方法

住宅設計士は現場を知らない!?迷惑な設計士にならない方法

住宅設計士は、建築士の資格も持ち、住宅建築の専門家です。しかし、実態としては工事現場の状況や、具体的のどのように工事が進んでいくのかをほとんど理解していない設計士も多いです。設計士は設計が仕事であって、現場見学を何日も行ったり、積極的に現場にくる方というのは少ないです。現場は、現場監督や職人が管理するもので、設計士は行く必要がないと考えている人が多いです。ただ、このような設計士は一般的に現場では迷惑で嫌われます。このような嫌われる特徴、そうならないためにどのような仕事をすれば良いのかをご紹介いたします。